コロナウィルス感染拡大に伴う非常事態宣言下のゴールデンウィーク、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

 

自分は普段やれていない物置や部屋の片付けやら庭の草むしりなどの雑用をやりながら、映画鑑賞やネットサーフィンや読書を行っています。

 

読書といっても、今回の事態で、本屋やブックオフでは、立ち読み禁止や長時間の店の滞在の遠慮なんかが謳われていて、満足に本を吟味して購入できる感じでもなし、まあネット小説サイトで読もうと思って目をつけていた長編作品をずっと読んでいる感じです。

 

とまあこんな感じで休みを過ごしているんですけれど、本日は今読んでいる長編作品の紹介なんぞしてみようかなと思います。

 

本日紹介する作品は、tera 著 装備製作系チートで異世界を自由に生きています です。

 

それではいつも通りあらすじ紹介からいくとしましょう。

 

 

【 あらすじ 】

 

ある日、ネトゲー好きのアラサーフリーターの秋野冬至は異世界に召喚されてしまった。

召喚されたのは異世界のデプリ王国。話を聞くとどうやら勇者召喚の儀によって高校生四人組(男一人女三人)と共に呼ばれた感じに。

 

能力の鑑定で高校生組は、勇者・賢者・剣聖・聖女の称号と共にチートなスキルと強力なステータスを持っていた。

 

しかし冬至には普通の人間並のステータスでスキルも何も無い。

 

えっコレって自分は勇者召喚に巻き込まれた?

 

愕然とするなか、俺がスキル無しの役たたずと見た王様は、俺に金貨4枚を与えて城から追い出した。

 

途方に暮れる冬至。

 

しかし偶然にも自分には以前遊んでいたネトゲーのゲームシステムと同じ便利スキルの数々が備わっていることを発見した冬至は、コレを利用して冒険者としてこの世界を気ままに暮らしていこうと決心するのだが・・・

 

 

【 解説 】

 

①この作品の著者はteraさん、作品はネット小説サイト「アルファポリス電脳浮遊都市」さんにて連載中の作品

 

この作品の著者はteraさん。この作品は、ネット小説サイト「アルファポリス電脳浮遊都市」さん(※以下アルファポリスと呼称) にて連載中のライトノベル作品です。

 

アルファポリスさんは基本掲載作品は無料で読めるのですが、作品が実本として刊行されるとその巻までは有料購読になるというシステムになっています。

 

当作品も小説の実本が出ていますので、そこまでは有料購読に・・・ (※2020年5月3日時点で1~5巻まで有料。213章以降754章までは無料で読めます)

 

もしこの作品に興味が湧いた時は、最初から読みたい場合はサイトでの有料購読あるいは実本にて読み始めてください。※コミカライズもされています。

 

②この作品の導入部は、異世界召喚モノ定番の巻き込まれ召喚シチュエーション!

 

この作品はライトノベル定番の異世界転生モノのジャンル。それもこれまた定番・お約束シチュエーションである「自分、勇者の異世界召喚に巻き込まれたけど自分は能無しステータスで約立たずとお城を追い出されたけど、実は隠されたチートな能力が・・・」系の作品です。

 

定番中の定番のスタイルで、ネット小説サイトで数多くの作品がこのシチュエーションで発表される中、この本が実本刊行に選ばれたその理由感想で語れるのか?自分ちょっと自信無しです・・

 

 

【 感想 】

 

解説でも触れましたが、この作品の導入部は、異世界モノ、それも異世界召喚モノの定番「勇者召喚に巻き込まれたら自分はスキル無しの雑魚キャラでお城から追い出されました・・」系のシチュエーション!もう掃いて捨てるほど作品が湧く、ド定番に使用されているシチュエーションです。

 

そんなド定番のシチュエーションで始まるこの作品、多くの類似展開から始まる多くの作品の中から選ばれて実本が刊行されたその理由とは?自分なりに分析してみようかなと思います。

 

①コミ障気味で臆病者内向的ネトゲ廃人引き篭もり気味の傾向にある主人公が失敗や後悔に苛まれながらもそれでも精一杯自分の進む道を探る様が良い。

 

この作品、特に一巻、二巻辺りまで読んでいると、一見よくあるド定番展開で城を追い出された主人公。自分にだけ備わった他人には無いチートなスキルを発見それを駆使して可愛い従魔とのんびりお気楽に生きる様を描いているだけかの様に思えるのだが、決してそれだけじゃない物語です。

 

冒険者ギルドや冒険者達の周りの人々から人の良い穏やかで優しげちょとお人好しな人畜無害な人間と判断されている主人公。しかし他人からそう見られるその姿の裏では、内向的でコミュ障気味、臆病者で引き篭もり気質の姿が隠れています。またアラサーのフリーターだった彼は、それなりに世間の現実を見てきた大人であり、世の中の理不尽や暴力も理解しているし、人の中にある狡さ、醜さ、弱さ、というものも充分理解しています。

 

