入会面談。

 

面談とはいうものの、テストもする。

 

別に、入会可否を決めるためのテストじゃない。

 

公文の教材の、何年生相当から学習を始めるかを判断するためのテスト。

 

一応、1年生には1年生の、2年生には2年生のテストをする。

 

いや、ちがうな。

 

一応、1年生相当のテストはあるし、2年生相当のテストもあるのだけど。

 

テストであんまり大変な思いをされると困る。

 

屈辱的な気持ちになってもらいたいわけでもない。

 

まあまあできる。

 

完璧すぎではない。

 

満点取れるけど時間がちょっとかかるとか。

 

まあまあ良いスピードでできるけど、正答率は90%くらいになるかなとか。

 

そのぐらいの「ちょうど」なテストを選んで受けてもらう。

 

だから、まずは面談の最初に、学校の勉強はどれくらいできるか親に聞いたり、お子さん本人の受け答えを見て頭の良さを推し量ったり。

 

ああ、こんな感じの子ならわからなければ飛ばすだろうとか、この子は真面目で繊細そうだから比較的できそうなテストを選んでおこうとか。

 

そういう事は考えてます。

 

そして、結構いい点数ですね、って。

 

親はそれを聞いて安心する。

 

生徒さんも誇らしくなる。

 

そういう時間を作ってやる。

 

このあたりはスラスラできてましたけど、このあたりで少し考えてる時間があったので、正答率は高いけどこのあたりをもっとスラスラできるようになるように、まずはこのへんから始めようと思います。

 

そういう話をする。

 

言葉選びは慎重に。


褒める言葉は大きく大胆に。


指摘は気軽にそれとなく。

 

生徒さんが傷つかないように。

 

そういえば、言葉選びといえば、外国人の親と面談するときとかは、特に難しいのがオノマトペの使い方。

 

どうしても私達は、わかり易く簡単な言葉で伝えようと思うと

 

「スラスラできてたので、ドンドン進むと思います。サラっとっ進みすぎないように、場合によってはジックリやることもあります」

 

なんて。

 

これが、外国人には難しい。

 

「簡単そうに見えたので、速いスピードで進むと思います。練習が足りないっていうことにならないように、場合によっては何回か復習します」

 

こう言う方が圧倒的に伝わる。

 

そういうところも、気も頭も遣う。

 

 

 

それから、教材の説明。

 

公文の算数とか国語の教材を使って、どういう考え方で指導していくのか、スモールステップの教材であることや、それをしっかり考えながら提供して行く話をする。

 

簡単すぎない、難しすぎない、ちょうどの教材。

 

こういうケースはこう、ああいうケースはこう。

 

質問があれば何でも答えるし、納得行くまで教材を見てもらう。

 

公文は半年くらいやっても意味ないです。

 

2年くらいやると、学校よりも先をやってるな、っていうことになります。

 

3年くらいやると、3年くらい先のことをやってるなっていう状態になると思います。

 

継続するために何が必要なのかを、保護者様は考えてください。

 

大変すぎるなと思ったら言ってもらえればすぐに簡単なところに戻したり、教材を減らしたり、丁寧に指導したり、対策を考えます。

 

そういう話を、他の保護者とのLINEのやり取りなんかを見てもらったりしながら説明する。

 

 

 

それからKUMON CONNECTを使うメリットとか、曜日をどうするかとか、学校が早く終わった日はどうするかとか。

 

とにかく説明することはたくさんあるので、退屈しないように生徒さんにはパズルとか絵本を読んでもらって。

 

保護者様との会話も、一方的な説明にならないように気をつけながらお話をしていく。

 

一方通行で伝えるための面談じゃなくて、ちゃんと理解してもらって、納得してもらうための面談なのだ。

 

お話しましたよね?

 

なんて。

 

聞いたかも知れないけど頭に入りませんでしたってことは絶対にないようにしたいのだ。


そもそも公文は普通の塾じゃない。


公文という生活だし、新しい体験なのだ。


そこを理解いただけるように説明するのは簡単ではない。



 

公文先生の話や公文の歴史の話をすることもある。

 

中国の方だと、言葉を教えるときのエピソードをお話したりもする。

 

例えば、「うま」っていう単語の話。

 

「马(馬、の中国字)」っていう字は今も「ma」って中国では読みますよね、1500年前も大体同じで「mma」だったそうです、それを日本人は「んま」「うま」って思ったから、日本語は「うま」ですけど、もともと中国語です。

 

なんてね。

 

「い」は「以」、「う」は「宇」、「も」は「毛」ですなんていうと、ああなるほどひらがなは漢字ですねって。

 

そういうこともわかりそうな年齢の生徒さんには教えますという話をする。

 

論語や史記が公文の国語教材で話題として取り上げられていることも説明して、日本でエスタブリッシュと言われるひとは中国の歴史や哲学に明るくなきゃいけないんだという話をしたり、場合によっては2,3、有名な漢詩や漢文のフレーズを白文で書いてみせたりすると、みんな感心してくれる。

 

なんでもいいのだ。

 

学而時習之でもいいし、国破山河在でもいいし、力抜山兮気蓋世でもいいし。

 

楚の覇王項羽や諸葛亮や岳飛のことを知ってるみたいな話をすることもある。

 

大体、日本語で言ってももちろん伝わらないのでこの辺は半分筆談みたいになるけど。

 

 

 

日本まで来て、子供にも日本語を勉強させなきゃって思ってる保護者が、私の教室で中国に出会う。

 

そうか、日本は中国の文化圏で、日本語を学ぶこと、日本で国語を学ぶことは、決して中国を捨てることではなくて、実は祖国のことを学ぶことにも繋がっているのだということに気づいてもらう。

 

先述の通り、日本のエスタブリッシュは漢籍にもある程度明るいわけだけど、本当に日本の子供たちにもそうあってほしい、と、そういう思いで国語教育をやっているのだということも、中国人にはこういう形で伝わったりする。

 

 

 

うちの教室の面談は、まあ、最低でも1時間ちょっと。

 

平均したら1時間半以上はかかる。

 

先日もそういう感じの面談を中国から来た保護者様として、とりあえず生徒さんにはお試し的に通ってもらうことになった。

 

面談が終わって、夜になってLINEで簡単な議事録を送って。

 

そしたら、保護者様から返信が帰ってきた。

 

 

 

「今日楽しかったです。ありがとうございました。」

 

 

 

ん。

 

なんか、これはうれしいな。

 

お子さんが今まで頑張ってきていること、今どんなに優秀なのかということ、これからどう成長していくのかということ。

 

そして、私の教室がどういう思いで運営されているのかということ、保護者様とどう協力していきたいのかということ。

 

そういうことを活き活きとお伝えできた


つまり、これから起こる「くもんという体験」をちゃんと伝えられたからこそ、こういう感想をいただけたのだと思うのだ。

 

 

なんか、うれしいな。(語彙力ないな)

 

以上です。