今日ご紹介する作品は、武士(もののふ)が生きた時代の様々な男達の生き様を描いた短編八編が収められている時代小説集です。その作品は、神坂次郎 著  兵庫頭の叛乱 です。 そのあらすじは・・・

 江戸幕府は三代・家光の時代となっていたが社会的にはまだ草創時代の不安定さが色濃く残っていた。 その為幕府は徳川宗家の権威確立を図るために諸大名の取り潰しを機会あるたびに執り行っていた。それは徳川の家門筋でさえ安泰ではなかった。将軍・家光の叔父で紀州徳川藩主・徳川頼宣は幕府が隙あらば自分も排除しようと画策していることを感じ、由井正雪が画策している幕府転覆計画を秘かに支援していた。 そんな中、若き日に頼宣に見出され、本人の努力の界もあって食録六千石の家老職についていた牧野兵庫頭長虎は、頼宣に幕府転覆の企てが失敗した時の策を進言していた。 その策とは、兵庫頭自ら藩内の騒動に関わり、不満から紀州家を見限り出奔し、「頼宣に逆謀あり
と旧主を相手取り公儀に出訴し、かえって頼宣に逆心無き事を幕府に認めさせようとする。一種、捨て身の深謀であった・・・恩ある主の為に自らを犠牲にする漢の話 ※表題・兵庫頭の叛乱

 上記の兵庫頭の叛乱、他八篇の短編を収めた魅力ある男達の物語! 自分は表題作以外にも、 戦国の世をバテレンから貰った南蛮兜・具足を身に着けフリーランサーの戦人として戦場を駆け巡り一万石の武将にのし上がった豪傑・岡左内の半生の話  バテレン兜 等、が気に入りました。 現代の男の多くが失ったものを持つ漢の話
 本作を 見かけたら一度ご拝読を
兵庫頭の叛乱 (新潮文庫)/神坂 次郎
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