昨日は阪神淡路大震災発生から24年ということで、当時の事を思い返し、あれから干支も二回りもしたと思うと感慨深いものがある。

あれから四半世紀、当時の教訓を活かし、建物の耐震強化や防災体制の充実、などが進められて一定の効果上がっていると思われるが、24年の間に起きた多くの災害、天災においてもまだまだ犠牲者が多数出る始末。これは単に法律や行政の問題ではなく、私達市民の意識改革や備えがまだまだ不十分なところがあるのではないのかな・・・

なんて、上記のような事をつらつら考えていたら、食事時に母が「ここのところテレビのバラエティー番組にゲストでキムタクが良く出ているのよねぇ」なんて話題を振ってきて。

「あぁそれは、映画マスカレードホテルの番宣の為だよ。東野圭吾のミステリーを映画にしたやつ!俺まだ読んでないんだけどね・・・」なんて返事返していた時、ビビビっと頭に思い浮かんだのが、同じ東野圭吾作品の幻夜!

 

ということで本日はこの「幻夜」の紹介をしようと思う。ということでいつも通りあらすじ紹介から・・・

 

【あらすじ】

自殺した父親の葬儀の翌朝起きた震災後のどさくさに紛れて、父の借金を返せと執拗に迫っていた叔父の俊郎を撲殺した水原雅也

そしてその現場付近に現れた新海美冬という若い二十代の女性。

 

雅也は叔父の殺害を彼女に見られたのではないかと思い彼女を監視しようとするが、殺人事件の事を口をつぐんでくれた彼女にいつしか惹かれていた。

 

そんな雅也に、「東京に二人で出て人生をやり直して幸せになろうと」と誘われ、手に手を取って東京を目指す二人。

 

震災が縁で共存するような関係になった二人は成り上がるために必死でもがくのだったが、彼らの周りには黒い影が・・・

 

その事に気がついた一人の刑事は、二人の動向に目を向けるのだったが・・・

 

 

【説明・感想】

 

・この作品は大人気作家の東野圭吾のミステリー!

 

この作品は大人気作家の東野圭吾のミステリー小説で、 1995年に起きた阪神淡路大震災に始まり2000年の1月1日までの五年間の一人の女の成り上がりとそれを支えた一人の男の生き様を描いた作品です。

 

・WOWOWでドラマ化しているよ!

本作は2010年11月~2011年1月までWOWOWの連続ドラマとして、主演、深田恭子、塚本高史、共演柴田恭兵で、放送もされたので観た方も多いかもしれませんね。

 

ドラマは微妙に設定とか変えてありますけど未視聴で興味ある方はレンタルビデオで探して観てみるのも良いと思います。

 

・ネタバレ、震災後のどさくさに紛れて殺人を犯した少年がそれを目撃した若いお姉さんと二人で過去を捨て東京に行って成り上がりを目指す話だよ。

 

上記の通り!自分の殺人を目撃したであろうお姉さんに我が身をかばってもらった主人公・雅也は、彼女に誘われ過去を捨て成り上がろうと上京する。震災を共に生き抜いた絆、自分の殺人をかばってもらった恩、バイタリティー溢れ成り上がる事に躊躇しない彼女の魅力にはまり自分は底辺でもがきながらも彼女の支援のために後ろ暗い事に手を染めていく・・・それに気がついた刑事が二人の動向を注視する。果たして二人の運命は!てな感じのミステリー、共依存状態の二人の切なくダークな成り上がり物語です!

 

・この「幻夜」のヒロイン新海美冬って女性、同じ東野作品の「白夜行」のヒロインの唐沢雪穂なんじゃないの!なんて言われているよ。

 

そう、この作品を読んでいて「あれっ」と思ったのは、相方の雅也の支援を受けて成り上がっていく美冬の姿に白夜行の唐沢雪穂がちらついたのだ。美冬は本当は「美冬」じゃないってほのめかされ、二人共に関西弁を喋り。強い野望(成り上がり)を持っていて、その野望の為なら非情な手段を平気で犯す冷酷さと度胸を持っていて、男を操る魔性の女。その雰囲気はそっくり。いやもうそうでしょうコレ!

 

いいじゃんコレ!事件解決してちゃんちゃん!とかのミステリーよりもダークだけどおもしろい。

 

事件が解決してちゃんちゃん!とかの大団円的なミステリーもいいけど。「悪い奴」が生き残るダークなオチのこういう物語もおもしろい。

狡猾で用意周到、知恵の回り着々と成り上がる美冬ちゃんと職人としての腕がありながらも知恵なしで底辺でこき使われている雅也の対比がもう涙。しかもヒロインの美冬ちゃんのバイタリティーと女の裏の顔の怖さには魅了され、彼女の魅力に翻弄され、そこにあるかもしれない自ら幸せを掴むこと無く彼女をサポートし続ける雅也くんの姿に悲哀というか悲しさを感じちょっとジーンときてしまった。ラストシーンの平気で彼を切り捨てる美冬と彼女のためにああいう行動で終わった彼の姿の対比はいいねぇ・・・

 

 

もう魅力的な「悪女」にくらっとくる!

 

ということで、この作品は面白いからミステリーに限らず読む本探してる人はちょっと気にしてみて。「白夜行」も合わせて読んでみるとより良いかもね。

 

 

そういえば、マスカレードホテルまだ読んでいないなぁ。今度読むので、おもしろかったら紹介するね。

 

ということで本日はここまで!じゃあまたね!

 

 

幻夜 (集英社文庫) 幻夜 (集英社文庫)
1,037円
Amazon

 

白夜行 (集英社文庫) 白夜行 (集英社文庫)
1,080円
Amazon