もう今年も後半月、昨日は、屋内外の掃除、庭木の手入れ、粗大ゴミの片付けなどあれやこれや行っていました。
普段手入れを怠っていた場所からは「よくもまぁこんなに塵が!」「粗大ゴミがこんなに!」「うわーここ壊れているじゃん」という自分の至らなさの証拠が次々と現れてきました。
いつかテレビ番組で掃除と整理の専門家さんが、「普段からこまめに掃除していれば年末大掃除なんかしなくて済みますよ」なんて言っていたのを聞いていたのだが、どうしても普段の掃除や手入れをサボりがちに・・・おかげで昨日は冬にも関わらず汗だく!大変な思いをしました。
「来年こそ普段から手入れをしよう」と誓ってみたものの、「やはり来年も手入れを怠るだろうな」という気がしてなりません。
閑話休題
それではいつも通り本の紹介へ行くとしましょう。
本日紹介する作品は!
藤井邦夫 著 姿見橋 知らぬが半兵衛手控帖 です。
それではいつも通りあらすじ紹介から!
【 あらすじ 】
病の身で岡場所から足抜けしてきた女郎のおさよに出会い、追手の忘八者を叩きのめし彼女を引き取った半兵衛。
養生所に預け医師に見せたが病は重篤で明日をも知れない身だった。
そんな彼女が姿を消した。
何故彼女は病の身で姿を消したのか?
半兵衛は病の身で足抜けしたおさよの理由を探るのだが・・・
~ 寒椿より ~
時は江戸。
北町奉行所に、「世の中には私たちが知らん顔した方が良いこともある・・」と嘯き、悪党に脅されたり止むに止まれず罪を犯してしまった者の所業を目こぼしする奉行所同心・白縫半兵衛が居た。
しかしその一方で身分や立場、暴力で弱いものを虐め、傷つける悪党には己の立場や命を賭けてでも落とし前をつける。
弱き者に優しく、悪党には鬼となる人情厚き奉行所同心。
そんな彼の元に今日も一つの事件が舞い込むのであった。
【 解説 】
①この作品の著者は、長らくテレビ番組制作会社にて助監督&脚本家として活躍された藤井邦夫さんです。
この作品の著者は藤井邦夫さん。現在は作家さんだが、実は元(?)東映テレビプロダクションの助監督&脚本家さんで、数多くのテレビドラマ(刑事物・時代劇)や特撮作品の脚本を手掛けた方です。
2008年のお仕事を最後にテレビのお仕事は辞められ時代小説家に専念されているようで数多くの作品を世に出している売れっ子作家さんです。
藤井さんが脚本を手掛けられた作品には、
特捜最前線、さすらい刑事旅情編、はぐれ刑事純情派、などの刑事物
三匹が斬る、名奉行遠山の金さん、暴れん坊将軍、水戸黄門、などの時代劇物
超電子バイオマン、超人機メタルダー、がんばれロボコン、などの特撮物
があります。
②作品は、連作短編小説のスタイル!
作品は、連作短編小説スタイルで、一話80ページ前後4話位で構成されています。
本巻は、
第一話 寒椿
第二話 古傷
第三話 波紋
第四話 汚名
で構成されています。
③本作は、江戸時代の江戸を舞台とした捕物時代劇小説で、主人公は北町奉行所臨時廻り同心!
作品は江戸時代、江戸の町を舞台とした捕物時代劇です。
主人公は、北町奉行所の臨時廻り同心(奉行所の警察業務を行う下役人で、決められた地区を担当し巡回して治安維持や事件捜査を行う定町廻り同心のサポート・相談役兼フリーハンドで特命事件の捜査を行う役目 )で江戸の町を巡回して事件の兆候を察知して密かに自らの判断で事件捜査したり、上司の命で事件捜査をしています。
④主人公は、悪党に脅されてや止むに止まれぬ事情で罪を犯してしまった罪人の罪を自分の裁量で目こぼししたりする人情派の同心!
主人公の半兵衛は、普段はのほほんとした雰囲気を漂わせる温厚な同心!
しかし暴力や権力を背景に弱き者の営みを壊す悪党には己の立場や命を賭けてでも落とし前を付ける漢です!
ですが一方では、事件の発覚で被害者の知られたくない過去が暴露されそうになったり、悪党に脅されてや止むに止まれぬ事情で罪を犯してしまった罪人の罪などは、自分の裁量で目こぼししたり、もみ消したりする人情在る同心です。
「世の中には私たちが知らん顔した方が良いこともある・・」
【 感想 】
話は、悪には厳しく弱き立場の者には優しい!人情味ある奉行所同心・白縫半兵衛と彼を助ける手下達の捕物話です。
話の造り自体は起承転結がはっきりとしたオーソドックスな捕物話で意外性は少ないが話の質は安定していて安心して読める感じ。
主人公の半兵衛の弱気立場の者達への気遣いや配慮が効いた人情味在る事件の始末に、納得したり、「ほっ」とできる作品です。
憎らしい悪党どもをやり込めたり、一網打尽にする痛快感!と弱気もの達にする人情味ある粋な配慮に胸をじんわり熱くさせてくれる気持ち良い人情捕物話です。
ネタバレですが
一話「寒椿」は、惚れた男の医者修行の為に身を売った女と女の恋心を利用した悪党医者の話
二話「古傷」は、商家のお内儀の過去を知り、半兵衛を利用してお内儀を強請ろうとする悪党な岡っ引きの話
三話「波紋」は、大身の旗本の不良息子に愛しい我が子を理不尽な無礼討ちで殺された浪人の父親が敵討ちを企む話
四話「汚名」は、「商家の主人を殺したのは知人の浪人者」と証言した商家の三番番頭が失踪した、事件を調べ直した半兵衛は、失踪した三番番頭の証言に矛盾を見つけるのだが・・・
どの話も良くできていて甲乙付けがたい良く出来た話です。
当シリーズは、一話80ページ前後で完結していて読みやすいので、時間が無い方にもおすすめ。
どこかでこの本又は本シリーズを見かけたら是非手に取る事をおすすめします。じんわり来ますよ!
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
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