台風が本州に向かって来ています。自分の住んでいる所は直撃は無さそうですが、用心しておくには、やぶさかでないですね。
 今日ご紹介する作品は警察小説の 今野 敏 著  疑心  -  隠蔽捜査 3 - です。

 警視庁大森署署長・竜崎伸也警視長は謹厳実直なスタイルで日々の業務をこなしていた。しかし、近々訪日する米大統領の警備において異例にも羽田空港を含む第二方面警備本部本部長を務める事になってしまう。困惑しながらも任務を全うしようとする竜崎
そんな中、日本人によるテロの可能性の情報が入り緊張状態に米シークレットサービスとの摩擦や臨時に配属されることになった女性キャリアへの調子の狂った竜崎、彼は任務を全うできるのか

 ネタバレもありますので注意ですが、今回は、今までの事件が起こってから対処する」刑事警察の案件では無く、事件が起こる前に対処する」警備警察の案件になっています。
 つまり今回は事件に関する描写が殆ど無く、ある意味、警察組織内部での仕事の進めかたの描写が主です。
 そんな中、竜崎は自分を補佐する役目についた女性キャリアに
恋をします。いや不倫でどうとかではなくてあくまで竜崎の脳内の事で彼女に接触する男に嫉妬して悶々状態になり調子を崩すという感じなんですが、まるで思春期の学生さんみたい・・・

 今回の作品を読んでみての評価としては、星1つ
落とさなければいけない感じです。なにしろ警備案件ですので派手な事件の描写など皆無、トリックの謎解きなど殆ど無く、事件の謎解き大好きな方たちは読まないほうが良いといえます。もう警察内部の仕事の進めかたに特化しちゃってます。犯人の行動や事件そのもの、逮捕自体もあまり重要ではなくそれこそ「事件は現場で起こっているんだ!」の正反対でまるで企業小説みたいです。ワクワク感も落ちていた感じでした。まあお固い竜崎の人間らしいとこが見られましたが・・あくまで彼の脳内の話ですし、部下や上司には少し調子良くなさそうかな位の印象でしょう。今回はギリギリ及第点かな・・この作品の皆さんの評価を聞いてみたいですね。

PS. 今回ブログを書いている際「まぎゃく」という言葉を使おうとして躊躇しました。まず漢字で書くのに「間逆」「真逆」で悩み、真逆の方で書くのが正しいらしいと分かりつつも、そもそも真逆は辞書に載っていなくて2004年の新語・流行語大賞にノミネートされた言葉で、いわゆる新語として認識されていたこと。などありまして、自分も普通に使っていたのですが、結局使用せず、本来の正しい言葉「正反対」を使わしてもらいました。日本語は難しいとあらためて思った次第です。