“而も(しかも)彼女たちはそれで名を得ようとしたのではありません。
いい品を作ることに満足があったのです。
芭蕉布はどんなに美しく出来ていても、どこにも名は記してありません。
名を出すために作るのでもなく又名がなければ値打ちの出ないものでもありません。
始めから名を出す必要のない品物です。
それは大勢の人達の日々の役に立てばよいのです。
― 略 ―
何か優れたものと云ふと、すぐ作り手の名を尋ねるのは個人主義時代が酵した(かもした?)風習に過ぎません。
ですが優れた人でなくば、美しいものは生めないとか、個性が出ずば、美に深さはないとか云ふやうな判断は、片方のみを見た見方です。
この世には名もない人から沢山美しいものが生まれているのです。
名を出さずともすむやうなものでなくば出ない美しささへあるのです。
― 略 ―
個人が努力して良い仕事を産むのを讃美するなら、大勢の無学な女達が平気で美しいものを作り上げることを尚讃美できないでせうか。
私達は誰が作ったか分からない芭蕉布の美しさのその背後に、何か拝みたいもののあるのを感じます。”
柳 宗悦 著 『芭蕉布物語』より
バイトへ行く前の早朝の時間は、大概NHK系列の番組をつけているのですが、ある朝、出勤の準備をしながら観ていたら、ちょっと背中がゾゾゾッと震えるフレーズが出て来ました![]()
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勿論直ぐさま、日に日に老化の一途を辿る我が脳ミソに問いかけても、「はっ![]()
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覚えてる訳ないっしょ
」・・・ごもっとも![]()
本のタイトルを頼りに、ネットで検索してみたら、榕樹書林(ようじゅしょりん―榕樹とはガジュマルのことだそうです
)という所で発行しておりまして、早速注文しました![]()
番組で語られていたのは、多分上記引用した文章だったと思います![]()
(古い時代に書かれている本なので、旧漢字、旧仮名遣いのため、ちょっと読むのに苦戦しましたが・・・笑)
ここ最近の私のテーマとするところなんですね![]()
めっちゃ反応してしまいました![]()
名も無き美しいものたち
誰に見られなくとも
まごころ尽くして生き
そしてひっそりと死んでいく
自分を含め、この世の大半のものたちは、そのような生き方を学ぶために生まれてきたのだと思う
それは、この世に満ちている、もっとも神(宇宙大自然)のみこころに近い在り方なのではないでしょうか
ちなみに芭蕉布は、以前沖縄に旅行した時に、手にとって見る機会がありましたが、本当に美しい織物だと感動した記憶があります![]()
(その当時のお小遣いでは買えなかったのですが)
今朝も、セ○ンのバイトで、トイレ掃除いたしましたが(話が跳んでゴメンナサイ)、汚れていてとても臭かったのですが、綺麗にできる喜びとやり甲斐に満足できました![]()
名も無き者として、生きて死んで行くことに、近頃はありがたさを感じるようになりました![]()
