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2026年の第6回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、3月5日から開始され、予選ラウンド東京プールは東京ドームにて開催された。
そんな中で、台湾チームが、国旗を掲げられず、国歌が流されない(代わりに台湾国旗歌が流される)のをご存知であろうか?
台湾がスポーツの国際大会に出る際には、一つの制約があります。台湾は中国との国際的関係「一つの中国の原則」により「Chinese Taipei」」名義で出場するしかなく、国旗(青天白日満地紅旗)も掲げられないし、国歌斉唱でも台湾国歌ではなく、「中華民国国旗歌」が流れるのです。
スポーツの世界に国際関係による政治的配慮が行われなければいけない歪で不自然な状況。しかしコレも冷徹な世界の現実を現した何とも切なく悲しい事なのです。
閑話休題
はい、それでは、本の紹介へと参りたいと思います。
本日紹介する作品は、
真山仁さんの『チップス(上・下)ハゲタカ6』です。
いつも通りあらすじ紹介から参りますのでよろしくお願いします。
【あらすじ】
ハゲタカと呼ばれる投資ファンドの雄「サムライキャピタル」代表の鷲津政彦は、病床に伏す恩人の堀嘉彦から呼び出され「最後にどうしても聞いて欲しい頼みがある。台湾の旧友の会社を救って欲しい」と懇願され、依頼を引き受けた。
しかし、救済を頼まれた台湾の会社は、世界トップの半導体メーカーだった。
「救う必要もないはずの業界の巨人」に何の助けがいるのか?
人生の師匠である堀が、何故この会社の救済を鷲津に託したのか?
鷲津は情報を収集し始めるのだが・・・
【解説】
①本作の著者は真山仁さん。
本作の著者は真山仁さん。1962年大阪府堺市生まれの63歳。
小学校6年の時「世の中を変えるには・・」「たった一人の人間が社会に向けて『世の中がおかしい』と物申せる職業は何か?」と考えた結果、小説家になる事を志す。
以後、小説家になるため、3日に1冊のペースで小説を読みあさり、高校時代には原稿用紙550枚の作品を江戸川乱歩賞に応募するなどした。
同志社大学政治学科卒。
1987年、読売新聞中部支社に入社、岐阜支局記者として勤務。
1990年退職しフリーライターになる。
2003年、『連鎖破綻 ダブルギアリング』で作家デビュー。
2004年、ハゲタカファンドを題材にした経済小説『ハゲタカ』を発表。
2007年、NHKにて『ハゲタカ』がTVドラマ化。
2018年、テレビ朝日で『ハゲタカ』が再ドラマ化。
2019年、テレビ東京で『ハゲタカ』のスピンオフドラマが放送された。
【代表作】
・ハゲタカ
・富永検事「権力と正義」シリーズ
・『そして、星の輝く夜がくる』他震災三部作
②小説『ハゲタカ』とは?
『ハゲタカ』は、真山仁さん著作の「経済小説」シリーズの事。
物語は、経営的に弱った企業の株を投資目的で買い漁る「ハゲタカ」と呼ばれる「投資ファンド」代表の主人公が、旧態依然の経営により世界経済の潮流から外れ没落していく日本の企業の株を買い占め、「物を言う株主」として企業の再生を行うというストーリー。
主人公は、鷲津政彦。「ハゲタカ」と呼ばれる「投資ファンド」代表で、旧態依然とした日本経済システムや慣習を嫌悪し、高度経済成長以降世界経済の潮流から外れ没落していく日本経済の浮揚と買収した企業の立て直し(スクラップ・アンド・ビルド)を行う、世の中の動きを俯瞰的立場で見る事ができる冷静沈着な策士。
一巻『ハゲタカ』と二巻『ハゲタカⅡ』の舞台は、バブル崩壊後の日本。不良債権処理に苦しむ大手都市銀行や債務超過していた大手菓子メーカー、大手繊維メーカー、大手電気メーカーを相手に、企業買収、経営再建を仕掛けていく。
三巻『レッドゾーン』は、日本最大の自動車メーカー。四巻『ハゲタカIV グリード』では、米国の超巨大な老舗企業。五巻『シンドローム』では震災後にダメージを負った電力会社が相手の買収劇が展開。
他にもスピンオフ作品として『ハゲタカ4.5』『ハゲタカ2.5』があります。
また作品は、NHK、テレビ朝日、テレビ東京でTVドラマが作成放送され、
東宝配給で映画化もされています。
【感想】
真山仁の『ハゲタカ』が、8年ぶりに帰ってきた!
