また東野圭吾です(笑)
自分の中での東野圭吾祭りはまだ終わらず、来週も続きそうです。
「またか」と思っている方もおられると思いますが、東野圭吾作品の紹介は今回で一旦お休みしようかと思っているので、どうか今日もお付き合いください。
で、今回紹介する作品は、ドラマ『新参者』でお馴染みの加賀恭一郎シリーズ第五弾、私が彼を殺したです。
それでは、いつも通りあらすじ紹介から行くとしましょう。
作家の穂高誠が新進気鋭の詩人である神林美和子との結婚式の最中に殺された
程なく練馬区のマンションの一室から動物病院勤務の浪岡準子が亡くなっているのが発見される。
二人の死因は、共に医療用カプセルに仕込んだ硝酸ストリキニーネによるものだと判り、警察の捜査本部では、以前穂高誠と付き合っていた浪岡準子が病院から盗んだ硝酸ストリキニーネを使って無理心中を図ったとの結論に傾きかけていた。
しかし、所轄の練馬署の捜査官加賀恭一郎は、二人の亡くなった場所と時間が違う事に不自然さを感じ、被害者の関係者への捜査を深めていくのだが・・
この作品は、当ブログで先だってご紹介した加賀恭一郎シリーズの第三弾どちらかが彼女を殺したと同じ、物語中で犯人名を明かさない形式のフーダニット(Whodunit = Who done it ?)系作品です。最後に探偵役が「犯人はおまえだ(あなただ)」と犯人名を明かさず終わって、読者に犯人探しを楽しんでもらう趣向の形式の、犯人の動機や人生模様に重点が置かれたミステリーというより犯人探し、トリックの謎解き重視の推理小説だと言えると思います。
なので作品をザーッと読もうとすれば人にもよるでしょうが1時間半位で読み終えますが、犯人探し、トリック明かしを意識して事件解決の鍵を探してメモ取りしながら読んでいくと倍以上の時間を優に使います。
かなり頭を使いますので気軽な読書タイムといかない作品だと言えると思います。
作品は、神林美和子の兄(義兄)で唯一の家族神林貴弘、
神林美和子の担当編集者で、穂高の元恋人であった雪笹香織、
穂高の会社のマネージャー兼経理係で、浪岡準子に秘かにホの字だった駿河直之
の三人の独白・目線の記述にょる章仕立てで物語は進んでいき、ラストに加賀が関係者を一同に集めて謎解きをするという感じで進みます。もちろん加賀はすべての謎解きをするのではなく最後に「犯人はあなただ」とやって犯人名をあげない
で自分の感想はと言うと、まず面倒くさい
自分は、犯人の動機や人間ドラマ重視のミステリー派なので、謎解き・トリック探しに頭を使い解くのは苦手もちろん読んでいく間にも、自分の頭で犯人を予想、想定しながら読んでいくのだが、推理作家が犯人探しを難しくするように意図して描かれた作品を読んでの謎解きは苦手なのだ。
実際、今回もまずざっと一通り物語を読んだ後、もう一度最初から、登場人物のセリフや文章の記述に注意してメモ取りしながら読んでいくのには疲れました。時間も3時間以上かかり自分の中で結論を出したのですが、コレで合っているのかネットで答え合わせしたくらいでした。(※文庫本は巻末に袋綴じの謎解きヒントがあるようです。)
やはり自分は、人間ドラマ重視のミステリー好きだというのがあらためて判りました。
今回の作品を最初読んでいて、美和子犯人説の可能性を途中まで考えていたのですが、やはり途中で上記の三人の中に犯人がいると思って三人の中に犯人がと読んでいたのですが、やはりちょっと気になったことがあった。美和子の内心がどうにも察するというか慮れなかったのだ
美和子はどうしてあんな穂高に惚れて結婚をしようと思ったのか、いや本当に惚れていたのか?兄から離れる為の手段だったのか?グイグイリードしてくれる穂高に魅力を感じていたのか?犯人探し重視の作品である為か、彼女の本音というか内心が表沙汰になっていないのが自分には不満でした。
犯人探し・トリック崩し、謎解き大好きな推理小説好きの方にはおすすめの作品です。何処かで、この作品をお見かけしたら是非手に取ってみることをおすすめします。
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