世間ではコロナウィルス騒ぎでにわかに衛生意識が向上し、手洗いうがいを励行する方が増え、ショッピングセンターに備えてあるアルコール消毒スプレーを使用している姿もずいぶん増えました。

 

あるお医者さんは、「手洗いうがいを励行する人々が増えたのかインフルエンザ患者の来院が減った」と言ったとか。

 

コロナウィルス騒ぎは決してありがたいものではないですけれど、人々の衛生意識を向上させたことだけは功があったと思います。

 

閑話休題

 

それではいつも通り本の紹介へ

 

本日紹介する作品は、久しぶり、倉阪鬼一郎 著 小料理のどか屋人情帖シリーズ第十巻 希望粥 です。

 

それではいつも通りあらすじ紹介から行くとします。

 

【 あらすじ 】

 

時は江戸。神田岩本町の一角に店を構える小料理屋のどか屋は手頃な値で素材の味を生かした、食べた客の頬が思わず緩むほっこり気分にさせてくれる店。

 

訳あって侍を辞めた料理人の時吉と女将のおちよ夫婦二人きりの小さな店は常連の客に支えられ賑わっていた。

 

二月の頭、神田多町から出火して大火になり多くの人が焼け出されたと聞いた時吉おちよ夫婦は、無料の炊き出し屋台を出す事に決めた。被災して身も心も冷えた人達に温かいものを食べてもらい元気をだしてもらいたい。

 

被災現場周辺に屋台を出し被災者に暖かい希望粥を配る時吉おちよ夫婦。

 

そんな折り、二人の一人息子の千吉がいなくなり大騒ぎ!近頃江戸では男児ばかりが行方不明になる怪事件が頻発していた。

 

時吉おちよ夫婦はもちろん常連客のみんなは必死に捜し回る。

 

果たして千吉の行方は・・・

 

 

【 解説 】

 

①著者は倉阪鬼一郎さん

 

この作品の著者は、倉阪鬼一郎さん、1987デビューの作家さんで初期にはホラー怪奇系小説を、その後はホラーミステリー系作品に、現在は主に時代小説を提供する作家さんです。

 

②この作品は、江戸時代を舞台にした人情噺シリーズ

 

この作品は江戸時代の江戸の下町を舞台に一軒の小料理屋を営む一家と町の人々が織りなす人情時代劇作品です。

 

一章~終章まで十二章277ページの長編描き下ろし作品です。

 

③客に出される料理が美味そう!

 

主人公の営む小料理屋のどか屋は夫婦二人で営む小さな小料理屋。財布に優しいお手頃な価格で素材の味を生かした食べたら思わずほっこりした美味しい料理を出す店。そんなお店で客に出される料理の数々はとても美味しそう。

 

芋粥 桜鱒の朧焼き 海松貝の生姜醤油焼き ねぎま鍋 葱焼き 鮪の刺し身

毛毬汁 おかかご飯 あんみつ煮(油揚げの甘煮) 貝の寄せ焼き たらの芽の塩茹で 

筍と独活の木の芽和え 筍の直鰹煮 山菜おこわ 浅蜊の味噌汁 独活のきんぴら 

蕗のとうの土佐煮 畳鰯の炙り 三種のかき揚げ 蒲鉾のお寿司 刺し身 野菜のかき揚げ丼

磯辺玉子 れんこんせんべい 花人参 鮪の漬け 鮪納豆 煮ぼうとう 鯛の昆布締め 

昆布と椎茸の佃煮 鯛茶漬け 山椒と胡麻おかか入り焼おにぎり 甘鯛の一夜干し

鰹の生姜煮 ちりめん山椒の茶漬け 南瓜のほっこり煮 甘藷の胡麻揚げ 海老の黄金焼き

白瓜の浅漬け 高野豆腐の煮物 焼き菜飯 鰹の漬け寿司 麦湯 水菜と茗荷のお浸し

鰹の旅姿(鰹と茗荷の胡麻油かけ次第) 小鮎の南蛮漬け 鯛にゅうめん 希望粥 

かき揚げ丼 味噌汁 大根おろしを添えた芋の煮っころがし 焼き魚

【 感想 】

 

久しぶりに「小料理のどか屋」のご紹介ですね。

 

あいかわらず秀逸の江戸の下町を舞台とした人情噺と舞台となる小料理屋ののどか屋で客に提供される料理の数々がとても美味しそう。

 

料理を文章で美味しそうに伝えるのは難しいと思いますが、倉阪さんの筆で思わず何か食べたくなる想いにさせられるのは見事!思わずお腹がぐぅ~と鳴ってしまいます。

 

心優しき時吉おちよ夫婦の人柄と料理にはまった常連のお客の方々は時吉おちよ夫婦の困難に快く手助けをしてくれます。

 

「江戸の下町の人情ここにあり!」といった感じの思わずほっこりさせられる人情噺の妙、と思わずお腹が空いてしまう飯テロ表現に次巻も早く読みたくなる。

 

店の看板猫ちゃん達のいる風景も癒やしになる作品です。

 

そんな作品シリーズですのでおすすめ!

 

本屋で見かけたら是非手にとってみてください。

 

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

※ 当ブログ記事では、acworksさん、beepさんのイラストはイラストACさんを通じて提供頂いています。