蒼空チョコ　著　　獣医さんのお仕事in異世界

前回、ライトノベルの異世界転生モノの『男なら一国一城の主を目指さなきゃね』とWEBの『小説を読もう』サイトを御紹介させていただきましたが、ライトノベル界を見てみると異世界転生モノをテーマに書かれた作品がとても多いと気がつくと思う。それこそ半数以上が異世界転生モノといった感じなのだ。そうなると物語の特徴をどうするかがキモになるのだが・・・

　ということで本日もまた異世界転生をテーマとしたライトノベル作品、蒼空チョコ著　　獣医さんのお仕事in異世界の御紹介をしたいと思います。それではいつも通りあらすじ紹介からいくとしましょう。

　アウストラ帝国宰相にして第一王子であるユーリス・ロル・マグワイアは、父にして皇帝であるシーザス・ロル・マグワイアの了解の元、異世界から救世主（マレビト）を召喚し国の発展に寄与してもらう事にしたが、ユーリスが異世界召喚したマレビト・風見心悟はいわゆる勇者などではなく、家畜保険衛生所に勤務する公務員獣医だった。

　突然の異世界召喚に驚き戸惑う風見心悟だったが、宰相・ユーリスによると「現在のこの国では戦争などの不穏な世情には無く、それより飢饉や疫病の蔓延などで命を失う者の方が多いとの事。なのでマレビトのあなたには主にこの分野での助力を得たい」と頼まれ命に関わる職業人として文明や医学の未発達なこの世界で出来る限りの事をすることにしたのだが・・・

　　ライトノベル界では定番の異世界転生モノ作品の一つである本作はあらすじ紹介の通りのチート能力を与えられた転生者・勇者などでは無いただの家畜獣医師の主人公である。

　主人公の風見は地球の獣医師としての保健衛生・医学知識と実務能力スキル、誠実な行動を持って異世界の帝国アウストラに起きる様々な事件・災害の解決に、宰相・ユーリスから付けられたハドリア教の神官・クロエ、隷属騎士団の団長にして奴隷獣人のリズを引き連れて東西奔走活躍する。

　現役獣医師の著者が趣味で書き始めた作品らしく、全体的に地味目でほのぼの路線の作品だが、衛生、獣医業界人らしい実務描写が異世界転生モノのオンリーワン作品としている。そして作品全体からは命に対する慈愛や命の重さを感じさせてくれます。