ここのところ時代小説のご紹介ばかりでサスペンス系の作品が少なかったので久々にやりたいと思います。
 今日紹介する作品は第一回ホラーサスペンス大賞受賞作、黒部洋 著  そして粛清の扉を です。
 
 明日、卒業式を迎える私立宝厳高校3年D組において目立たない中年女教師・近藤亜矢子が突如生徒に牙を剥いて向かってきた
生徒3名と学年主任を粛清した後、生徒全員を監禁して篭城したのだ駆けつける警察、警察側は警視庁捜一特警一班・弦間重光が指揮をとり対峙するが、彼女は周到な準備の元警察側を翻弄する。その間にも彼女は生徒の一人ひとりの過去の悪行をばらし粛清してゆく、今、教室は赤く染まる!

 以前ご紹介した「悪の教典」や「告白」などと同じ、学校を舞台としたホラーサスペンスです。何故、地味な中年女教師が凶行に走るのか
 対峙する警察の特殊犯罪対策チームの対処 騒ぎ立てるマスコミ すべてを見透かしたように警察を翻弄する女教師 底辺校に巣食う罪の意識の無く罪を犯していた生徒達を粛清していく女教師 反撃を狙う生徒 教室内で起こる粛清劇 と教室外の警察・世間の動き という二つの世界で構成される状況をドラマチックに表現していて、これは映画ドラマにぴったりだと思います。
かなりバイオレンスな作品なので、これは好き嫌いがかなり出る作品だと思われます。とにかく
ダークな作品を読みたい方は是非御一読を!

そして粛清の扉を (新潮文庫)/黒武 洋
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