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昨今、北欧を中心に教育現場での行き過ぎたデジタルデバイスによる教育を見直す動きが出ている。

 

いわゆる「紙の教科書の復活」という奴だ。2000年以降スウェーデン等北欧諸国を中心に、教育への全面デジタル化を推し進めてきたのだが、10年間の調査であきらかになったのは、読解力や数学リテラシーの低下。とくに低学年で長文読解力の弱体化、集中力低下、手書き能力の衰えが指摘され、スクリーンによる読書は紙よりストレスが高いとの研究結果も公表された。

 

日本でも現場の教師からは「板書を写さなくなり記憶定着が弱い」「長文を読めない」「タイピングは速いが作文が書けない」という報告が上がり、特に低学年で手書き能力低下や漢字定着の弱さを懸念する意見が多いという。

 

そこで日本の政府が進めているGIGAスクール構想による2030年を目処にデジタル教科書を解禁するという方針に対して「北欧が辞めたデジタル教科書を日本は導入するのか?」「デジタル教科書は辞めろ」等の否定的投稿がSNSに上がっている。

 

ただ、その投稿はちょっと短絡的過ぎると私は思う。北欧では「デジタル教科書から

紙の教科書へ」という方針はあるのだが、デジタルデバイスは紙の教科書と併用していく方針なのだ。なので一切デジタルデバイスを使わないというのは悪手。

 

デジタルデバイスと紙の教科書とノートの併用を行いつつ学習効果を上がる良い塩梅

を探るべきなのだ。なので日本政府も教育現場の実情を鑑みて、極端なデジタル化を推し進める事なく紙とデジタルの併用学習を探って欲しいと思います。

 

閑話休題

 

はいそれでは、本の紹介へと参りましょうか。

本日紹介する作品は、町田そのこさんの連作小説

『うつくしが丘の不幸の家』です。

いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。

 

 

【あらすじ】

海を見下ろす住宅地『うつくしが丘』に建つ、築25年の三階建て一軒家を購入した美保理と譲。とある事情で人生設計が狂って、心機一転この地で美容院を開店する事にしたのだが、転居そうそう美保理はご近所さんがこの家を「不幸な家」と呼んでいる事を知り・・・

 

 

【解説】

 

①本作の著者は町田そのこさん

 

本作の著者は町田そのこさん。1980年福岡県生まれの45歳。

幼少時から本が好きで作家になりたい夢があり高校時代には演劇部の脚本を書くなどしていた。北九州市立高等理容美容学校(現・九州CTB専門学校)に進学。卒業後美容師他いくつかの職を経て20代半ばで結婚専業主婦になる。28歳で再び小説家を志し、2016年「カメルーンの青い魚」で新潮社主催の第15回「女による女のためのR18文学賞」大賞を受賞。メジャーデビュー。

2021年「52ヘルツのくじらたち」で第4回未来屋小説大賞、第18回本屋大賞受賞。

2025年、「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」で第2回ほな西へいこか本大賞を受賞。

 

代表作

・カメルーンの青い魚

・52ヘルツのくじらたち

・コンビニ兄弟

 

②連作小説とは?

 

連作小説とは、連作短編とも呼ばれ、共通のテーマ、登場人物、または世界観を共有する、複数の独立した短編小説群のことです。各エピソードは一話完結のストーリーとして読めますが、全体を通して読むことで、より深い物語や構造的つながりが感じられる形式の作品です。 

 

【感想】

 

まずタイトルを観た時は、ミステリーかホラー系の短編小説かと思いました。

読んでみると、出だしも不穏な感じでドキドキ。各話で語りだす主人公も人生が上手くいってない。どうお話が転がっていくのか?と固唾をのんで読み進める・・

 

するとそのうち彼らは、「不幸の家」と言われるこの家に関わる人物と交流する事がきっかけで気分を変化させ前向きな想いで人生を立て直していく。

 

《しあわせって何だろう?》見る方向が変われば、不幸だと思っていたものが、そうでは無かったと判る。

 

ちょっとした事がきっかけで不幸だと思っていた生活が前向きに変わる。

 

そして彼らはこの家を去る・・・そうこの家は「不幸な家」では無かったのです。

そんな彼らが人と人の交流を通じて人生を立て直していく様を目撃し、読んだ自分もほっこり。

 

良い意味でサプライズ。読み終わった後は自分の気分もちょっとポジティブに!

 

そんなお話が6話、各話だいたい40~60P程でちょっとした隙間時間でもお読み頂けますので是非手にとってお読みください。

 

①『おわりの家』

人生設計が壊れた美保理は夫と共に夫の実家を離れ海を見下ろすこの住宅地で店を開く為に中古住宅を購入し越してきた。開店準備に忙しい中、美保理は近所の住人がこの家を「不幸の家」と呼んでいるのを見聞きしてしまうのだが・・・

 

②『ままごとの家』

四十代の多賀子は夫の義明と結婚して二十五年。5年前に社宅を出てこの中古住宅を購入し暮らし始めた。しかしそれ以来、夫は自分に冷たくなり、娘は進路の事で夫と喧嘩して家を出て、受験前の息子は遅れてきた反抗期で口も聞かない有り様。家族がバラバラになっている事に気落ちしていた最中、夫は息子に関してとんでもない事実を打ち明けてきて・・

 

③『さなぎの家』

叶枝は東京で男に騙され仕事も貯金も失い故郷に出戻ってきた。一方叶枝の友人紫も夫に離婚を言い渡され幼い娘と共に家を放り出された。行き場もなく困った二人は高校時代の先輩蝶子に相談すると、彼女の持ち家の1つを貸してくれると言う。そこで三人はその家で共同生活をする事になるのだが・・・

 

④『夢喰いの家』

5年前、十歳年下の蝶子と結婚した忠清はいずれ出来るであろう子供との生活を夢見てこの家を購入したのだが夫婦の間には一向に子供が出来ない。病院で調べてみると忠清に原因が!それでも子供が欲しい二人は妊活治療に挑むが、それは蝶子に長く苦しい治療を強いるものだった・・・

 

⑤『しあわせの家』

居酒屋で働く真尋は、地味な自分に声を掛けてきた健斗と同棲を始めるが、健斗は話に聞いていた会社社長とは程遠いバツイチ子持ちの金遣い荒い日雇いトラック運転手だった。生活が苦しい中、ある日健斗は一人夜逃げして姿をくらまして・・・

 

⑥『エピローグ』

美保理と譲の美容室が開店して3年後。譲が町おこしに尽力した祭り「うつくしが丘祭り」も開催となり、美保理は今身籠っている。この3年の出来事を感慨深く思いだしていると、そこに一人の男が訪ねてきて・・・

 

 

という事で、本日はここまで!じゃあまたね!