2024.10.05@Gorak Shep→Kala Patthar🇳🇵


昨日、カラパタールとエベレストベースキャンプの二つのミッションを同日中に達成した僕は、エベレストからのご来光を拝むべく、もう一度カラパタールを目指す。

日が昇るのは5時半だと言うことで、3時半に起床し、あらゆる防寒具を着込んで寒空の下へ飛び出す。

満点の星空の下、見覚えのある道を登ってゆくと5時前頃に空はゆっくりと明るみ始め、ヒマラヤに朝がもたらされ始める。


ちょうど5時半頃、再びカラパタールの地に辿り着くと、背後の山々は少しずつ気持ち良さげに日光浴を始めているが、目の前のエベレストからはまだまだ日が昇る気配はない。


前日、雪と泥の入り混じるルートを一日中歩いていたせいで僕の靴はすっかり水浸しになっており、足の指先は千切れんばかりに冷え切っていた。心配性の僕は、このまま靴を履いたままでは凍傷になってしまうのではないかと案じ、靴を脱ぎ手袋を足に被せ、さらにバックパックに足を突っ込むという方法で日が昇るのをひたすら待った。


それから30分待てど日が昇る気配は無く、周りのツアー客はもはや多くが下山していく。

周囲は多くの場所が明るくなっている中、カラパタールだけがまだ影の中にいる。

寒さのあまり、いつまで経っても日が昇らないことに苛立ちを覚えた僕は、「エベレスト邪魔やねん、頼むからそこどいてくれ」とすら思い始める始末。


足先の寒さが限界を迎え、最早これまでか…と下山の準備を整えようとしたその時、エベレストとローツェという2つの8,000m峰を結ぶ稜線サウスコルから溢れんばかりの光とともにようやく太陽がこちらに顔を出す。

頂上についてからちょうど1時間、6時39分のことだった。

よっしゃーと喜びを爆発させた僕は、数少ない居残り組であったシェルパ族のガイドからコングラッチュレーションと何に向けたか分からない祝いの言葉をもらうのだった。