つい先日、以前より興味があったメルカリに初めて挑戦!
バッグとPC関連商品を出品したところ数日で売り切りました。
まあ、出品したものは衝動的に購入したのですが使わず置いてあった物で、冷静になってみると使い道に困る物で処分したいと思い購入時価格の半額以下というか三分の一位のお値段を付けたのが良かったのかもしれません。
それにしてもこの手のスマホを使ったフリマのシステムは良くできていますね。
出品や購入者への連絡、決済までスムーズに行える。
そりゃー多くの方が気軽に参加するはずです。
そして実に多くの物が出品されている。何かしら必要と思って手に入れた物だったが結果として使わなかった、最初は使っていたのだが使わなくなった、多めに買ってしまったが要らなくなった、など、「所有者との『縁』がなかった物がこんなにも溢れているんだなぁ」と思った次第。
でもまあ、フリマによって、使わないと出品された物が欲しい&必要と思われている方の所に行くのなら良い縁結びのシステムでもあると思いました。
閑話休題
それでは本日も本の紹介に行くとしましょう。
本日紹介する作品は、あさのあつこ さんの時代小説、えにし屋春秋 です。
いつも通りあらすじ紹介から行くのでよろしくお願いします。
【 あらすじ 】
時は江戸。浅草の浅草寺雷門近くの裏手に人知れずひっそりと佇む仕舞屋。
その仕舞屋は、依頼者からの頼みで、人と人の縁を結ぶ、あるいは人と人の縁を断ち切る、お手伝いをするという稼業を営む「えにし屋」という店だった。
そんなえにし屋の座敷に座っているおまいは今、高価な振り袖を着せられ入念な化粧を施された自分の姿が写った鏡を覗きこみ息を呑んでいた。
これが、十になるかならずかで金目当てで親に奉公に出され、浅草今戸町の油屋「利根屋」で台所の下働きとして雇われ夜が明けてから日が暮れるまで働き続けるだけの日々を過ごす下女だったはずの自分の姿とは・・・
例えこの仮の姿が同業の大店の主人との縁談が持ち上がった後、店から姿を消したお嬢様の身代わりに町をそぞろ歩きする間のみの姿だとしても・・心浮き立つおまい。
その後無事、お嬢様の身代わりを努めはしたが、姿を消したお嬢様の行方は一向に判らず、焦燥感漂う利根屋。
縁談先の油問屋「有明屋」の主人に事の次第を打ち明け謝まざるを得ない状況になりつつあったある日、「えにし屋」に招かれた利根屋の主人夫婦とおまい。
その利根屋の主人夫婦とおまいの前に現れたのは縁談先の有明屋の主人だった・・・
【 解説 】
①この作品の著者はあさのあつこさん
本作の著者はあさのあつこさん。1954年岡山生まれの小説家・児童文学作家さん。
お医者さんの奥様で主婦業をしていたが、1991年(37歳)『ほたる館物語』で作家デビュー。
1997年『バッテリー』で野間児童文芸賞を受賞。同作は児童文学としては異例の1000万部超えのベストセラーに!
1999年『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞を受賞。
2005年『バッテリー』全6巻で小学館児童出版文化賞受賞。
2011年『たまゆら』で島清恋愛文学賞受賞。
するなど、主に児童文学作品や時代小説などのジャンルの作品を多数発表している作家さんです。
②『えにし屋春秋』は2020年発刊された新しい時代小説シリーズ
本作『えにし屋春秋』は、2020年に発刊されたあさのあつこさんの新しい時代小説作品。
店主で「お頭」と呼ばれる老人「才蔵」、普段は女装し女として生きる「おはつ」、今年7つの歳となった少年「太郎丸」、通いの女中「お舟」の四人で営む「えにし屋」は、依頼者の要望で、時として、人と人の縁を繋ぎ。時として、人と人の縁を切る手助けをする稼業。
そんな「えにし屋」には、様々な厄介事に巻き込まれ人間関係に悩む人がやってくる。
そんな依頼者の本音を探り出し依頼者の未来への道を切り開く手伝いをする「えにし屋」の活躍を描いた人情時代劇作品が本作です。
【 感想 】
久しぶりにあさのあつこさんの新しい時代小説作品を読みましたが、「人と人との縁を結ぶ」「人と人の縁を切る」ことのお手伝い、プランニングを行うという怪しき商売「えにし屋」を舞台とする物語とはおもしろい発想ですね。
身分制度、家長制度、など様々な制度や仕来りによってがんじがらめになっていてなかなか自分の思う通りに生きられない江戸時代を舞台に、依頼者の内心・本音・願望を明らかにしてできるだけポジティブに生きられる様に、人と人の縁を結ばせたり、縁を切ったりする手伝いする「えにし屋」の面々。
そんな怪しさも漂うアンタッチャブルな商売に手を染める人々と彼らに自分の抱える問題の解決に一縷の望みを賭け訪ねてくる依頼人の前と後の内心の変化がおもしろ
い。
そしてこんな怪しげな商売を営む才蔵とお初の過去もなかなかエグく、ココらへんがあさのあつこさんらしい。
そんな新しい物語の始まり。是非手に取って読まれることをお勧めします。
ということで本日はここまで!じゃあまたね。
当ブログ記事にはcoconnakoさん、NARAさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。