昨日は強い雨が降り全国で川の氾濫を恐れ避難勧告がばんばん出た。
しばらく雨らしい雨が降らず空梅雨状態だったが週間天気予報を見ると、雨マークがそこそこあるので、本格的に雨の季節に突入か?
水不足だけにはなるなよと思う。
閑話休題
さて、先日図書館で予約していた本を借りてきた。予約をしたのも大分前で、その時その作品の予約待ちの順番は87番目だった。
えっと驚きそれでも予約をキャンセルしないで待つこと数ヶ月、ついに借りることが出来た作品が、今野敏 著 去就 隠蔽捜査6 です。
ということで、本日ご紹介する作品は、上記の作品いつも通りあらすじ紹介から行くとしましょう。
警視庁大森署の竜崎伸也警視長は、警視庁大森署の署長、私利私欲とは無縁で、謹厳実直、原理原則に忠実な公僕の鏡の様な男、以前は警察庁長官官房総務課長という同期のキャリアの中でも出世頭だった彼だが、家族が起こした罪により警視庁所轄の大森署署長に左遷されてしまった
だがその措置の影響で、所轄署の署長でありながら階級が上から三番目の警視長彼より立場が上の方面本部長などより階級が上になってしまった。
極めて扱いにくい署長の誕生しかし竜崎はそんなことには目も向けず今日も膨大な書類に判子を押し続ける。
今日もいつも通りの朝が来たはずが妻の冴子が「娘の美紀が付き合っている警察官僚の三村忠典との意見の相違で付き合いを辞めるかも・・・」と言ってきた。そこで美紀と話しあったが娘の心がどうにも理解できない竜崎。
しかし署に来てみればいつも通りの書類の判子押し。職務に精励していると方面本部よりストーカー対策チームを作れとの指示が・・・作るからには実行力のあるチームを時間をかけてでも作ろうとする竜崎、しかし弓削方面本部長の見かけだけで良いから早く作れの指示どうやら上への点数稼ぎの為に急がせているらしい。それに異議を唱え弓削との間にしこりを残した竜崎
その矢先、大森署管内でストーカー事案に絡んだ誘拐・殺人事件発生大森署内に捜査指揮本部が設立され同期の伊丹俊太郎刑事部長が乗り込んでくる。
竜崎は伊丹に原則通り副指揮本部長を命じろと要求し了承される。が指揮本部の中には、犬猿の仲で知られる二人の管理官がいてお互いを意識しあっていた。
竜崎は無事に事件を解決に導けるのか
今野敏の「隠蔽捜査」シリーズもこれで6作いや短編も含めると8作となるか・・・今作を読んでいるとさすがにマンネリ化の印象は避け得ない。
登場人物にもあまり変化は無いし、ストーリーも変化しようがない。
もう時代劇の水戸黄門遠山の金さん
暴れん坊将軍
といった具合でお話の展開が一緒
、コレはこれで一応纏まっていて良いのだが・・・
1.竜崎の周りで事件起きる→ 2.捜査本部が開設→ 3,竜崎も捜査本部の責任者の中の一人に→ 4.事件捜査でトラブルや齟齬発生→ 5.竜崎、法や規定の範囲内で出来ることをやる。決断する。→ 6.嫉妬や悪意で周りの同僚や上司が竜崎の行動を問題視!更に上の上司にチクリ追い落としにかける。→ 7.結局、お咎めなし。というかむしろ褒められる。 というパターンが確立していて、いささか退屈な内容だった。
事件そのものもできれば著者にはもうひとひねりアイデアが欲しいという感じで印象に残らない。
ただひたすら竜崎の落ち着いた冷静な判断と私利私欲が介在しない合理的で原理原則からは外れない判断の数々を賞賛するべく、竜崎と対立する警察官僚がひたすら出世を狙うだけの小者扱いで書かざるを得ない状況だ。
ということで、竜崎にはもう少し手強い敵キャラ=深謀遠慮の上で竜崎を陥れようとする知的な警察官僚や警察を翻弄しようと策を練る犯人といった者の存在が必要だと思います。
作品にもっとパワーをという印象が拭えない感じでした。 竜崎にはもう少し追い詰められて欲しい。いじめられて欲しい。という気がしています。
ということで、本作の満足度は警察小説としてはぎりぎり合格の70点といった所、ミステリーとしては40点くらいで赤点というのが自分の評価で、この作品を読んでいるのは「シリーズを読み続けてもはや惰性で読んでいる」方(つまり私の様な方達・・・)ばかりではないかと思うくらいな感じの内容でした。
ということで本日はここまでじゃあまたね
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去就: 隠蔽捜査6
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