昨日、新型コロナウィルスのワクチン接種3回目を行って来ました。
大規模接種会場にて接種を行ったのですが、さすがに3回目にもなると医師やスタッフの皆さんも手慣れて、被接種者の誘導、事務手続き、接種が流れるように速やかに行われていて僅か5分程で接種が終わり、副反応を見る為に待機する時間の方が長くなってしまいました。
しかしそれはそれだけ長く新型コロナウィルスの猛威が続いているということ。
報道によると政府は第4回目接種分のワクチンを日本の人口分ファイザーと契約したとのこと。
また接種に行くことになるのか?それとも確保したワクチンが要らなくなるのか?後者であつて欲しいと切に願います。
閑話休題
それでは本の紹介へと行きたいと思います。
本日紹介する作品は中山七里さんの作品。三回連続で同じ著者さんです(笑)
「またか!」と思われる方すみません。いやまあ、単純に中山さんの作品で読んでなかった作品を3冊集中して読んだので、「忘れない内に記事書いておこう」と思っただけなんですけど・・・
で、紹介する作品名は『ヒポクラテスの悔恨』!『ヒポクラテスの誓い』シリーズの第4作です。
それではいつも通リあらすじ紹介から行きますのでどうぞよろしくお願いします。
【 あらすじ 】
法医学界の権威で浦和医大の法医学教室教授の光崎が司法解剖をテーマとする情報番組に出演し日本の司法解剖の問題点を厳しく指摘し、「世の中の問題の九割はカネで解決できる」と言い放った。
翌日になると案の定、浦和医大に光崎の発言を非難するクレームが多数舞い込む。
更に放送局のホームページには『親愛なる光崎教授殿』で始まる犯行予告の書き込みがなされ、そこには「これから自分は一人だけ人を殺す。絶対自然死に見せかけた殺しなので殺された死体の声を聞けるものなら聞いてみろ」との文言があった。
大胆な殺人予告に、埼玉県警は反応。
捜査一課の古手川刑事と浦和医大法医学教室助教授となった栂野真琴は、管内の異状死体の事件性を片っ端から調べることになった。
次々と浦和医大に送り込まれる異常遺体。あっという間に枯渇していく司法解剖予算。そんな状況でもいつもと同じ冷静な目でメスを操る光崎がふと漏らした言動に真琴は驚く。
光崎には犯人の心当たりがあるのか?果たして犯人は誰なのか?・・・
【 解説 】
①本作の著者は人気ミステリー作家の中山七里さん
本作の著者は人気ミステリー作家の中山七里さん。1961年岐阜県生まれ。
2009年『さよならドビュッシー』にて第8回このミステリーがすごい!大賞を受賞しメジャーデビュー。以後ミステリー分野の作品を多数発表しています。中山さんのミステリーの作風はデビュー作『さよならドビュッシー』にて確立した明るく爽やかな音楽ミステリーから、正統派の警察小説、ダークヒーローの主人公が活躍する法廷劇、猟奇的なホラーミステリーまでかなり幅広く提供されています。
②本作は埼玉県の浦和医大を舞台とした法医学ミステリー『ヒポクラテスの誓い』シリーズの第4作!
本作は埼玉県の浦和医大を舞台とした法医学ミステリー『ヒポクラテスの誓い』シリーズの第4作!本シリーズは法医学界界の権威である光崎教授と法医学教室のメンバーが司法解剖を通じて隠れていた事件を見つけ出し事件の真相に迫る法医学ミステリーシリーズです。
③日本の司法解剖の問題点とは?
本シリーズで度々指摘される日本の司法解剖制度の問題点は、先進国では異常死体が見つかると犯罪性の有無や死因を特定するために司法解剖に供することが概ね当たり前になっていて異常死体の司法解剖率は数十パーセントから百パーセント近くになっている。しかし日本の異常死体の解剖率はわずか5パーセントにも満たず九割以上が死因不明のまま葬られている。これはそもそも我が国では司法解剖に十分な予算を付けることがなく、司法解剖ができる人材育成・確保にも力が入れられていないからである。
【 感想 】
今回は日本の司法解剖の実施率の低さという問題点をテーマにお話が展開します。
本来、病院死以外の明らかに死因が判っていない異常死体は犯罪性の有無や疫病の発生の予防の観点から司法解剖が行われなければいけないが、人材や予算の不足の為、実際我が国で発生した異常遺体の司法解剖率はわずか数パーセントに満たない。
ということで日本の異常遺体の殆どは死因の究明もされず葬られている。
なので司法解剖がなされなかった異常遺体の中には事件や事故などによって死に至ったものがある可能性が・・・
となれば司法解剖がなされなかったことで見逃された事故や犯罪があるということで、日本の事故件数や犯罪件数の数が低いとされているのでは・・・とも言えることに。
偽りの平和国家。低犯罪国家・・・
この作品は「見逃された事故や犯罪をそのままにしてよいのか?」との問いを投げかけている・・・
ということで今回はこの『ヒポクラテスの誓い』シリーズの当初から提示されていた日本の法医学・司法解剖における根本的な問題があらためて提示されました。
予算不足と人員不足。
人員不足は直ぐには解決出来ないものの、予算不足は手当しようと思えばできないことはない。
まだまだ地方自治体の全体の予算の中には無駄を削れる部分は在るのではないか?そして削った予算をこういう部分に投入できないのか?という事を本作を読んで考えさせられました。
で、肝心なミステリーとしてはどうなのさ?というとそこはごにょごにょ・・・まああまり予想外の事はありませんでしたね。まあこういう感じかなと事前に予想していた感じに話が進んでいきましたね。「どんでん返し」も無し。この点は惜しいなぁ・・・
ということで本日はここまで!当ブログ記事を読んでこの作品に興味を持った方は是非手に取ってみてください。それではまたよろしくお願いします。
※当ブログ記事にはACworksさん、かえるWORKSさんのイラスト素材がイラストACから提供されています。