クリスマスも過ぎ、年の終わりももうすぐ。

 

いやー時の過ぎるのが早いこと早いこと。

 

今年やろうと思っていた事の半分も出来ませんでしたが、本だけはかなりの数を読めました。

 

ただ読んだ本の殆どがサスペンス系や時代小説に偏った感がありました。

 

来年はもう少し他ジャンルの本も読もうと思います。

 

それでは本の紹介へ 本日紹介する作品は、

 

藤井邦夫 著 帰り花 秋山久蔵御用控(2)です。

 

 

それではいつも通りあらすじ紹介から

 

【 あらすじ 】

 

南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵は、煙るような霧雨の中、笠井藩上屋敷の裏門から風呂敷包み一つを抱え傘もささずに出てきた若い娘に傘を差し掛けながら声をかけると屋敷に連れ帰った。

 

娘の名は、北島香織 久蔵の亡き妻・雪乃の妹で、先日外出先で何者かに殺害された久蔵の義父・北島兵部の娘であった。

 

武士でありながら、刀を抜き合わせもせず亡くなった兵部を恥、笠井藩は北島家を廃絶、残された香織は藩を追われた。

 

そんな香織を家に引き取った久蔵。

 

しかし義父の死についての久蔵の問いに香織は口を開こうとしない。

 

「何かある!」そこで久蔵は義父の殺害の件を密かに調べ始めるのだが・・・

 

(※暗闘より)

 

第一話 暗闘

 

久蔵の亡き妻・雪乃の義父で笠井藩目付の北島兵部が山谷堀で刀も抜かず何者かに斬り殺された。「刀も抜かず斬り殺されたのは武士道不覚悟」としてお家断絶、雪乃の妹・香織は屋敷から放逐された。久蔵は香織を自分の屋敷に引き取ると、この件について密かに調べ始めるのだが・・・

 

第二話 泡沫

 

三年前、商家の若旦那拐かし事件の捕物で久蔵に斬られ死んだ浪人の妻お糸を見かけた久蔵は気になってお糸の周囲を探るとお糸には悪い男ができていた。久蔵は岡っ引きの弥平次にお糸の男について調べるように頼むのだが・・・

 

第三話 鬼女

 

闘病中の室町の呉服屋和泉屋の旦那が胸に短刀を刺されて死んでいるのが見つかった。一見闘病苦に自害したように見えたが同心の大沢や岡っ引きの弥平次も後妻のお京に不審なものを感じていた。久蔵は弥平次にお京を探るように命じるのだが・・・

 

第四話 雀凧

 

ある日、南町奉行所臨時廻り同心・蛭子市兵衛は十五、六の下女姿の若い娘が変わった凧を上げているのを発見した。

聞いてみると五年前、相州秦野から江戸に出稼ぎに行ったきり戻らない父親を探すため故郷の凧を上げているのだという。

娘に父親を見かけたら連絡すると約束した市兵衛。

そんな市兵衛に久蔵から「盗賊閻魔の鉄五郎が四谷の三河屋に押し込む」との結び文が奉行所に投げ込まれたので調べろと命じられたのだが・・・

 

第五話 切腹

 

ある日、久蔵に「商家のお内儀を手込めにして金を脅し取ろうとした」との訴えが出された。訴えの詮議が終わるまで謹慎を命じられた久蔵。久蔵の無実を信じる定町廻り同心・神埼和馬、臨時廻り同心・蛭子市兵衛、岡っ引きの弥平次は、訴えを出した神田鍛冶町の扇屋「蓬莱堂」を調べると、蓬莱堂の主人・孫右衛門の孫・新吉の姿もなく何かを隠している様子。どうやら久蔵を恨む者が蓬莱堂の孫を拐かし偽の訴えを出させたと判ってきたのだが・・・

 

 

【 解説 】

 

①著者は時代小説家の藤井邦夫さん。

 

この作品の著者は、時代小説家の藤井邦夫さん。捕物時代劇を良く書かれる方で、小説家になる前は、テレビ番組の制作会社で助監督&脚本家として、テレビドラマや特撮モノの脚本を多数書いておられた方です。

 

②本作は捕物時代劇「秋山久蔵御用控」の二巻です。

 

本作は、「剃刀」と悪党共に恐れられる南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵を主人公とする捕物時代劇「秋山久蔵御用控」の二巻です。連作短編小説のスタイルで5つのお話で構成されています。

 

③新キャラクター登場!

 

本作より、秋山久蔵の亡き妻・雪乃の妹である香織、南町奉行所臨時廻り同心・蛭子市兵衛が登場!

彼らの登場で物語がよりおもしろくなっていきます。

 

 

【 感想 】

 

「秋山久蔵御用控」の第二弾。久蔵と与平、お福の秋山家に、久蔵の亡き妻・雪乃の妹である香織が加わり秋山家に彩りが加わりました。捕物の方でも、南町奉行所臨時廻り同心・蛭子市兵衛がキャラクターとして加わり、探索陣が増強!物語はより面白くなっています。

 

「江戸の町で悪さをする悪党は許さねぇ」との想いで繋がっている久蔵と部下、手下達!が今日も江戸の町を駆ける。

 

丹念な調べと追跡術で悪党共の居場所を探り出す和馬、市兵衛ら同心と岡っ引きの柳橋の弥平次とその手下達。

 

そして例え身分違いがあろうが支配違いがあろうが悪党を見逃さず追い詰める与力の久蔵の知恵と覚悟、又、止むに止まれぬ事情で罪を犯した者の罪を見逃す配慮や、被害者の知られたくない過去が世間に流布しないように配慮する様に痺れ惚れる。

 

一話70ページ位なので、ちょっとした時間に小分けして読めるのも素敵!

 

そんな痛快感と人情味が味わえる捕物時代劇話を読んでみてはいかがでしょうか。

 

ということで本日はここまで。じゃあまたね!