今日ご紹介する作品はサスペンス、警察小説分野の、またまたご登場、今野敏さんの作品、朱夏 警視庁強行犯係・樋口顕 です。
ついついご紹介する機会が多くなってしまいますが、他の作家さんの作品も読んでいるのですが、ご紹介したい作品、作家さんともなると、どうしても偏ってしまいます。まあ、そこはご勘弁頂くとして、昔、2時間のサスペンスドラマで放送していた記憶もありますし悪くない作品だと思います。

警視庁捜査一課強行犯第三係の係長(ハンチョウ)樋口顕は代々木署管内のコンビニ強盗事案の捕物で足立弘という正義感と刑事志望の上昇志向だが仮面を被り決して本音を表に出さない外勤警官の若者と出会う、そんな彼の内面に自分も彼に近いものを感じる樋口
  その日は事件解決もあって久しぶりに家に帰るもクリスマスイブだというのに、家族はそれぞれに忙しくしていて自分の居場所と家族の触れ合いが無い事に取り残された感を感じる樋口 そんな時、以前捜査で組んだ事がある荻窪署生活安全課の氏家譲に飲みに誘われ一晩過ごすが、翌日家に帰ると妻・恵子の姿が無い事に気が付く、事件に巻き込まれた感触を得た樋口だが、そんな時警視庁警備部長宛に脅迫状が届いたとの知らせが内々の捜査を命じられ、第三係の面々をその事件の聞き込みに廻らせた樋口は、氏家を呼び出し、たった二人で妻・恵子失踪事件に当たることにする。タイムリミットは脅迫状事件の捜査本部が出来る1日半後の月曜日


原題に「強行犯係・樋口顕」とあるが、実際強行犯係の面々は物語の中心にならず(殆ど出ない)ここはマイナス点
  妻の失踪の謎に挑むのが中年おやじベテランコンビ妻が攫われた様子にテンパったり、弱気になったりで自己嫌悪に陥る樋口それをなだめたり、叱咤激励でサポートする氏家おやじ刑事・・・そんな二人は無事恵子を救い出せるのか
 現代の家族の在り方、夫婦関係とは
今時の人間関係への疑問親から子供に伝えるべき事について問うている様子の本作、でもそんなこと抜きに中年コンビの活躍と樋口の心の内の葛藤と変化をお楽しみください。 是非ご購読を・・・


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