コロナウィルスがますます猛威を奮い世界はちょいパニック気味。経済の先行きも不安で閉塞感も感じ暗い雰囲気に・・・早くこの騒動も収束してほしいものです。
ということで本日も休日ながら最低限の買い物に出る以外はお家で読書でも・・・
それっていつものことでしょ!と言われても平気。こんな時ですしね。
閑話休題
先日友人と会って会話していた時、「西村京太郎作品はつまらなくて嫌い」的なディすり話を話したら、「おいおい君はそんなに多くの西村作品読んだ事あるのか?中にはおもしろい作品もあるんじゃないの?」と言われ、うん確かに遥か昔に数冊読んで挫折して以後読んでいないなと思い、今月は西村京太郎月間と定めかなりの作品を読んだ。
西村京太郎作品をかなりの数読んでいくと、正直つまらないと思う作品も数あれど、自分の好みというか琴線に触れるおもしろいと思える作品もあった。うーん反省!
なのでこれからは「あの作者の作品は全然駄目!」的なディスりな発言はよしておこう・・などと心に誓った。
ということで、今回の本の紹介は西村京太郎作品で!
紹介するその作品は、熱海・湯河原殺人事件!ってベタな題名 orz いやディスりはいかん・・・
ということでいつも通りあらすじ紹介から行きまーす。
【 あらすじ 】
殺人罪で六年の刑期を終え出所してきた小早川恵太が熱海の町に帰ってきた。
平穏だった温泉街に緊張が走る。
男は何の目的でこの町に舞い戻ってきたのか?
そんな思惑をよそに男は、湯河原の温泉旅館に居座り、男が殺したという情婦の女を偲ぶ宴をホテルで開催し、熱海と湯河原に彼女の名を冠したクラブを開業する。
それを苦々しく見つめる複数の眼。
そんな緊張感に包まれた熱海の街に十津川という警察の者が東京で起きた幼女誘拐事件に絡む捜査で現れるのだが・・・
【 解説 】
①この作品の著者はミステリー界の大御所・西村京太郎さん
この作品の著者は西村京太郎さん、ミステリー界では知らぬもの無しの大御所作家さん。
デビュー当時は、いろんなジャンルの作品を書いていたのだが、トラベルミステリーと呼ばれる一ジャンルをミステリー界に作ってしまう程になったったために他のジャンルの作品を書かせてもらえなくなったという悲劇?の人。
著作は600を超え、累計発行部数2億冊超えのビックネームの作家さんです。
②この作品は著者の代表的シリーズ『十津川警部シリーズ』の一作品。
西村京太郎さんといえばテレビのサスペンスドラマ(テレビ朝日、フジテレビ、TBS系列)でもお馴染みの十津川警部シリーズ!きっと一度くらいは見たこともある人は多いのではないでしょうか。
自分の印象は、高橋英樹さんと渡瀬恒彦さんの十津川警部!他にも三橋達也さん、宝田明さん、若林豪さん、高嶋政伸さんなどが演じられています。
相棒の亀井刑事役も、犬塚弘さん、坂上二郎さん、綿引勝彦さん、愛川欽也さん、高田純次さん、古谷一行さん、伊東四朗さんなどが演じられています。
きっと皆さんの中には〇〇さん十津川警部と〇〇さんの亀井刑事というイメージがあるのではないでしょうか?
小説の方に話戻しますと、著者の西村京太郎の代表作シリーズでトラベルミステリーといえばこのシリーズを指すと言って良い程。あまりにも作品数が多すぎて正確な数が判らない程出ています。Σ(゚∀゚ノ)ノ
【 感想 】
さて友人にディスりを注意されて読み始めた西村京太郎作品というか十津川警部シリーズ。
図書館から借り受けて十数冊を読んでみましたら、やはり自分の琴線に触れないというかおもしろいと感じない作品の方が多かったけれど中にはまれにおもしろいと感じる作品にも遭遇し、一方的にこの著者はおもしろくない決めつけてディスるのは良くないなと反省!
ということで、おもしろいと感じた作品の一冊というのがこの熱海・湯河原殺人事件。
では、何がこの作品をおもしろく感じたのか。他の作品は何がおもしろくないと感じたのか?と考えてみますと・・・
西村京太郎作品(十津川警部シリーズ)の多くの作品を自分がおもしろく感じない理由は、
①物語がミステリーとしてどこか淡白で緊張感に欠ける感じが漂っている事。妙に素っ気なく、十津川以下の捜査陣も熱意と使命に燃えて事件解決に邁進しているのだが、文章からはそれがあまり感じられないこと。いわゆる想いが文章に現れていない感じがするのです。
②このシリーズを読んでいると、十津川以下の捜査陣の捜査手法に抜けた処をしばしば感じだれてしまうことが多かった様に思います。
例えば、
・捜査の基本の聞き込みで、その時点で当然聞くべき事をうっかり忘れていたり、
・重要参考人に監視を継続して付けておけば事件解決できたであろう時に怠っていたり、
・時刻表トリック系の話で、序盤であらゆる交通手段による容疑者の移動方法を検討しておけば事件解決できたのにそれを怠り、後半なってそのトリックに気がついたり・・etc
いろいろ残念な事が多すぎて興ざめしてしまうことが多数ありました。
では、逆にどういう時、西村京太郎作品(十津川警部シリーズ)がおもしろいと感じたのかというと・・・
十津川警部が物語を導いていくのではなく、容疑者や他の刑事などが主人公となって物語を主導していく作品です。
こうなるとその物語の主人公は、事件に巻き込まれる人あるいは事件の中心にいる人に関わらず、憎しみや怒り、慕情、不安、恐怖の感情を作品で思いっきり現し、読者の感情を揺さぶってきます。こうなるとおもしろい。
本作、熱海・湯河原殺人事件でも話を作っていくのは、七年前、情婦を殺したと刑務所に入れられ6年の刑期を終えて出てきたヤクザな男。
そこには、強い想いが感じられ、何をするのか?起こすのか?不安と狂気そしてアウトロー感を纏いつかせて、読者の心理をワクワクさせてくれます。
そしてこの作品、序盤から概ね読者に何があったのか?ということを察っせさせる感じで物語を進めていくますが、ラストにはちょっとしたどんでん返し要素もあり予定調和で終わらない感じもとてもおもしろく感じました。
ということで西村京太郎の十津川警部シリーズでおすすめできる作品の一つはこの作品。自分と同じで、西村京太郎はおもしろくないと感じていた方には是非読んでみていただきたい一冊です。
当ブログ記事には、acworksさん、ハム蔵さん、ブリトニーさんによる画像が写真ACさんを通じて提供頂いています。
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