前回、前々回と、少年が家庭崩壊の遠因となった母親殺しの元少年犯に復讐を企て、挙句に自分の事を心配してくれていた女教師を誤って殺害してしまう悲劇の話
その後、罪を償う為自分の犯した罪を告白して全国を行脚する少年の再生を描いた話、「13歳の黙示録」「天路」をご紹介した。
人が罪を犯す者に成るのも、人が偉人と呼ばれる人に成るのも、本人自身の資質や努力、心構えだけではなく、本人の周りの環境、とりわけ親や教育者、等の関係者の影響が大きい。
世に偉人と言われた人は、突発的に出現したのではなく、親や関係者の教育、躾け、愛情、等の影響によって人格が形成されたはずである。
以前、当ブログにて、江戸期の偉人上杉鷹山を描いた作品「小説 上杉鷹山」をご紹介させていただきましたが彼にも当然、親や教育者、等の人格形成に大きく影響を与えた人がいたはずである。
そこで、本日は上杉鷹山と米沢藩の人々に大きな影響を与えた学者・教育者、細井平州の半生について描かれた、二宮隆雄 著 小説 細井平州 をご紹介しよう。 では、物語のあらすじから・・・
亨保13年、気候穏やかで肥沃な尾張国平島村の豪農の次男に生まれ、伸びやかに育てられた細井甚三郎は傲岸な程自我が強く、村では神童と呼ばれる程の学問の才を見せる子供だった。 彼の両親も、甚三郎が学問の路に進むのを拒まず「生きる哲学」を持った義寛和尚を皮切りに名古屋城下の名医・千周、「人の役に立ってこその学問」をモットーとする学者・中西淡淵の元で勉学に勤しむ事が出来るよう援助を惜しまなかった。三人の師の元で大らかで素直な性格となった甚三郎は、長崎への留学もさせてもらい、彼の地で小河仲栗、飛鳥子静という学問の仲間を得、益々勉学に勤しみ、江戸に塾を開き名を細井平州と名乗るようになる。温厚で学派にこだわらず人付き合いの良い平州は江戸で次々実績を積み上げ評価を高めていったが、おごることなく連日、庶民相手に辻説法で教えを説いていた。 その細井平州の真摯な姿に感化された米沢藩藩医・藁科松伯は、次期藩主となる秋月松三郎直丸(上杉鷹山)の教育者として平州を招聘する・・・
上杉鷹山の人格形成を構築したのは、彼の両親であり、守役であり、細井平州である。 そして、細井平州の人格形成を構築したのは彼の両親であり、三人の師であり、友人の学者達である。 そうして、知や志、等が受け継がれている。 偉人を生み出す一助になった人々はその功をもってもっと讃えられるべきである。 そうした「知や仁の系譜・継承」を感じさせてくれる本書は「小説 上杉鷹山」も併せて読んでいただくと、よりその感を強く感じられると思う。
現代の教育の場で、上杉鷹山と細井平州についてもっと語られればと切に思った。

人が罪を犯す者に成るのも、人が偉人と呼ばれる人に成るのも、本人自身の資質や努力、心構えだけではなく、本人の周りの環境、とりわけ親や教育者、等の関係者の影響が大きい。
世に偉人と言われた人は、突発的に出現したのではなく、親や関係者の教育、躾け、愛情、等の影響によって人格が形成されたはずである。
以前、当ブログにて、江戸期の偉人上杉鷹山を描いた作品「小説 上杉鷹山」をご紹介させていただきましたが彼にも当然、親や教育者、等の人格形成に大きく影響を与えた人がいたはずである。
そこで、本日は上杉鷹山と米沢藩の人々に大きな影響を与えた学者・教育者、細井平州の半生について描かれた、二宮隆雄 著 小説 細井平州 をご紹介しよう。 では、物語のあらすじから・・・
亨保13年、気候穏やかで肥沃な尾張国平島村の豪農の次男に生まれ、伸びやかに育てられた細井甚三郎は傲岸な程自我が強く、村では神童と呼ばれる程の学問の才を見せる子供だった。 彼の両親も、甚三郎が学問の路に進むのを拒まず「生きる哲学」を持った義寛和尚を皮切りに名古屋城下の名医・千周、「人の役に立ってこその学問」をモットーとする学者・中西淡淵の元で勉学に勤しむ事が出来るよう援助を惜しまなかった。三人の師の元で大らかで素直な性格となった甚三郎は、長崎への留学もさせてもらい、彼の地で小河仲栗、飛鳥子静という学問の仲間を得、益々勉学に勤しみ、江戸に塾を開き名を細井平州と名乗るようになる。温厚で学派にこだわらず人付き合いの良い平州は江戸で次々実績を積み上げ評価を高めていったが、おごることなく連日、庶民相手に辻説法で教えを説いていた。 その細井平州の真摯な姿に感化された米沢藩藩医・藁科松伯は、次期藩主となる秋月松三郎直丸(上杉鷹山)の教育者として平州を招聘する・・・
上杉鷹山の人格形成を構築したのは、彼の両親であり、守役であり、細井平州である。 そして、細井平州の人格形成を構築したのは彼の両親であり、三人の師であり、友人の学者達である。 そうして、知や志、等が受け継がれている。 偉人を生み出す一助になった人々はその功をもってもっと讃えられるべきである。 そうした「知や仁の系譜・継承」を感じさせてくれる本書は「小説 上杉鷹山」も併せて読んでいただくと、よりその感を強く感じられると思う。
現代の教育の場で、上杉鷹山と細井平州についてもっと語られればと切に思った。