先週はブログの更新できずすみませんでした。
ちょっと家族の具合が悪くなりその対応でごたごたして更新できませんでした。
それにしてもコロナ渦の中、家族が風邪や呼吸器系疾患の様な症状で具合が悪くなると一瞬ドキッとしてしまいますね。
今はその様な症状で具合が悪くなると医者に相談して予約して行かないといけませんから・・・
幸いコロナの検査をしてもらって陰性だったので一安心。
しかし土日祝日など医院がお休みの日に家族の具合が悪くなると、その自治体の「休日在宅当番医」を調べて電話相談するところから始めないといけないので面倒ですね。当番医の医院もかなり離れた場所だったので大変でした。
それにしてももし家族が新型コロナだったりすると濃厚接触者の家族は皆が二週間拘束となってしまうので職場や学校などにも行けず面倒なことになるので、自分も今まで通り感染予防の生活習慣を続けていかなければとあらためて思いました。
閑話休題
それではいつも通り本の紹介へと行くことにしましょう。
本日紹介する作品は、今野敏 さんの警察小説、『炎天夢 東京湾臨海署安積班』 です。
いつも通りあらすじ紹介から行くのでよろしくお願いします。
【 あらすじ 】
東京都江東区の江東マリーナの海上に死体が浮かんでいるとの通報があり、東京湾臨海署強行班第一係の刑事達は現場に臨場した。
絞殺されたと見られる遺体の主がグラビアアイドルの立原彩花と判る。付近を捜査すると大手芸能事務所社長で芸能界のドンと言われる柳井武春所有のプレジャーボートの甲板から遺体の主の履いていたと思われるサンダルが発見され立原彩花と柳井の関係を調べると立原彩花は柳井のお気に入りで柳井のボートにもちょくちょく招かれていたらしい。
立原彩花は柳井の愛人なのか?柳井に殺人の疑いがかかる中、安積ら刑事たちが芸能界を取り巻くしがらみに切り込んでいくのだが・・・
【 解説 】
①本作品の著者は今野敏さん。
本作品の著者は 今野敏 さん。 今野敏さんは1955年北海道生まれの小説家、武道家。大学在学中の1978年『怪物が街にやってくる』で第4回問題小説新人賞受賞し作家デビュー。大学卒業後はサラリーマンとなるも退社し1981年作家に専業。
1999年空手道今野塾を主宰。作家と武道家の二足のわらじを履く。
2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞受賞。
2008年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞受賞、第61回日本推理作家協会賞受賞
2017年『隠蔽捜査シリーズ』で第2回吉川英治文学賞受賞
作品の傾向として、警察小説、武道小説、SF、バイオレンス、伝奇、オカルトなど多くのジャンル作品を発表している作家さんです。
②『安積班シリーズ』とは?
『安積班シリーズ』は今野敏さんの警察小説シリーズの一つです。
お台場をはじめとする湾岸地域を管轄とする警視庁東京湾臨海署を舞台に、安積剛志警部補率いる臨海署刑事課強行犯係の刑事たちの活躍を描く警察小説・サスペンス小説シリーズです。(※『蓬莱』から『神南署安積班』までは原宿の神南署を舞台としている)
③主人公の安積剛志の人となり。
主人公の安積剛志警部補は警視庁の所轄署である東京湾臨海署強行犯第一係の係長です。大学卒業後警察官になってから地域課を経て刑事に抜擢された以後ずっと所轄署の刑事畑を歩いて係長になった方です。バツイチ娘在り。
性格は慎重派だが警察官としての使命感、正義感、倫理観、反骨心が強め。言うべきことがあれば上司であっても直言をためらわない。また警察官という立場を利用して市民に対して横柄な態度を取ったり、容疑者であっても強圧的に振る舞い事件の自白を強要する輩を嫌っていて誰であっても丁寧な物言いを貫いている。中間管理職として部下が自分をどう見ているか気にする神経質な面もあり。冤罪が起こらない様に慎重に捜査を進めていくのも小心で神経質な面が影響していると思われる。がその仕事の進め方が部下や上司、他部所の同僚からは「慎重派で思慮深い人」という評価を得て好感度信頼度が高い。
【 感想 】
「炎天夢 東京湾臨海署安積班」は今野敏さんの「安積班シリーズ」の第20作目。
今回の事件は湾岸のベイエリアにある江東マリーナ付近の海上で若い女性の絞殺遺体が見つかる。遺体の身元を調べてみると殺された彼女はグラビアアイドルの立原彩花と判り、付近を捜索すると彼女の所属していた芸能事務所の親会社である大手芸能事務所の社長であり芸能界のドンと呼ばれている柳井武春所有のプレジャーボートから彼女の履物、絞殺に使われたと思われる凶器が見つかった。
湾岸署には捜査本部が開設され、捜査一課からは所轄署の刑事達を下に見下し、強圧的な性格で強引な捜査をしがちな佐治警部が乗り組んでくる。
物語はお互い肌が合わない安積警部補と佐治警部の対立模様を軸に展開し、芸能界のドンと呼ばれる柳井が容疑者なのか?殺された立原彩花は柳井の愛人だったのか?という問いを突き詰めていくお話しになっています。
相変わらず一歩一歩慎重に証言を集め裏取りをしながら事件の全容を解明しようとしていく安積。対して本当なら容疑者を誰かと決めつけもっと強引に捜査しがちな佐治が今回はそれほどはっちゃけていないのがちょっと不満。対立模様がちょっと薄めなのが不満でした。
その代わり、「被害者のグラビアアイドルと芸能界のドンである柳井の関係の追求」と柳井以外の容疑者の出現で、「柳井の犯行か?新容疑者の犯行か?」という謎の追求だけで一気に物語最後まで読み進めることができました。
そして最後に犯人の犯行動機が○○で空回りだったというのが切ない。
そこらへんの物語の進めかたは今野さんは上手い。
20作にもなると本シリーズの展開はもう手慣れたもの。ただ近頃安積と対立するキャラクターがイマイチ迫力がない。もっとアクの強い強圧的な嫌味なキャラでないと面白さが半減していると思ってしまった一作でした。
ということで警察小説として安定感のある安積班シリーズの一作。どこかで見かけたら手に取ってみてください。
それでは本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事には、Impraveさん、エンリケさん、まぽさんの素材を写真ACを通じて提供されています。