西村京太郎作品はおもしろいのか?という事をきっかけに一ヶ月集中購読を実施してみて、自分の琴線には触れない作品も多かったが、読んだ作品の中にはコレはと思う作品も何作か発見できた。

 

やはり「数冊その著者の作品を読んだだけで一方的に嫌ってディスるはいけないな」との反省をした私。

 

お詫びと言ってはなんだけど、自分の琴線に触れた西村京太郎作品を紹介しようと思い過去二冊を紹介してきましたが、本日はその第三弾!といこうと思います。

 

紹介するのは、みちのく殺意の旅!いつも通りあらすじ紹介から行くとします。

 

【 あらすじ 】

 

大学時代にわだかまりができ疎遠になっていたかつての同人仲間・阿部からの和解と親睦の誘いの手紙に応じて休暇を取り水戸に来訪した矢代、由紀、原田とその婚約者は、招待者である阿部と妻のみどりとの久しぶりの再会と歓迎にわだかまりが氷解する思い感じホッとした。

 

しかしかつての仲間であった田村だけは姿を表さない。

 

社会人になって始めた商売が上手くいかず借金に困っていたらしい田村はかつての仲間に合わす顔がないのか・・・

 

仲間との再会後、用のある阿部夫妻の見送りを受け東北への親睦旅行に出発する矢代達四人。

 

しかし楽しい旅の始まりは、連続殺人の幕開けでしかなかった・・・

 

水郡線を走る列車と稲穂

 

 

【 解説 】

 

①もちろん本作の著者は西村京太郎さん

 

もちろん本作の著者は西村京太郎さん。ミステリー界の大御所!

作品も代表的なトラベルミステリー作品である十津川警部シリーズの一作です。

 

②この作品はフーダニット Who had done it ? =犯人は誰なのか?重視の作品

 

この作品は、フーダニット Who had done it ?犯人は誰なのか?重視のミステリー作品です。連続殺人の犯人は誰なのか?十津川警部が犯人が仕組んだトリックに挑むというミステリー作品です。

 

③物語の序盤から連続殺人に至るまでは矢代目線で、連続殺人事件発生後は十津川目線で物語は進む。

 

物語序盤から連続殺人事件が起こるまでは、親睦旅行に出かけ事件に遭遇した矢代目線で物語が進行し、連続殺人事件が起きてからは、犯人を追う十津川警部目線で物語は進行します。

 

飯坂温泉の松尾芭蕉像

 

 

【 感想 】

 

この「みちのく殺意の旅」は、この前に紹介した「故郷」や「熱海・湯河原殺人事件」のちょっと変化球的作品と違って、十津川警部シリーズの王道路線である旅人が旅先で殺されるという典型的なトラベルミステリーで作品です。

 

殺人事件の発生場所は東北の温泉地!鉄道絡みの旅先で旅情感たっぷりですし、犯行時のアリバイ工作のトリック潰しなどに、いかにも2時間のサスペンスドラマでよく見る展開の西村京太郎作品らしいテイストが漂っています。

 

愛宕山舞鶴公園の彼岸花

 

 

 

そこでまず作品の「欠点」を先に・・・

 

身内や知り合いを亡くしたにも関わらず、旅行を続ける被害関係者が不可解!

 

殺人事件が起き死人が出ているにも関わらず旅を続行するかつての大学仲間達の行動・心情には全く納得いきません。

 

いや一緒に行った旅先でかつての仲間が亡くなったのなら、旅を辞めて亡くなった方の葬儀に参加するでしょう。あまりにもの不自然さを著者はどう思っていたのでしょうか?

 

事件発生後に事件を捜査する県警や十津川達捜査陣のちょくちよく抜けている雑な捜査!

 

物語の謎解き上詳細に記述しませんが、いやそこの捜査・監視にはもっときちんと人をあてがっておけば、とか、いやそこでもっと詳細に検討しておけば、とか捜査に関して思う点がちょくちょく在って突っ込み入れたくなりました。

 

そんな突っ込みどころ満載のポンコツっぽいミステリーのどこが良かったのか?という所で、良かった点は!

 

作品を読み始めて読み終わるまでドキドキ感や好奇心が途切れず飽きずに一気に読み終えた点!

 

もうこれに付きます。

 

この作品は、序盤から連続殺人事件に巻き込まれる中盤にかけてを親睦旅行に参加している矢代目線で物語が進行し、殺人事件発生の中盤からラストまでを犯人を捜査する十津川警部目線で物語が進行します。

 

まず序盤から中盤まで不穏な空気感と共に「誰が自分達に殺意を向けているのか?」に怯える矢代と作品を読んでいる自分がシンクロしてドキドキするのが気持ちいい。

 

そして殺人事件が発生した中盤から物語の終わりまでは事件捜査に当たる十津川警部目線で物語は進行!

今度はフーダニット Who had done it ?犯人は誰なのか?に起因する好奇心のドキドキ感に上手くバトンタッチして繋がっていきます。

 

この、物語の最初から最後までドキドキ感やワクワク感を持続させ飽きず弛れずに最後まで一気に読み終えらせてくれた点を自分は評価したいと思います。

 

なので人によっては、欠点の方が目についてしまいこの作品をおもしろく感じないかもしれませんが、犯人の意外性と驚きの動機と共に、自分はこの作品をおもしろく感じました。

 

ですのでどこかでこの作品を見かけたらちょっと手に取って読んでみることを自分はおすすめします。

 

隠されていた犯人の日記には何が書かれていたのか?

 

 

ということで、本日はここまで!じゃあまたね!

 

※当ブログ記事には、写真ACを通じてcroissantさん、D850さん、ころさん、なるいぶさん、による写真が提供されています。