自分、パニック映画というかディザスター映画が大好物でして、つい先頃も、カリフォルニアダウン(2015年、ブラッド・ペイトン監督、ドウェイン・ジョンソン主演)を観返していた感じなんですが、今日はパニック・ディザスター系を書かしたらこの人という高嶋哲夫さんの作品 首都感染 をご紹介しようと思います。

 ということで、いつも通りあらすじ紹介から・・・

 

 

 

 中国でサッカーワールドカップ本大会が華々しく開催し、中国代表と日本代表が共にベスト8に進出していたその時、中国雲南省の農村地帯で、極めて強毒性・致死率が高い鶏インフルエンザが発生、蔓延し次々と農村を絶滅させていた。ガーン

国威発揚と威信の為、このワールドカップを成功させたい中国共産党指導部は、情報統制下の元秘かに封じ込めにやっきになるが拡大を抑えきれないでいた。 えーん

 

 一方、元WHO所属で感染症のエキスパートの瀬戸口優司は、ある理由からWHOを辞め友人の父親が経営する総合病院の内科医として忙しい日々を過ごしていた。しかし彼の耳に中国奥地で強毒性の鶏インフルエンザ発生の情報が入ってきた頃、瀬戸崎優司の父親で日本国総理大臣瀬戸崎雄一郎の元にも、中国で強毒性鶏インフルエンザの発生と蔓延の情報が入った。 びっくり

 瀬戸崎総理は強い危機感の元、日本における鶏インフルエンザ蔓延の対応策を練るために、実の息子・優司をアドバイザーに指名するが、二人の間には亡くなった優司の母親の事で親子の断絶があった・・・ ショボーン

 

 日本政府は、驚異致死率を誇る強毒性鶏インフルエンザの脅威から日本を守れるのかはてなマーク そして世界の、人類の未来は!? ウインク

 

 

 ということで、2003年、中国で起きた「SARS騒動を覚えている方もいらっしゃるでしょうが、感染症・伝染病パニックモノがこの作品です。

 

 突然タミフル、リレンザなどの抗生物質が効かない薬剤耐性型鶏インフルエンザが外国で発生し猛威を振るうという設定で、日本国政府と医療関係者が「どうその危機に対処するのか!」というディザスター小説がこの作品です。

 著者はこの手のディザスター・危機管理小説を書かしたらこの人という高嶋哲夫ビックリマーク

 

 でっ、この小説は目に見えない感染症の蔓延に対する政府と医療関係者というお話なんですが、本当にこの著者はこの手のディザスター作品を書くのが巧いビックリマーク ニヤリ

 

・ 決断力に富む危機感の塊の様な主人公ビックリマーク(優司の父親で総理大臣でも雄一郎ももう一人の主人公と言っても良い。)

・彼を支える&支援する友人・知人達ビックリマーク

・危機感の薄い政治家・官僚・マスコミ・一般民衆達ビックリマーク

・様々な問題・障害ビックリマーク

・対策を嘲笑うかの様に猛威を振るう自然災害ビックリマーク

・自分のとった行動が正しかったのか思い悩む主人公達ビックリマーク

・犠牲者・被害を出しながらも懸命に対策に勤しむ主人公達対策チームビックリマーク

・そして災害後・・・ビックリマーク

 

 もうディザスター映画・小説のお手本といった感じで読者をハラハラドキドキのエンターテイメントの世界に誘ってくれる。爆  笑

 475ページにも及ぶ長編作でありながらもページを捲る手は止まらず、一気に読み終わらせてもらいました。 チュー

 

 もちろん感染症のエキスパートである主人公と対策の総責任者である総理大臣が実の親子で、どちらも責任感と決断力と危機感を備えた優秀な漢であったり、いろんな問題が起きるものの打つ手がことごとくハマっていく、感染症に対する特効薬のヒントが偶然に・・・ゲフン・・ゲフン・・など、ご都合主義的側面も多々ありますが、ディザスター小説としておもしろい、爽快感ありビックリマークとしか言いようがない一作です。 ニコニコ

 

 もちろん、作品の中で解決出来てないポイントビックリマーク大災害発生時の災害地での医師の過重労働対策が取れていない、もあり。 えー

 

 いつも彼らを義務感・責任感・使命感だけで働かせ疲弊させてしまっている所は改善なされていないビックリマーク プンプン

 

 こういう東日本大震災でも、自衛隊、消防、警察、地方自治体の公務員や医師達に過重労働を強いて休息している事を非難する風潮が彼らを疲弊させる場面を良く話に聞いたが。これは日本人の悪い癖だと思うビックリマーク ムキー

 

 マスコミを中心に、システマチックかつ統計的手法での危機管理方法を否定し、建設的な意見を否定し情緒でモノを語る輩の存在は緊急時には害毒にしかならず。

 また「住民・国民ひとりひとりの気持ちを考慮して、うんぬんかんぬん・・ビックリマーク」などの発言を声高に叫びビックリマーク、大災害時にはドラステックかつ最大効率で物事を推し進めなければいけない政策・対策を歪める風潮はなんとかならないものかと私はいつも思っている。 ショボーン

 

 もちろん災害被害者・被災者に自分がなれば怨嗟の念が自分にも起きないとは言えないのだが、政府や地方自治体、そしてそれに従い災害と直に闘う人達には、最大効率で事に当ってほしいし、疲弊し犠牲者が出てほしくないと自分は考えている。

 

 彼ら闘う人達にきちんと闘うための休息の時をあげられる体制やシステムの構築ビックリマーク

 

 指導者達が情動で動く事がないような社会システムの構築を自分は願いたいビックリマーク

 

 そうすれば、七十年前、この国が無知、無理解、欲、国民の情動による世論に引っ張られて、世界を相手に引き起こした戦争という愚かな選択とその結果に対して反省したと言えるのではと自分は思っている。 ニコニコ

 

 

 ということで、最後はなんか自分の私見を偉そうに語ってしまいましたが、パニック・ディザスター小説、エンターテイメントとして間違いなくおもしろいと自分は思うので、興味が湧いた方、本屋でこの本を見かけた方は、是非手にとってみていただきたい。

 

 ということで、本日はここまでビックリマークじゃあまたねパー