こんなWeb記事が出ていたので、採用支援系の仕事をしていたときの話を。
これはね、、まあ正直どっちもどっちというか。
実は、採用でWebテストの結果を真面目に見てる会社ってそんなに多くなくて。
なぜならテストの結果自体で別にそんなに大きな差は出ないし、Webテストをするほどたくさん応募してくる会社だと、Webテストの結果で優秀な人だけ集めようと思っても全然そんなのは無理なので。
よほどひどい点数じゃなければ、大した問題にはならない。
0点とか極端に低い点数を取るようなやつはそもそもやる気がない、舐めてるやつなのでもちろん落とす。
けどまあ、みんながみんな満点を取れるわけじゃないことは採用側もわかっているわけで。
そんなことよりも、Webテストにはもっともっと大事な役割がある。
このWebテストっていうのは実はもっと闇が深い。
それは、このWebテストが「落とした理由をごまかす」ためのツールであるということ。
どういうことか。
会社によって落とす理由は本当にいろいろなんだけど、例えば金融機関であれば本人の借金の経験はもちろん、親兄弟の破産の状況や借金の状況まで調べてたりすることは結構あるのだけど、もちろんそんなことは表には出せない。
あるいは、会社によっては特定の宗教の人材を拒否している会社もあれば、逆に特定の宗教の人を優遇する会社もあるし。
親とか祖父母に外国籍の人がいるとだめという採用もある。
もちろんもっと単純に性別とか出身地とか、あとは出身大学とか、そういうもので落とすこともある。
これらは、全部外には説明できない「NG理由」。
応募書類だけで、あるいは応募書類と面接だけで落とすと、落ちた理由がそれしかなくない?ってなることがある。
それでやるのが、学力テストと適性テスト。
それも、Webテストなら会場費もかからないし係員も要らない。
監視する必要もない。
なぜなら、成績に大した意味はないから。
だから、採用のWebテストの結果とか点数とかって基本的に本人にも開示しない。
そういうこと。
この件についてカンニングがずるいとか有償で解答集が出回ってるのはどうなんだとか、不正の温床にとか、企業側は気づいてるのかとか、そういうことが記事内でもコメントでも溢れているんだけど。
なんというか、あんまりピンとこないというか。
芯を食ってない話だなと思う。
ただまあ、成績がいいと面接でも「頭良さそうだな」と思われて面接されるので、ずるしてるとなんか面接がちぐはぐになったりするし、ちゃんと実力でいい点数を取っていれば面接でもその頭の良さを確認してもらえる(面接官にそれだけの頭があれば)ので、その後の選考ではやっぱり実力でいい点数を取れる人は有利になることはあるのだけど。
そもそも、採用する側というのは、必ずしも優秀な人がほしいわけじゃない。
大手に入るような子たちが必ずしも「優秀」なわけじゃないし。
本当に優秀な人材は、大手の企業からはあんまり求められていなかったりもする。
「こういう人がほしい」というのはあるかもしれないけど、全部の枠を同じような人材で埋めるわけでもない。
なのに、大手であれば大手であるほど「公正な採用」を行っているような顔をしていることが社会から求められたりもする。
そういうのをWebテストを一回実施することでやってる風に見せられるわけ。
いずれにせよ、採用側には採用側の都合というものがあるのです。
