【詩】「フィレンツェのゴミ」 | 山下晴代の「そして現代思想」

山下晴代の「そして現代思想」

映画、本、世界の話題から、ヤマシタがチョイスして、現代思想的に考えてみます。
そしてときどき、詩を書きます(笑)。

「フィレンツェのゴミ」

フランスのシャルル・ド・ゴール空港のイタリア行きの便が出るゲート近くの売店の書棚で
大いばりは
フィレンツェのガイドブックである
日光を見ずして結構というべからず
的に
ヨーロッパ人に向けたヨーロッパガイド
ここへ行かずしてどこへ行く
さあさ
朝も夜も
お楽しみがいっぱい
なんせメディチ家が支配していた
都市
美術館には
ゴミのように
ありがたい神さまたちの石像が
床下までぎっしり詰まっている
ゴミはゴミで
気取っている
ほら
ダ・ヴィンチが
なにかお宝はないかと
探っている