佐島勤 著  魔法科高校の劣等生 18 師族会議編〈中〉 が出ていましたので、早速購入して読んでみました。

 西暦2097年2月5日、師族会議が開催されていた箱根のホテルが何者かの爆弾テロに襲われ死者多数の惨事となってしまった。幸い師族会議メンバーは全員無事だったものの、その事が反魔法師団体・運動に勢いを与え、マスコミは反魔法師の論調が幅を利かせる事態となる。
 それに対して、師族会議は細やかなマスコミ対策と七草家をリーダーとして十文字家、四葉家、一条家の合同捜索隊でテロリストの捜索捕縛活動を開始する。
 達也を密かに慕っていた深雪は、突然婚約者の立場になった達也に対して自分の気持ちをどう持って行って良いのか戸惑っていた。そんな不安定な気持ちを抱えた深雪の通う第一高校に、テロリスト捜索に加わる一条将輝が1月の間通うことなる・・・
 
 前回の師族会議編〈上〉に続いての中巻の本書である。
 師族会議が謎の魔法師の死体使役魔法&体内に埋め込まれた爆弾によって自爆攻撃され、死者多数の被害を出した中、十師族らの魔法師が全員無事だったことから、マスコミによる魔法師への謂れ無き批判の論調が形成され反魔法師団体の活動が活発化していくというお話です。ただ本書を読み終わってみると自分にはいくつもの不満点が生じていました。

まず十師族&師族会議にはもっと『精強で恐い絶対的な影の実力者集団』というイメージを抱いていたのだが、これが全く弱々しい有力魔法師家の互助会か組合活動の連絡会議だったからです。  テロに遭い怯え反魔法師の論調が声高に唱えられる事に眉を顰めるだけで具体的で有力な対策が建てられず、七草家、十文字家、一条家、四葉家に荒事は任せ、それもテロリストの特定、居場所の特定、襲撃などの行動は四葉が行って多家は無策・スルーなのはいかがなものかがっかりです・・・
 
 またマスコミを利用した反魔法師団体の魔法師糾弾の世論形成と反魔法師運動に共感した者による魔法師襲撃犯罪には『気をつけてねだけで具体的な対策方法を魔法師に与えられない魔法師協会や魔法科大学・高校には疑問を呈さずにはいられない。
 外出や登下校時の反魔法師達の暴力に、複数人での常時動画撮影、全員が警報アラーム・警察への緊急連絡ボタンに常時指をかけておく、何事かおきたらすぐスイッチオンをする・・などの指導があってしかるべきで、それが無い事が不思議でならない。
 それこそかなり科学が発達した未来日本での出来事なのに、携帯電話での通報やGoPROもどきのアウトドアカメラでも服に装着して動画の常時撮影でもさせておくなどの対策位出来るでしょうに・・・

 最終章では下校時の深雪達が反魔法師の漢達に襲われるという所で終わっていますが、深雪には水波だけではなく四葉の影供(荒事担当複数人)でも付けておけば良いのに・・・達也のいない時にはこれぐらいしても・・・ どうしてやらないのでしょうか

 またテロリスト捜索に七草智一氏が総大将になり実働部隊長に十文字克人が当たるという事に興奮してみたが、四葉以外何もしてないじゃん何このポンコツ捜索部隊

深雪は「お兄さま」が「婚約者」という立場になって絶賛お悩み中エリカのお兄さんが罠にはまって次巻酷い目に合いそう・・・エリカの身に不幸が舞い込むのかという所でお話は終わり、全体的にモヤモヤする巻でした。次巻の内容が鬱憤を晴らすような大爆発な展開を期待します。

 以上いろいろ残念な感じで話が進み、楽しく読めませんでした。とにかく 『おい大丈夫か小物なお話になっているぞ』 と心の中で念じて、下巻を待ち望む私でした。

 という事で、本日はここまでじゃあまたね

魔法科高校の劣等生 (18) 師族会議編 (中) (電撃文庫)/佐島勤
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