今年の世界情勢 | 気力・体力・原子力 そして 政治経済

気力・体力・原子力 そして 政治経済

原子力と経済についてはうるさいですよ!
 (旧有閑爺いのブログ)

 今年の世界は、経済的な面からも軍事的な面からも一波乱あるいは大波乱がありそうな気がします。

 まずは中国情勢でしょう。

 中国経済はこれまで不動産(主として用地造成・家屋建設)と輸出を両輪に成長していましたが、最近は不動産に大きなほころびが生じ、家屋の不良在庫が大量に出ているようです。
 家屋建設は日本では実需用なのですが、中国では投機の対象とされてから久しくなっており、実需として売れることなく在庫となっている(売れたように見えても値上がり待ち)のが実態でしょう。
 ご存知のように在庫投資は、その時はGDPに仮計上の形でプラスされますが、在庫の最終的な処分値でGDPの修正が行われます。例えば、投資額より安値でしか売れなければ、その分マイナスされます。中国で正確にこのことをGDP統計に反映させているかどうかは大変怪しいのですが、実態はもうすでにマイナス成長になっているのではないかと、私はにらんでいます。

 すなわち、中国の実経済は破綻しており、今年はそのことが隠せなくなる年になるのではないかと考えられるわけです。

 次は台湾侵攻はあるか? です。

 中国共産党が次の3点にどう対応するかで軍事的な動向が読み取れるかもしれないと私は考えています。
 ①北京オリンピックの政治利用
 中国共産党はオリンピックを政治的に徹底的に利用します。
 国威発揚が出来た、人民は中国共産党の指導に従う、中国共産党がそう考えるならそのことを台湾侵攻の足掛かりとするでしょう。
 ②EUや米国あるいは日本の平和願望の利用
 かつてヒトラーは英国や欧州の人たちの平和願望(つまりは厭戦気分)を巧みに利用して再軍備を果たし、ラインラントに兵を入れ、ポーランド侵攻から第二次大戦へとつながっていきました。
 中国共産党は敵対勢力が平和願望に蝕まれていると判断したなら、ヒトラーがかつてやったように、遠慮なく台湾侵攻に手を染めるでしょう。
 ③米国の経済変調、中間選挙の結果
 バイデンの経済政策はスタグフレーションとなる可能性が大きく、その機を捉えて攻勢に出ることは十分に考えられる。
 また、中間選挙で民主党が少数派になることも考えられ、大統領の政治力が弱まれば、それを好機と捉えて侵攻を始めるかもしれません。

 一方、米国の情勢も多難なものがあります。

 まずは上記に述べたように経済政策です。バイデンの経済政策の失敗で、原油の高騰をはじめとして諸物価の上昇が著しく、経済成長を伴わない大幅なインフレが起きているようです。
 そうした状況を伝える記事が下記にYouTubeにアップされていました。一方的な見方かもしれませんが、話半分としても非常に悪い情勢です。 米国の経済変調はそっくり世界の経済変調となりますので、注意が必要です。

 さらに、中間選挙で民主党が敗北し、共和党が議会の多数を占める情勢となっています。そうなれば議会はねじれが起こり、バイデンは2年で「死に体」となってしまいます。
 今のバイデンの支持率を見れば、十分に起こり得ることであり、そうなれば内政に滞りが生じて全体として内向きになるかもしれません。
 米国は経済力の衰退から、世界を牛耳るだけのパワーに欠けつつあることに加えて、内に向かわざるを得ないこととなれば、影響力はさらに弱まります。このことは混乱要素であり、中国との対峙に支障をきたすこととなるでしょう。

 ということで、米国と中国の対立が世界情勢の波乱となりそうであり、コロナパンデミックとは比較にならないぐらいのことが起きることも想定しておかねばならないでしょう。