そんな彼は権力者の横暴や他人から勝手に期待される事に起因する面倒事をとにかく避けひっそり平穏な生活を送ることを望むのですが、彼の持つチートなスキルでの無自覚のやらかし、トラブルメーカー気質で次々と厄介事に巻き込まれます。

 

そんな彼は、巻き込まれた厄介事を、巧みな?言い訳弁舌で相手を煙に巻き、それでもゴリ押しで主人公を害したり利用しようとする輩は超絶スキルで相手をボッコボコ!それで万事解決!スッキリ!・・・とは万事いかず、事が終わった後は、自分のしてきた事、逃げていた事を振り返って反省したり後悔したりでぐずぐず考えこんで落ち込んで思い悩む。

 

一見「飄々とした雰囲気でどこか間の抜けた優しげなひょろい奴」という目で周りから見られる主人公の彼ですが、彼の内心は、ちょっと小狡くて、ちょっと臆病で、ちょっと優しくて、ちょっと怠け者で、ちょっと気弱で・・・ とっても内向的で臆病なネガティブ思考の人物です。

 

そんな彼に共感を覚えるのは、自分の心の中にもそんな「ちょっと」が沢山存在してるからかもしれません。

 

そんな彼は、物語が進むに連れ、宗教組織、国家、権力者、圧倒的な力の超常の存在からによる理不尽な厄介事や敵意に次々と巻き込まれていきます。

 

そしてその厄介事に巻き込まれる度に、彼はいつかその様な厄介事に巻き込まれると予感していたのにも関わらず、その事に早期に対処せず逃げていた事を悔やみます。

そして深く沈思し後悔し嘆く・・・ 自分の怒りから人を殺してしまった事、自分の行動のせいで親しい人や仲間が傷ついてしまった事、もっと早く対処していれば・・・ あの時あーしていれば・・・ そんな彼の様は読者である自分の心を揺さぶります。

 

自分にもあったあの時、あーしてれば、こーしていれば・・ でも人間すべて完璧とはいかない、ちょっと狡く、ちょっと臆病で、ちょっと悪く、ちょっと怠け者で、ちょっと優しく、ちょっと・・・ ちょっと・・・ そんな感じで人はできている。 そんな主人公に共感を覚えて自分はこの作品に魅力を感じているのかなと思います。

 

物語に癒やしを与える魅力的な従魔とキャラクター

 

この物語の主人公は他人と深く付き合うのが苦手なコミュ障で内向的、引き篭もり体質。

冒険者達や冒険者ギルド、街の人達、依頼人の貴族や商人にも他人には一見穏やかで人当たりが良く丁寧な対応の彼だが、それはあくまで大人の対応に徹しているから、自分のプライベートな心の内や本音は隠して容易には他人に見せません。

 

そんな彼が自分の本音や心の内の一端を見せるのは、自分に従う従魔達(料理好きのコボルト・ポチ、乙女なゴーレム・ゴレオ、厳しく強いキングスライム・キングさん、ハイオーク・ぴーちゃん、等)や、パンケーキ好きのダンジョンコアの幼女・ジュノーとパーティーを組む女魔法使いのイグニールや大商会の娘・マイヤーなどのガールズ達くらい・・・ 

 
いつも、あーだこーだとウジウジつらつらと悩み考えている主人公。そんな彼を見守り、癒やし、叱咤する魅力たっぷりの従魔とガールズ達。一歩間違えれば暗い暗い雰囲気になってしまう物語を彼女達が明るくしていてとっても良いバランスの物語です。
 
特に、コボルトのポチ、ゴーレムのゴレオ、ハイオークのぴーちゃん、ダンジョンコアのジュノーの癒やし系キャラの日常の描写が可愛くてしかたない。
 
③穏やかな日常風景描写から突然襲い来る危難・危機の落差がイイ感じのドキドキを与えてくれる。
主人公の日々は、彼に与えられたチートな能力も在って概ね順調に進み。彼の望んだ穏やかな日常風景を見せてくれます。彼の可愛い従魔達と仲間のガールズとの楽しい平穏な日々の描写にほっこりしていたら、突然襲いかかる危難・危機!時には「えっここで?」と思われる時に来る突然のダークな不意打ち!コレがちょうど良いタイミング・塩梅で襲って来るのが、物語的にイイ感じの緩急を与えてくれていてとても良いと思えます。
 
ということで、おもしろエピソード在り、可愛いキャラクターの萌え要素在り、主人公の心の成長在り、緊張感あるバトルシーン在りのバランスの取れたこの物語、興味が湧いたら是非一読を!
 
 
PS.従魔のコボルト・ポチの自分の脳内イメージなんですが、実本のイラストの雰囲気とはちょっと違うんだなぁ。どちらかというと当ブログ記事内のイラストみたいな柴犬の様なイメージなんです。えっそれがどうしたって!いやまあ言ってみただけ・・・
 
現在アルファポリス電脳浮遊都市にて624章まで読みました。GW中に今掲載されてところまで読み終えるぞー
 
ということで本日はここまで、じゃあまたね!
 
※当ブログ記事にはイラストACを通じて麦さん、よねぼーさんのイラストを提供していただいています。