連日、暑い日が続く中、今日、紹介する作品は忠臣蔵 をテーマとした作品である。この史実を元にした作品は日本人に大変受けた作品で自分も好きな作品である。起承転結がはっきりしていて、耐えて耐えて最後にドッカ~ンな感じが非常に良いのではあるが、しかし良く調べてみると、どうも浅野側や幕府の対応の方が酷く、吉良側は善政を敷く有能な官吏で、たんなる被害者でしかない。もちろん実態が劇のように、吉良は皮肉屋で金に汚くいじわるかもしれないが・・・浅野の当主は現代で言ういわゆるヒステリーで藩も金が無く貧乏だったとの話も聞く!そんな不遇な吉良側の一筋の光明たる作品、風柳祐生子 著  吉良さま御味方 を紹介したい。

 この作品は赤穂浪士の討ち入りの際、吉良側でもっとも勇敢に戦って生き残った男・山吉新八郎
の半生を描いた作品である。自分としてはこの作品で大河ドラマを、いや2時間ドラマでいいから創って貰いたいと思っている。この武辺者で「赤穂浪士の討ち入りは必ずある」と主張して用心していた男、武士とはを問い続けていた男の半生を格好良く描いている。特に作品後半、浅野側の襲撃後の新八郎の心の内、と行動に、どこぞのアニメのセリフカッコイイとはこういう事さ」が聞こえてくる。この男の生き様を是非御一読戴きたい。