コロナによる義母の奇怪な行動  | kuminsi-doのブログ:笑って介護

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ショートステから電話があり義父がコロナ陽性で帰って来た。 

もちろん一緒に行っていた義母も一緒だ。 

 

しかし義母は陰性であった。 

 

何処から移った??? 

 

何時も一緒に行動している義両親、義父がコロナなら義母も早かれ遅かれコロナに感染する。 

 

自宅で見るしかない。 

 

その日は二人とも夕食を食べ寝た。 

 

次の日からは義両親の部屋に椅子を持って行きそこで義父のパンツを替え、食事をしてもらい、トイレ以外は部屋から出ないようにと夫と私は願った。 

しかし認知症とは悲しいことに自分が熱がある。コロナにかかっていて具合が悪いことも分からない様である。 

 

朝は2人とも37度はなかった。しかし昼近くなると2人の体温は38度を超えている。 

 

義父はコロナ、義母もこの熱だコロナとなっている。 

 

義父は朝食を食べ、お茶は飲んでいるが流石に寝たきりである。 

しかし義母はとんでもない行動に出た。 

 

身体が温まるように昼をうどんにしようと、私が野菜をキッチンで切り出すと義母がやって来た。 

 

「何かするか」 

義母は自分がコロナにかかっている自覚はない。 

「コロナだから部屋にいて」 

私は義母に言う。 

「なんだ、それは」 

義母は全く理解できていない。 

「今、流行りの風邪」 

私はマスクをしながら答える。 

「それはどういうものだ」 

義母はとぼけているのかのようである。 

「熱が出て、咳が出て具合が悪くなるの、移ると困るの」 

私は必死に答える。 

「わしゃなんともないが、そんなものは関係ないぞ」 

義母は平然と答える。 

「熱があるから」 

私は必死に言い含める。 

「熱なんかないぞ、頭が痛くないで、なんともない」 

義母は正常であることを主張する。 

「計ったらあったの」 

私はキッチンから出て行ってもらうようにやっきになる。 

「なんともないで、いいわね」 

義母はどうにかしてここに居たいようである。 

「いいから部屋に行って!」 

私は訴える。 

「何か手伝うで」 

義母は意に介さない。 

「手伝いはいらないから!」 

私は言い捨てると後ろを向いた。 

「手伝うで、悪いでね」 

義母は理解しない。 

「お願いだから、そばに来ないで、ここはストーブを焚いてないから、寒いから炬燵に居て!」 

私は大きな声を出した。 

「そうか」 

義母は渋々キッチンの戸を閉める。 

自分の部屋を閉める音がした。 

 

この調子だと早かれ遅かれコロナが移りそうだ。 

困ったものだ。 

 

 

「何か手伝うか」 

義母は顔を出した。 

 

え??? 

今部屋に入ったんっじゃないの?? 

 

「手伝いはいりません!」 

私はきっぱりと断った。 

「何か、野菜を採って来るで」 

義母は自分の思いを押し通す。 

「来ないで部屋の炬燵に居て!」 

熱があるのに外に出ないでもらいたい。 

 

義母は渋々キッチンから出て行った。 

 

熱があるのにどうして頑張るんだ??? 

 

 

「何か手伝うか」 

 

え??? 

 

また戻ってきた??? 

 

「手伝いはいりません!」 

私はきっぱりと断った。 

「何か、野菜を採って来るで」 

義母は出て行こうとする。 

「来ないで部屋の炬燵に居て!」 

私が怒る。 

 

義母は渋々キッチンから出て行った。 

 

「何か手伝うか」 

「手伝いはいりません!」 

「何か、野菜を採って来るで」 

「来ないで、部屋の炬燵に居て!」 

「でもな、みんなやらしちゃいけないで」 

「熱があるから!」 

「誰が」 

「おばあちゃん!」 

私は理解しない義母に声を荒げる。 

「わしゃなんともないぞ!」 

義母もイライラし出す。 

「いいからキッチンに来ないで、私が移るから!」 

私はイライラしながら言う。 

「そうかい!」 

義母は怒りながら、キッチンから出て行く。 

 

ビッシ! 