前巻の『シンドローム』が、ハゲタカと呼ばれ忌み嫌われる主人公が代表を務める投資ファンド『サムライキャピタル』が買収を仕掛けたのが、震災による津波で事故った電力会社だった。フィクションではあるが、物語のモデルは、3.11の震災により事故を引き起こした東京電力であり、震災後の電力会社上層部や政府の対応の誤りなどを揶揄する社会風刺的な側面もあった。
そして、今回のテーマは『台湾有事』である。
昨今、経済成長著しい中国が軍事力を拡大し続け、米国と世界の覇権を争っているのはご承知の事だと思う。そして強大になった中国は、太平洋方面において日本を含む周辺アジア諸国と領土領海の拡大を伴う紛争を仕掛けてきた。その中でも近年一番注目されるのが「一つの中国」を理由に行われる可能性が囁かれる「台湾への侵攻(台湾有事)」がある。
「台湾侵攻」は、政治的に中国の長年の悲願であり、中国本土至近に「西側陣営」の敵対勢力の国土があるという地政学的不利な状況の解消。そして台湾は、世界の半導体受託製造(ファウンドリ)市場で約7割のシェアを握り、特にAIや先端ロジック半導体(7nm未満)では9割超を占める世界最大の生産拠点であるココを抑える事で事実上世界経済と軍事覇権を握れると言っても過言でない。
「ハゲタカ」においては、各巻のテーマに基づいて実在の企業をモデルとした架空の企業が登場するのが特徴なのだが、今巻に登場する世界最大の半導体受託製造企業のモデルと言うのが、半導体市場のシェア70%超え、 7ナノメートル未満の最先端ロジック半導体ではシェアは9割という「TSMC」という企業です。
そのTSMCを模した架空企業を手中に収めたいと狙う、中国政府と米国政府が、創業者で会長の死をきっかけに、あの手この手で狙ってくるというお話。
そこを主人公で企業の乗っ取り屋(※乗っ取った企業を再生し価値を上げる行為を行う企業再生屋でもある)の鷲津政彦が、強大な敵を相手に巨大な半導体企業を護る為に暗躍するという話の流れです。
今巻の面白みは、普段企業を乗っ取っているハゲタカ投資ファンドの代表の鷲津が、企業を護る為に尽力するという点。
半導体企業の幹部側からすると、「ハゲタカ」と恐れられる悪名高い得体の知らない投資ファンドが突然「あなたの企業を救いたい」と言い近寄って来ても、信用できるわけがない。不信感バチバチの相手の懐に、鷲津がどう切り込んでいくのか?というのが、注目点で物語の面白みです。
また、その巨大半導体企業を救う過程で、登場するのが日本の半導体製造の現状と問題点。かつて半導体製造で世界のトップクラスだった日本がどうして凋落してしまったのか?そして今現在も浮き上がれない理由が指摘されています。
ココらへんも著者がこの「ハゲタカ」という作品群で突きつける「勇気を持って日本の国が抱える問題を正視しよう」という訴えにほかならないと思います。
そんな、世界情勢と日本の現状を優しく紐解いて描く経済小説の傑作!「ハゲタカ」シリーズの最新巻。上下2巻作品で文量がありますが、直ぐ夢中にされて、あっという間に読み終えると思いますよ。お薦めです。
ということで本日はここまで!じゃあまたね!
※当ブログ記事には、pintaさん、scene5さん、プリプラさんのイラスト素材がイラストACを通じて提供されています。










