いつもはお薦めの作品をご紹介している当ブログですが今日はちょいと疑問を感じた作品に出会ったので、読者の方に問いかけという事で、ちょいとハードボイルドな感じのアクション系の小説のご紹介といきたいと思います。 その作品は、麻生幾 著 奪還 です。 麻生幾さんは、ジャーナリスト出身(今もジャーナリスト
)の作家さんで主に危機管理、安全保障、インテリジェンス関連方面が専門らしく、自身の作品「宣戦布告」は映画にもなっています。この作品では、武装した北朝鮮工作員が日本に上陸して・・・というようなシュチュエーションで、軟弱で腰の引けた政治家批判や安全保障システムや法が未整備や欠陥を訴えていた作品でしたが、本作品は安全保障問題、等への批判的主張、等は抑え、アクションメインの作品となっています。では、そんな作品のあらすじは・・・
かつて海上自衛隊特別警備隊(SBU)のバッドボーイズ分隊の隊長であった河合斌は、北朝鮮工作船事件で拘束された海保乗組員救出作戦で部下に戦死者を出し、上層部より責任を問われ海自を去り、今はフィリピンダバオでダイバーショップで働きながら、いつか日本の役に立てる機会が来ることを信じて身体を鍛えていた。 ある日、謎の日本人(老人)より、大地震にあったコタバトという街に国境なき医師団のメンバーとして活動していて行方不明となっている娘折原雪乃の捜索と救出を依頼され承諾する河合だったが、コトバトという街は、反政府ゲリラ、マフィア等が闊歩するデンジャラスな街だった・・・
この作品を読み始めると、よくあるハリウッドのアクション映画のノリで、序盤のつかみアクションから→組織から放り出された主人公→謎の人物からのデンジャラスな依頼→アクションまたアクション→敗北→再起→ラストバトルというお約束がテンポよく展開され、一気に読み終わりました。なるほど勢いが良い作品だったが、何か物足りない
いや違和感が
これは何なんだろうと、あらためて冷静に読み返してみると・・・ 違和感の正体が判明した。 主人公のキャラクター像がブレているように思われるのだ。 海自の特殊部隊長で上司からも嫉妬される程の冷静沈着の手練れだったという主人公
だが読み進めると、情報収集はズサンで胡散臭い地元民より
雑で出たとこ勝負な救出計画の立案
先程の胡散臭い地元民を仲間に
想定外の事態に焦って思考の視野を狭くして敵側に策を見透かされる
敵を殺す事を躊躇して反撃喰らう
ラストミッションでは部下が作戦に違和感を感じて主人公に進言するも、発言を否定して、事前の計画通りに部下が行動することを強要する。 おい
これなんなんだ
明らかに未熟で雑な野郎ではないか
あんた本当に有能な特殊部隊長
そうです、この作品を読んだ方に問いかけてみたい事は、この作品の主人公って、著者の設定した人物像と物語におけるキャラクターの姿とが、大きく乖離がしているのではないか
という事です。 この作品は読者を物語に引き込んで一気にラストまで読み終わらせる力があるようなので、そこがぶれてなければ「☆3つです
」(堺正章風に・・)な作品にもなれそうな作品だと自分は感じたので、もしこの作品を読まれた方がいらっしゃったら、この点について是非御意見お願いします。

かつて海上自衛隊特別警備隊(SBU)のバッドボーイズ分隊の隊長であった河合斌は、北朝鮮工作船事件で拘束された海保乗組員救出作戦で部下に戦死者を出し、上層部より責任を問われ海自を去り、今はフィリピンダバオでダイバーショップで働きながら、いつか日本の役に立てる機会が来ることを信じて身体を鍛えていた。 ある日、謎の日本人(老人)より、大地震にあったコタバトという街に国境なき医師団のメンバーとして活動していて行方不明となっている娘折原雪乃の捜索と救出を依頼され承諾する河合だったが、コトバトという街は、反政府ゲリラ、マフィア等が闊歩するデンジャラスな街だった・・・
この作品を読み始めると、よくあるハリウッドのアクション映画のノリで、序盤のつかみアクションから→組織から放り出された主人公→謎の人物からのデンジャラスな依頼→アクションまたアクション→敗北→再起→ラストバトルというお約束がテンポよく展開され、一気に読み終わりました。なるほど勢いが良い作品だったが、何か物足りない















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