 

自分の部屋の戸を閉めた。 

これで少しは静かになる???? 

 

 

「何か手伝うか」 

 

え??? 

あんなに怒って出て行ったのに覚えていない。 

 

「手伝いはいりません! 来ないでいいので部屋の炬燵に居て!」 

私は怒ってキッチンの戸を閉める。 

「そうかい!」 

義母は怒る。 

 

ビッシ! 

 

自分の部屋の戸を閉めた。 

今度こそはいいだろう。 

 

 

「何か手伝うか」 

え???? 

 

記憶が秒速で消えている。 

あんなに怒っても記憶に残らないのか??? 

熱の為??? 

 

「手伝いはいりません!来ないでいいので部屋の炬燵に居て!」 

私は怒りキッチンの戸を閉める 

 

「そうかい!」 

義母は怒る。 

 

ビッシ! 

 

自分の部屋の戸を閉めた。 

 

 

やっとうどんが出来上がる。 

 

「何か手伝うか」 

義母は顔を出す。 

「今うどんが出来たから、部屋の戸を開けて」 

私は2人のうどんをお盆に乗せて義母の方に行く。 

 

「わー旨そうだ、久しぶりだな、うどんは、とうちゃんうどんだよ」 

義母は嬉しそうに大声を上げる。 

 

「台を出して」 

私が炬燵台を出すように義母に指示をする。 

 

「旨そうだ」 

義母は炬燵台を出しながら義夫をたたき起こす。 

「おお」 

義父は義母にたたき起こされるが起きる気配はない。 

 

「おじいちゃんパンツを替えるから起きて」 

私はうどんを台の上に置くと義父に声を掛ける。 

 

「おお」 

義父は起きる気配はない。 

 

椅子を持って行く。 

「ここに立って」 

私が頼むが義父は起きる気配はない。 

 

「パンツを替えないとうどんが食べられないよ」 

この言葉に義父は動き出す。 

 

「おら起きれないだ」 

義父は横になったまま起き上がろうとしないで、まるで亀が仰向けになったように手足をバタバタさせているのである。 

 

「起きれねえだ、俺は駄目になったで」 

得意の涙声で訴える。 

 

私は義父の背後に回り義父をうつ伏せにする。 

 

義父は慌てて両手を畳について体を起こす。 

 

なんのことは無い義父は起きれるのである。 

 

「椅子につかまって立って」 

私はさらに指示をする。 

「おら立てねえだ」 

義父は更に涙声で訴える。 

「椅子につかまって立って、ご飯が食べれないよ!」 

私は義父を叱る 

「立てねえだ」 

義父は動こうとしない。 

「おばあちゃん、立つように言ってよ」 

私は義母に助けを求める。 

「・・・・」 

義母は炬燵の前でしゃがみ込んでボーと義父を見ている。 

 

「ほら立って!」 

「おら駄目だ」 

「ダメでいいから立って」 

義父を叱りしながら立たせる。 

「おばあちゃんんも、声を掛けて」 

「・・・・・」 

義母は無言である。 

やっぱり熱があるよな、おかしいわ。 

 

どうにかやっと義父のパンツを替えた。                 

 

「2人ともうどん食べてね」 

私が固まっている義母に声を掛ける。 

 

「姉さんもいっしょに食べましょや」 

うつむいていた義母は顔を上げる。 

 

「移るから、食べません。2人で食べて」 

私は再度言い置いた。 

 

「姉さんも一緒に食べれば旨いに」 

義母は言いながらうどんをすすり始める。 

 

全く、コロナで熱がある事の自覚のない義母を、どうやってこれから見て行くのだろう。 

 

それでも食欲はあるんだよな~