2024.09.08@Agra🇮🇳


集合場所に彼女は颯爽とバイクで現れた。プロフィールの写真通り可愛らしい、しかし親しみやすい顔をしていた。ボリウッド女優で例えるならKriti Kharbandaといったところだろうか。

乗って、とだけ頼もしく言う彼女の後ろに乗り込む。クラクションの鳴り響く中、バイクの前後で大声で自己紹介をし合うというエキセントリックなデートの始まりだった。何とか聞き取れた彼女の名前はディヴィア、25歳で小学校の先生をしているという。


たどり着いたのは小綺麗なカフェ。僕がこれを食べたいと言うと、さっと注文からお会計まで済ませてしまう。僕はジャパニーズジェントリズムをもってインド人女性をもてなしてみせると息巻いていたのだが、どうやらインド人ジェントルウーマンの方が一枚も二枚も上手である。彼女はよく笑い、よく笑わせる子で他愛もない会話で盛り上がった。


次は何をしたい?と聞くと「インド人のファッションはどう思う?私あなたに服を選んで欲しいの」と言う。なるほど僕のプロフィール写真を見て、日本人のファッションセンスに感服したようである。 

実物はというと”横浜トライアスロン”とデカデカと書かれたTシャツに短パン、スリッパという格好だったのだが。

ちなみにこのTシャツは大学時代アルバイトをした際に貰っただけのものだったが、彼女に「トライアスロンって何?」と聞かれた際には「ラン、自転車、水泳の3つをもって争う究極の体力勝負だよ。要は鉄人のスポーツだね。(In short, sports for a ironman)」と答えておいた。自分が参加したとは一言も言っていないので、ジェントルマンルールには抵触していない。彼女が僕のことを鉄人だと思い込んだとしても、それは彼女の早とちりというものである。


*横浜トライアスロンTシャツ