大統領選挙討論会でバイデン大統領はほぼ失墜した。これを契機にアメリカのJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)やバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のブライアン・モイニハンCEOなど金融界の大物たちや政界のリーダー達や実力者がこぞってトランプの周りに続々と集まり始めている。

 

現時点からトランプ政権への移行がすでにはじまったかのようである。バイデン現大統領への不満、今の時点からトランプ次期政権の政策課題に食い込んでおきたいという狙いだ。2021年1月の連邦議会議事堂でのトランプ支持者の暴動後にトランプから距離を置いていた多くの人が再びトランプ支持に回り始め、「潮の目」がかわった。

 

そこで問題となるのが副大統領候補である。トランプは現在、78歳であるが4年後に二期目の大統領任期が終わるときには82歳となる。そこで、

重要になるのが適切にトランプを補佐し、大統領が倒れた際には大統領となる副大統領である。現在名前があがっているのは、ティム・スコット上院議員(サウスカロライナ州)マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)J.D.バンス上院議員(オハイオ州)、ノースダコタ州のダグ・バーガム知事も副大統領候補に挙がっている。その他、元ベンチャーキャピタリストのバンスも最近シリコンバレーで話題になっている。

 

その他、ヘッジファンドを運用するジョン・ポールソンや投資家のスコット・ベッセントの名前が財務長官候補として浮上している。さらに、テスラCEOでありXのオーナーのイーロン・マスクもトランプは顧問役として入閣するのではとささやかれ散る。

 

 トランプ氏はまた、最近までトランプの選挙活動への献金者を取り戻している。その中には、富豪のミリアム・アデルソン氏がいる。アデルソンがいてはトランプ氏を支援する特別政治活動委員会(スーパーPAC)に資金を提供する予定だ。

 

これまで、金融業界(銀行や投資会社、保険会社)からトランプの選挙活動や外部団体に渡った献金は5600万ドル(約88億円)以上に上る。一方、バイデン氏側への献金額は約4000万ドルにとどまる。その結果、

2024年4月末にトランプ9310万ドル、バイデン1億9200万ドルだったのが、トランプが次第に追い上げ、4月の調達額はトランプ7600万ドル、バイデン5100万ドルでとなった。5月末時点ではトランプ1億1600万ドル、バイデン2億1200万ドルとバイデンを徐々に追い上げてきている。

 

今後は、ますます勢いを増すだろうトランプの一挙手一動から目が離せない。