お久しぶりです。

 

今月は仕事が思った以上に忙しくブログの更新ができませんでした。

 

と、言いいながら。休憩時間とか、ちょっとした時間を見つけては本を読んでいましたが・・・

 

それでも疲れもありブログ更新までには至らなかった、という言い訳です。

 

年頭には、今年はブログの更新は週一回はしようと漠然と思っていたのですが果たせませんでした。

 

まあブログの更新はさておき、今年を振り返ってみれば、あれこれありながらも、多くの本を読めたのは良かったと思っています。

 

閑話休題

 

まあ前置きはここまでにして、今年最後の本の紹介をはじめましょうか。

 

本日紹介するのは、佐々木譲さんの密売人

 

いつも通りあらすじ紹介から行くとします。

 

【あらすじ】

 

「信用できる男か」 「ええ。あのひとは、警官です」

 

北海道警における裏金の告発に協力したとして「裏切り者」扱いで不遇の立場に追いやられるも警官としてそれぞれの職場で黙々と仕事を続けている佐伯達。

 

大通署刑事課盗犯係の佐伯警部補と新宮巡査は札幌市内で起きた車上荒らしの捜査を!

 

道警本部警務部で不遇をかこっている津久井巡査部長は道警本部機動捜査隊の長正寺警部に借り出され小樽の浄水場で起きた自動車火災とそこに残された男性焼死体の捜査に!

 

大通署生活安全課の小島百合巡査長は小学校に通学中の女子児童が男性に連れ去られた案件を!

 

それぞれが担当する案件の仕事を進めていると、それぞれの案件が他の各人の案件と絡みあっている事に気がつく。

 

更に調べを進めると、道警の情報提供者の連続死と道警の捜査情報の流出という事実に突き当たる佐伯達!

 

果たして佐伯達は、残された情報提供者の命を守れるのか?そして道警の情報を流出させていた裏切り者を見つけ出す事はできるのか?

 

【感想】

 

おすすめの警察小説は何?と聞かれて私のベスト5には入る、佐々木譲さんの北海道警シリーズの第五弾の本作。

 

今回はまたまたの不祥事!道警の情報流出に関わるお話です。

 

 

不遇を囲いながらも、それぞれの職場で警察官としての誇りを胸に黙々と仕事を続ける佐伯達!

ふと、あるとき集まった際の情報交換で、自分達が抱える案件がそれぞれ関連していて、それが道警の捜査情報の流出に関わっているのでは?ということに気がつきます。

 

そしてその情報流失のせいで道警に情報を提供してくれた情報提供者の命が狙われている事を察知した佐伯達は情報提供者の保護と情報を流出させた者の正体を追うという2日間のお話

 

次々と殺されていく情報提供者!

佐伯達が情報提供者の命を守れるのか?それとも組織のヒットマンに情報提供者が殺されてしまうのか?手に汗握る展開!

 

 

たった2日間のお話ですが、内容は濃密群像劇的にそれぞれが別々にそれぞれの案件のお話を進めていて、それが後半に向かっていく過程で一つの方向にまとまっていく。

 

読者は繊細に描かれた警察官の日常を楽しみながら、彼らの謎解きを見守っていくという感じです。

 

 

もちろん単独でこの本を読んでも良いのですが、未読の方にはこのシリーズの第一巻の「笑う警官」より読んでもらうのが彼らがどうして不遇の扱いをされているのか。そして不遇の扱いをされても黙々と自らの仕事に真摯に向き合っていく彼らの勇姿に胸が熱くなると思います。

 

 

自分が所属している組織の幹部が不正に手を染めている。その不正を白日の元に晒すのは、自分が組織の上層部から睨まれ不遇の身になるかもしれない。それでも不正を正す者、それを応援する者。そして貼られる「裏切り者」の烙印。それでも彼らは黙々と自分のなすべき仕事を遂行する。警官の誇りを胸に・・・

 

ちょっと山崎豊子さんの沈まぬ太陽がオーバーラップしてきます。

 

とってもイイ感じのサスペンス・警察小説なのでどこかでこのシリーズをお見かけしたら是非手にとってみてください。

 

ということで本年のブログ更新はここまで、では良いお年をお迎えください。

 

 

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