今日、ご紹介する作品は、前回に引き続いて忠臣蔵(赤穂浪士討ち入り事件)をテーマとした作品とさせていただきます。その作品は、嶋丈太郎 著 邀撃 異説元禄赤穂事件 です。
この作品は、いわゆる if 小説 といわれる物で、もし吉良家側が万全の体制で赤穂浪士の討ち入りを迎え撃っていたら というシナリオで書かれている作品です。
これは吉良上野介が稀代の悪党なのか
をあらためて資料などを調べてみて、実態は「忠臣蔵」とは多いに違う、事件の概要を元に、著者が吉良家優位で書いたシナリオです。 これは単に吉良上野介の復権
を目論んで書かれたものではなく、著者が「赤穂浪士の討ち入り」をテーマとして、実際の事件のあらましを数々の資料を分析、実地調査で調べあげた結果、事件の関係者の実像・事件の実態と、事件以後創作された劇作である「忠臣蔵」の乖離、 を分かりやすく解説していて、
いかに世間の伝聞、噂が歴史の必然となってゆくのか を提示していて、大衆の嫉妬・勘違い・思い込み・為政者の情報誘導 がいかに歴史・事象の歪曲
に繋がるのかを論じているのである。
これは「忠臣蔵」のみではなく過去現在を問わず至る所で行われてきた事象で、情報化社会である現在こそ同じ事が容易に起きていく事を表していて、自分達も情報に踊らされる事が無いようしなければならないのではないか
という事が言いたいのではないかと思う。
ただ一小説としては物語の随所で、この分析が挿入されていて、物語が途切れ途切れになっていて、物語自体に感情移入しづらい面もあり、ここはマイナスポイントである。
この作品は、いわゆる if 小説 といわれる物で、もし吉良家側が万全の体制で赤穂浪士の討ち入りを迎え撃っていたら というシナリオで書かれている作品です。
これは吉良上野介が稀代の悪党なのか




これは「忠臣蔵」のみではなく過去現在を問わず至る所で行われてきた事象で、情報化社会である現在こそ同じ事が容易に起きていく事を表していて、自分達も情報に踊らされる事が無いようしなければならないのではないか

ただ一小説としては物語の随所で、この分析が挿入されていて、物語が途切れ途切れになっていて、物語自体に感情移入しづらい面もあり、ここはマイナスポイントである。
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