2025.03.25@Luxsor⇄Valley of the Kings🇪🇬
「日本人ですか??」
宿の階段を降りた先にいた若い女性に僕は気付けばこう聞いていた。
エジプトには、犬も歩けば棒になんとやらレベルで日本人がいた。
思えば、これまで僕がこの旅で訪れた18ヶ国の中に観光客に人気の国というのはあまり無かった。
旅に出る前、世界一周中は日本人とはあんまり関わりたくないなと思っていた僕はどこへやら、やはり日本語で話せるというのは、あまりにも楽しい。
そんな風にして知り合った彼女と僕は、ナイル川を渡った先にある王家の谷と呼ばれる場所にレンタサイクルで向かっていた。
「ブログで見た情報によるとレンタサイクルは500ポンド(1,500円)かかるらしいですよ。」
と彼女は言ったが、僕は持ち前の交渉術で100ポンドまで下げさせることに成功していた。
10円単位で必死に値切りをおこなうアラサーを前に、彼女が浮かべたのは羨望と尊敬の眼差しだったろうか、軽蔑の眼差しだったろうか、それは僕にも分からない。
自転車を漕ぎ始めた時、久方ぶりの風を切る感覚に僕は大興奮し、
「最高やな!!チャリでアフリカ縦断するのもありやな!!」
と叫んだが、ものの二十分後には
「アツすぎ、しんどすぎ。アフリカ縦断なんて絶対無理。」
と早々に弱音を吐くことになる。
そんなアラサーの姿を見て彼女が浮かべたのは、なんて的確な情報判断ができる人なのという羨望と尊敬の眼差しだったか、なんて情けない人なのという軽蔑の眼差しだったか、これは火を見るより明らかだろう。
