あらためまして新年あけましておめでとうございます。

 

本日は本年最初の本の紹介です。今年も自分が読んだ作品の中から琴線に触れた作品、おもしろいやユニークな印象を持った作品、等、皆さんに紹介したいと思った作品について紹介していきたいと思います。

 

さて話変わって、年が変わって10日程経ちましたが、穏やかな年末年始を迎えたと思ったらまた新型コロナウイルス感染症の新規感染者が急増!各地で蔓延防止策がまた発動する事態になってきたようです。

せっかく新型コロナウイルス感染症の封じ込めに概ね成功していたと思った矢先の出来事。またあの閉塞感が感じられる生活に戻るのでしょうか?

オミクロン株の感染力がすごいのが心配ですね。

我が家は持病持ちの年寄りがいますので症状が軽い傾向があるオミクロン株でも油断できません。自分もできるだけ感染しない様にマスク着用、手洗い&手や身の回りの物の消毒、うがい等を忘れず過ごしていきたいと思います。

 

それではそろそろ本の紹介へ戻るとしましょう。

本日紹介する作品は時代小説の分野から、1月4日発売の佐伯泰英さんの作品、

『異変ありや 空也十番勝負(六)』です。

いつも通りあらすじ紹介から行くのでよろしくお願いします。

 

 

【 あらすじ 】

 

江戸の尚武館道場では、武者修行中の空也の身を案じつつ、坂崎家の長女・睦月と尚武館道場の門弟・中川英次郎の祝言が行われていた。そんな中、長崎会所の町年寄の高木麻衣から文が届く。

文には空也が薩摩の酒匂一派最後の刺客、太郎兵衛との勝負の末、瀕死の重傷を負い出島で異人医師の手当てを受けたものの、いまだ意識が回復しないと内容だった。

衝撃の内容に顔を曇らせるも空也の無事を祈る坂崎家と空也を知る周りの者たち。

果たして空也の意識は回復するのか?

そんな中、空也が逗留する長崎会所に一人の高麗人が近づいていた・・・

 

【 解説 】

①本作の著者「佐伯泰英」さんは時代小説界の大ベストセラー作家!

 

本作の著者の「佐伯泰英」さんは時代小説界の人気作家にして大ベストセラー作家さんです。

1942年北九州市生まれの佐伯泰英さんは1976年(34歳)に「闘牛」にて作家デビュー以後、冒険小説や国際謀略小説、ミステリーなどの作品を多数発刊するも作家として半ば飛ばずの時代を過ごし2000年を前に作家廃業の危機を迎えていた。

 そこで一念発起して作品ジャンルを時代小説に変更!1999年刊行された「瑠璃の寺」が重版がかかる程の大ヒット!以後時代小説作家として出す作品がヒットし続け、2018年第66回菊池寛賞受賞。

本作「空也十番勝負」シリーズは、NHKでテレビドラマにもなり累計発行部数2000万部超えの大ベストセラー作品となった「居眠り磐音江戸双紙」シリーズのスピンオフ的続編シリーズです。

 

②「空也十番勝負」とはどんな作品なのか?

 

「空也十番勝負」シリーズは、著者一番の大ヒットシリーズである「居眠り磐音江戸双紙」シリーズにおける主人公・坂崎磐音の嫡男・坂崎空也を主人公にした「居眠り磐音江戸双紙」シリーズのスピンオフ的続編シリーズです。

 

将軍家である徳川家の守護の任を密かに受け、事実上の官営道場足る「直心影流尚武館道場」の道場主である坂崎磐音の嫡男として生まれた空也は、元服を迎え将軍に謁見した時、秘められた任のことを知った。

 

そこで自らを鍛え自身の剣を造りあげる為、一人武者修行へと旅立った。

 以後薩摩藩のお留め流たる薩摩示現流の剣を学ぶ為に薩摩藩に侵入し示現流の剣を学ぶもそのことから薩摩からの刺客に付け狙われる様になる。

 空也は薩摩からの刺客から逃れる様に九州中を転々としつつも各地で剣術修行を続けいくつもの命がけの真剣勝負を経験し剣を磨いていく。

 そんな中、薩摩の示現流酒匂一派最後の刺客、太郎兵衛との勝負で相討ちとなった空也はその身を倒れ伏したのだったが・・・ という感じで前作第5巻でシリーズの執筆が途絶えていたのですが、3年経過した2022年新年初頭無事に復活しました!

 

 

【 感想 】

 

「えっあれで終わりなの?でも五番目の勝負だよね?」という感じで刺客との相討ちで終わった空也の武者修行のお話は3年前の事。

「あれ、このまま未完となるのかな?」と心配していたところ、2022新年初頭本シリーズが無事復活してくれました。

 

読んでいくと、刺客との対決で重傷を負った主人公の空也は長崎会所の町年寄・高木麻衣によって長崎会所に収容され異人の外科医の治療を受けたものの意識は戻らないという状況に。

 長崎からの文でこの事を知った坂崎家と空也を知る坂崎家と縁ある周りの人々は空也の回復を祈ります。

 

作品の前半は空也の無事を祈る江戸の人々の描写と空也の回復までのお話です。

 

作品の後半は回復への助力に感謝する空也が長崎会所の高木麻衣の願いを受け、長崎会所が幕府の目を逃れつつ行っている密貿易の手助けをするということで帆船にて清国の上海まで行くことになります。

 そこで置きた東インド会社の大株主の娘の誘拐騒動に巻き込まれた空也は事件の解決に助力するというお話です。

 

ここで本巻のポイントとなるのは、

①坂崎家の長女で空也の妹の睦月が結婚したこと。「居眠り磐音江戸双紙」から続く作品世界の時間の経過の長さを思い知らされます。

②空也を知る多くの人々が空也の無事を祈るというエピソード。空也の人徳がよく判ります。

③空也の武者修行旅が遂に日本国内を飛び出し海外へ飛び出しました。

 この作品の時代は、江戸時代11代将軍徳川家斉の世。時は幕末。幕府の力は衰えつつあり日本の周辺には異国の船が頻繁に現れた時期です。今回、高木麻衣を始めとする長崎会所の年寄り衆は、異国事情とこの国の幕藩体制の衰えを感じて国の未来に不安を覚え独自に動こうとしています。

 その事を知った空也は衝撃を感じた様。そして今後空也は自分の歩む道をどう定めるのか?

鉄砲による戦が主流になる世界の潮流の中、剣術によって徳川将軍家を守護する坂崎家の行方や如何に?

コレは今後の物語であきらかになるでしょう。空也と坂崎家の行く末はどうなるのか?物語が再開してくれて止まっていた時が動き出しました。モヤモヤが解消できそうな感じ。あー良かった。

 

 

ということで止まっていた「空也十番勝負」が無事刊行再開!刊行再開をじっと待っていた方は作品に早く作品を手に取ってください。また本シリーズや前シリーズ「居眠り磐音江戸双紙」を知らない方は読みやすくおもしろい作品なので是非お読みになってください。おすすめします。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

 

 

 

※当ブログ記事にはふわぷかさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。