自分の住む地域は冬にはかなり強い空っ風が吹き、体感温度を下げ、向かい風なら歩行や自転車の走行に困難を生じる程で難儀な状態になります。先日、「台風かよ
」と思える程強い風が吹いていた時、買い物カートを押して外出中の老婆が向かい風によろめき耐えながらもゆっくり前に進む姿を見て少々心を動かされました。
老婆にとってどれほど歩行に困難で労力がいる強い風が吹いても彼女には外出しなければいけない用があり、難儀な強風が吹こうとも、この地に住み続けると自分が選択した限り、この困難に耐え前に進んでいく・・・なんてちょっと哲学的というか・・・感傷的な考えがその時頭をよぎりました。
閑話休題、 本日御紹介する作品は自分のお気に入りの警察小説シリーズ、今野敏 さんの『安積班』シリーズの一冊
潮流 - 東京湾臨海署安積班 です。
ではいつも通りあらすじ紹介から行くとしましょう・・・
珍しく刑事事件が無い穏やかな空気漂う臨海署、刑事課強行犯係・安積班は溜まった書類仕事を片付けていた。
そんな時、発せられる署内放送
お台場で人が不意に倒れたという・・・意識を放送の内容に向けた安積の耳に同様な症状で倒れた人が複数現れ救急車で病院に搬送されたとの続報が入る。
この不自然な状況に胸騒ぎを覚えた安積は行動を開始するのだが・・・
もう18作目になる警察小説『安積班』シリーズですが、今回は、突如お台場で人が複数倒れ、伝染病やテロの発生
を危惧した安積警部が素早く行動を開始するがその事件が安積の過去扱った事件にも関係していたという話です。
いち早く行動を開始し異例の速さで本庁を動かしてみせた安積
ですが事件捜査で捜査本部で幅を利かせる本庁捜査一課の班長と
対立してしまい
・・・伝々、というこのシリーズでは良くある展開で進み、事件が解明していく過程で安積が過去参加していたある事件との繋がりが判明していく、安積が警察が犯した過去の過ちにどう向き合っていくのか
というのがテーマになっています。
というところで、感想なんですが、もう定番の展開というか、真摯かつ丁寧に事件と向き合う安積と部下は、捜査方針で対立していた本庁の捜査一課の捜査班より先に事件の真相にたどり着くというお馴染みパターン
です。ただ本作はこれまで以上、正直いわゆる置きに行っている状態でワクワク感・緊張感に乏しい
と言わざるを得ない感じでした。
この事件は犯人が「過去に起きた事件で犯した警察の過ちを正すため」に起こした事なんですが、それに気づいた安積はその事を反省して真摯に向き合い行動する
という読者からすると一般的に好感もてる展開なのだが、どうも安積から過去の過ちに対しての反省感があまり伝わってこない
さらーっと終わっていて、重みが感じられない・・・いやある意味リアルかも・・・例えて言えば、賞味期限を偽って消費者を騙していた事がばれた食品会社の直接その事に関わっていなかった従業員が世間に対して罪悪感や反省の気持ちが多少はありながらも家族を養うため会社を辞めることなく基本に立ち返り仕事を続けその会社で生きていくイメージ・・が思い浮かびこれはこれでありの展開なのかもと思いながらも、あくまでこの事は事件のエッセンスとして話に取り入れてみただけと言う感じが拭えませんでした。
ちょっとこのシリーズが西村京太郎の十津川警部シリーズの様な読後に記憶に残る感じが薄い感じになってきているのが少々気になりました。
というところで、本日はここまで
それではまた~

老婆にとってどれほど歩行に困難で労力がいる強い風が吹いても彼女には外出しなければいけない用があり、難儀な強風が吹こうとも、この地に住み続けると自分が選択した限り、この困難に耐え前に進んでいく・・・なんてちょっと哲学的というか・・・感傷的な考えがその時頭をよぎりました。
閑話休題、 本日御紹介する作品は自分のお気に入りの警察小説シリーズ、今野敏 さんの『安積班』シリーズの一冊

潮流 - 東京湾臨海署安積班 です。
ではいつも通りあらすじ紹介から行くとしましょう・・・
珍しく刑事事件が無い穏やかな空気漂う臨海署、刑事課強行犯係・安積班は溜まった書類仕事を片付けていた。
そんな時、発せられる署内放送

この不自然な状況に胸騒ぎを覚えた安積は行動を開始するのだが・・・
もう18作目になる警察小説『安積班』シリーズですが、今回は、突如お台場で人が複数倒れ、伝染病やテロの発生

いち早く行動を開始し異例の速さで本庁を動かしてみせた安積




というところで、感想なんですが、もう定番の展開というか、真摯かつ丁寧に事件と向き合う安積と部下は、捜査方針で対立していた本庁の捜査一課の捜査班より先に事件の真相にたどり着くというお馴染みパターン


この事件は犯人が「過去に起きた事件で犯した警察の過ちを正すため」に起こした事なんですが、それに気づいた安積はその事を反省して真摯に向き合い行動する


ちょっとこのシリーズが西村京太郎の十津川警部シリーズの様な読後に記憶に残る感じが薄い感じになってきているのが少々気になりました。
というところで、本日はここまで


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