先日図書館に本を借りに行くと、カウンター横で老人が図書館の司書を相手に大声をあげて喚いていた。耳を澄ませて聞いてみると、どうやらその老人は、カウンターでの順番待ちをする際、前に並んでいた方に接近して並んでいて司書の方に「もう少し距離を開けて並ぶように・・」と注意されてキレたらしい。
カウンター前には距離を開けて並ぶ様に注意書きの看板や床には停止位置表示もあったのに自分よりはるかに若い二十代の小娘に注意されたことに恥ずかしさや悔しさがあったのか「マスクをしているのだからいいだろう・・」とか「小娘の癖に偉そうに・・」だとか「年長者を敬え・・」とか「法律で決まっているわけではない・・」などと意味不明な理屈を盾に大声で喚いていて止まらない。
流石に声の大きさと罵倒の酷さに老人に注意をしようかと自分が動きだそうとした時、図書館の偉いさんらしき人が仲裁に駆けつけてくれたので、行動を止めたが、あれが今で言う「キレる老人」かとその実態を見聞できました。
その後老人は初老男性の図書館の偉いさんに穏やかな口調ながら毅然とした説得がなされるとそれまでの強気な態度もなんとやら納得した体を装うとコソコソ図書館を去っていきました。
その様から年若く立場が弱そうなおとなしめな者を見極めてフラストレーションをぶつけていた節が伺えましたが、自分は将来ああいう老害老人にはなるまいと決意を新たにしました。
閑話休題
さあ、話題変わっていつも通り本の紹介へ行くとしましょう。本日紹介する作品は、ミステリー・警察小説の分野から、堂場瞬一 著 骨を追え ラストライン4 を紹介させて頂きます。
それではいつも通りあらすじ紹介から行くとします。
【 あらすじ 】
五十路のベテラン刑事・岩倉剛 には「岩倉が異動すると異動先には厄介な事件が起こる」という噂があった。
そして今回の南蒲田署から立川中央署への異動直後にもまたもや厄介な事件が起きてしまった。
10年以上放ったらかしになっていた廃屋の解体工事で白骨死体が発見されたのだ。白骨死体を司法解剖と鑑識の鑑定にかけた結果、件の遺体は未解決のままであった10年前起きた女子高生失踪事件の女子高生・真中礼央だと断定された。
当時の捜査では、当時、真中礼央と同級生で交際相手だった三川康友が容疑者に浮上したが確たる証拠がつかめぬまま捜査は行き詰まった。
そのため捜査陣の目は再び三川へと向けられたが、当の三川は末期癌により余命幾ばくもなく状態。満足に三川から事情聴取もできず行き詰まる捜査陣。
そんな中、岩倉は三川を容疑者だと決めつける捜査方針に一抹の不安を覚えていた。
一方、10年前行方不明になったままの女子高生が遺体で発見されたということで被害者遺族の真中家にはマスコミの取材陣が押し寄せ。事件の容疑者である三川の家族には世間の冷たい目が刺さる。
そこで警視庁犯罪被害者支援課の村野秋生が両家の支援に乗り出す。
ラストラインのベテラン刑事・岩倉剛と警視庁犯罪被害者支援課の村野秋生のコラボレーション企画!
果たして事件の犯人は誰だ?
【 解説 】
①この作品の著者は堂場瞬一さん
この作品の著者は堂場瞬一さん。元大手新聞の記者をする傍ら小説を執筆。2000年「8年」で第13回小説すばる新人賞受賞プロデビュー。以後スポーツ小説や警察小説のジャンルの作品を多数発表する人気作家さんです。
代表作は『刑事・鳴沢了』シリーズ、他
②この作品は『ラストライン』シリーズの4作目!
本作は、警視庁所属のベテラン刑事・岩倉剛が異動先の所轄署管内で起きた難事件を永年培ってきた刑事の推理力と洞察力と粘り強い聞き込みで事件の真実を暴くという、警察小説『ラストライン』シリーズの4作目です。
③この作品は『ラストライン』シリーズと『警視庁犯罪被害者支援課』シリーズのコラボレーション企画!
この作品はベテラン所轄署刑事の岩倉剛が活躍する『ラストライン』シリーズと犯罪被害者のケアと支援を行う警視庁犯罪被害者支援課の村野秋生達を描いた『犯罪被害者支援課』シリーズのコラボ作品。著者の2つの人気警察小説シリーズの夢の合体!ダブル主人公で事件の真実を暴きます。
【 感想 】
本作は上記の解説通り著者の人気警察小説『ラストライン』シリーズと『犯罪被害者支援課』シリーズの夢のコラボ作品で、未解決のままであった女子高生失踪事件の真実を両シリーズの主人公を始めとする主要キャラクターが解決に導くというものです。
10年前に発声未解決のままになっていた女子高生失踪事件を端にする女子高生殺害遺棄事件の解決に挑む所轄署刑事の岩倉剛とこの事件でマスコミの取材攻勢に巻き込まれ心痛める被害者家族と事件が解決前なのに「加害者の家族」とバッシングを受ける容疑者家族の両方をケアすることになった犯罪被害者支援課の村野秋生。
本作では両シリーズの主人公と主要キャラクターが一つの事件を巡って作品世界の中を縦横無尽に動き回り行動しています。
本作は、一つの事件を巡って、事件の真相と犯人の特定に邁進する岩倉剛のラストラインパートと事件の被害者&加害者かもしれない人物の家族に寄り添い支援することに心砕く村野秋生の犯罪被害者支援課パートの2つの物語が進行するという贅沢仕様
これまで著者の警察小説シリーズにおいては、ちょくちょく他の警察小説シリーズの主人公の名が出たり、ゲスト出演したりすることがありました。
が、今回はがっつり2つの警察小説シリーズが混じり合い一つの警察小説シリーズとして作品世界を造っています。
立場の違う二人の主人公が時にはぶつかり、時には絡まり、それぞれ別方向からのアプローチで事件の真実に迫るということで警察小説として作品世界が大きく広がった印象を自分は感じることができ大変満足できました。
堂場瞬一さんの2つのシリーズを知っている方はもちろん、知らない方でもおもしろく読めるのではないかと思われますので、どこかでこの作品を見かけることがありましたら是非お手に取ってみてください。
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事にはエンリケさん、岡山の街角からさん、ガイムさんの素材が写真ACを通じて提供されています。