本を読んでいると、時折、ゾクっというか、キタ━(゚∀゚)━! っという感じの作品に出会える事があると思う。 そういう作品は是非末永く手元に置いて置きたくなるものだが、そのキタ━(゚∀゚)━! が来てしまった。その作品が、あさのあつこ 著 弥勒の月 である。 本屋にてたまたま手に取ってみたのが本書なのだが、小生は、あさのあつこ 氏がNHKドラマでも放送された「バッテリー」シリーズや、「ランナー」シリーズなどのスポーツに励む少年少女の心の内面を
瑞々しく描いた作品群で、数々の児童文学賞を取られている事から、てっきりこの方面のみの作家だと認識していたところ、本屋にて本書を手に取り、「へぇー!あさのあつこ って時代小説も書いているんだ・・」と出だしを立ち読みし始めると、みるみるうちに
読書に没頭させられてしまい気付くと真ん中へんまで読まされてしまいました。 我に返り、キャッシャーに行きこの本を購入すると家に帰って続きに没頭しました。 あさのさんスイマセン
誤解してました。 あぁー!この作品、自分の中での上半期No.1!です。
そんな風に思わされたこの作品のあらすじとは・・・
岡っ引きの伊佐治は、この頃十手を奉行所に返そうかと考えている。 それは慈愛に満ち、手練れの定町廻り同心でもあった先代に続いて、息子の小暮信次郎に仕えてみたものの、どうにも当代のこの同心の元でお勤めをするのに
嫌気が指すことが多いのだ、当代は頭が切れるなかなか優秀な同心なのだが、皮肉屋で情が疎いというか、人に冷たい一面が
鼻につくのだ・・ そんなことを思いながら今日も土左衛門で上がった商家の若妻らしき遺体を
検分する信次郎の傍らに控えていると。遺体の連れ合いらしき商家の主人が遺体確認にやって来た。 その商家(小間物問屋)の主人・遠野屋清之助の立ち振舞に
尋常でないものを感じた信次郎と伊佐治は、単なる身投げではないものを感じて、遠野屋へ脚を向けるのであった・・・
この作品を読んで、改めてあさのさんに謝りたい。 誤解してました。 この作品、切れ者の同心・信心郎の心の中にある歪みや禍々しい思い と 尋常でない過去を内に秘め、亡き妻と義父に心救われ商人として生き抜く覚悟をしている遠野屋清之助、そして二人の内面に宿る黒い影を察しながらも見守る初老の岡っ引き伊佐治! そんな中で事件の謎解きが進んでいく・・・ この作品を読んでいるとキャラクターや背景などがはっきり頭に思い浮かべられる。ディティールだけでなく、空気感というか気のようなものまでだ。 自分がまるでその現場に立ち会っているがのごとく没頭できる。 これは、この作品と自分とが肌が合うのだろう。 こういう作品と出会える事があるから読書はやめられない! この作品の雰囲気は、佐藤大輔さんの「皇国の守護者」シリーズにも相通じる。平常な顔の裏で、内心に潜むどす黒いモノや悲しみなどに葛藤し苦悩するキャラクター達を描く感じの作品で、これが自分のツボにハマっているのではないかと感じる。この作品も、うちに秘める獣が如きモノを抑えこみ、葛藤、苦悩する信次郎と清之助を観察し見守る伊佐治という構成になっていて、徐々に二人の内面が明らかにされていく感じが堪らないです。 現在、私はこの作品の続編を取り寄せている最中なので、近いうちにそのレポートできるかと思います。 とにかく、ちよいと
舞い上がり気味ですが、この作品を絶賛お薦めしたいと思います。



そんな風に思わされたこの作品のあらすじとは・・・
岡っ引きの伊佐治は、この頃十手を奉行所に返そうかと考えている。 それは慈愛に満ち、手練れの定町廻り同心でもあった先代に続いて、息子の小暮信次郎に仕えてみたものの、どうにも当代のこの同心の元でお勤めをするのに




この作品を読んで、改めてあさのさんに謝りたい。 誤解してました。 この作品、切れ者の同心・信心郎の心の中にある歪みや禍々しい思い と 尋常でない過去を内に秘め、亡き妻と義父に心救われ商人として生き抜く覚悟をしている遠野屋清之助、そして二人の内面に宿る黒い影を察しながらも見守る初老の岡っ引き伊佐治! そんな中で事件の謎解きが進んでいく・・・ この作品を読んでいるとキャラクターや背景などがはっきり頭に思い浮かべられる。ディティールだけでなく、空気感というか気のようなものまでだ。 自分がまるでその現場に立ち会っているがのごとく没頭できる。 これは、この作品と自分とが肌が合うのだろう。 こういう作品と出会える事があるから読書はやめられない! この作品の雰囲気は、佐藤大輔さんの「皇国の守護者」シリーズにも相通じる。平常な顔の裏で、内心に潜むどす黒いモノや悲しみなどに葛藤し苦悩するキャラクター達を描く感じの作品で、これが自分のツボにハマっているのではないかと感じる。この作品も、うちに秘める獣が如きモノを抑えこみ、葛藤、苦悩する信次郎と清之助を観察し見守る伊佐治という構成になっていて、徐々に二人の内面が明らかにされていく感じが堪らないです。 現在、私はこの作品の続編を取り寄せている最中なので、近いうちにそのレポートできるかと思います。 とにかく、ちよいと

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