ゴールデンウィーク中にはちょくちょく外出したものの、やはり連休がありますとじっくり腰を据えて本を読めるというものです。
 
 窓を開けて5月の爽やかな風を感じ、鮮やかに彩る庭の花を横目に読書する。イイ感じです。
 
 そんな中読んだ作品から、本日は堂場瞬一 著 『共鳴』 を御紹介します。 それではいつも通りあらすじ紹介からいくとします。
 
 新城将は小腹を満たす食料確保の為、コンビニに出かけるために家を後にした所を、祖父の麻生和馬に拉致され、小田原の祖父の家に連れ去られた。
 祖父は元警察官の元気ジジイで、今でも「県警防犯アドバイザー」としてご近所のよろず揉め事の相談役を買って出ていた。
 そんなおせっかいジジイの祖父・和馬は、孫が引きこもりニートになっている事を聞き性根を入れる為に、しばらく同居し祖父の仕事の手伝う事を命じた
 強引で積極的なおせっかいジジイに反発を覚えながらも東京へ帰る金もない将は、イヤイヤながら祖父の仕事を手伝うが、一見のどかで犯罪の匂いがしない田舎町に犯罪の影を感じ次第に真剣に仕事に打ち込む様になる。
 引きこもりニートの孫と強引おせっかいジジイのでこぼこコンビは地域社会に埋もれていた事件を掘り起こしていく

 人が住んでいれば、都会や田舎に関わらず大なり小なりトラブルは生じる。
 在宅介護 殺人 麻薬の拡散
地域社会に潜む、個々の家庭が抱える深刻な問題 地域社会に拡まる麻薬 など極身近に潜む社会問題を、爺孫コンビの目を通して浮き彫りにしていく、いい意味地味な作品です。

 ニート孫の将が爺の和馬に無理矢理、人と濃密に関わらさせられる事になり、一歩間違えばより病んでいくかもしれないところ、この孫は現実と向き合い、感じ、変わることが出来たようです。爺も他の方法を判らず強引ながらこの方法を取らざるを得なかったんでしょうね・・・それでも家族だから観ていられなかったんでしょう。今時こんなおせっかいジジイはなかなかいない・・・羨ましい

 さてこの作品全体では、設定や序盤のニート孫と強引おせっかいジジイのやりとりにワクワク感たっぷりだったものの、中盤以降盛り上がりに若干欠けるのがちょいとおしい感じでした興味深い設定だったのに・・・謎解きもそれほどでも無いし・・・ミステリーとしてはう~んです。 あくまで爺がニート孫を立ち直らせるミステリー風のお話として
みてください。
 設定は2時間のサスペンスドラマ辺りに活かせそうだが。自分はもっと面白く書けたんじゃないのという感じでしたので本日ははっきりお薦めできると言い切れない感じです。興味を覚えた方は手に取って見てねー

 じゃあ今日はここまでじゃあまたね

 
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