今後どうなる? | kuminsi-doのブログ:笑って介護

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「4時か。こんなに昼が遅く成っただな」 

義母はデイサービスの車から降り、キッチンに入って来る。 

「おお。遅く成っただな」 

義父も入って来る。 

 

昼って??? 

 

「夕飯には早いから、部屋に行く?」 

私は夕飯であることを強調する。 

 

「昼を食べてないで、腹が空いていけねえで、食べるでね」 

義母はキッチンに入るや否や菓子鉢の入っている棚を開け、お菓子をあさりだす。 

 

昼を食べてない??? 

 

「お医者様で食べて来たでしょ」 

私が聞く。 

 

「貰わねえわね。とうちゃん」 

義母は平然と答える。 

「おお。そうだ貰わね」 

義父も平然と答える。 

 

驚きである。 

今、デイサービスの車から降りたばかりで、昼を貰ってないと言い張る。 

 

「だって昼が出たでしょ」 

私は再度尋ねる。 

 

「いや、貰わねえ」 

義父は食卓の自分のいつもの席に着き、ご飯を食べる気満々である。 

「腹が減ったで、昼をくれや」 

義父は昼食を催促する。 

 

私がおかずと味噌汁を用意し、ご飯を盛る。 

「おらそんなにいらね、少しにしてくれや」 

義父は訴える。 

 

「やっぱり食べて来たからお腹が空いてないんでしょ」 

私が義父に意見をする。 

 

「そんなこたあねえだ、ご飯なんか貰わねえ、昼は食ってねえで、腹が空いてるだ」 

義母が代わりに返事をする。 

 

「おばあちゃんはこれぐらい?」 

私は義母に山盛りのご飯を盛って見せる。 

 

「ああ。そんなもんでいいわ」 

義母は受け取ると嬉しそうに食べ始める。 

 

「お母さん、悪かったな、4時まで昼を待たせちゃって」 

義母はにこやかに言う。 

 

どうしても昼食になってしまうらしい。 

 

「昼のご飯じゃないよ、夕飯だよ」 

私が説明する。 

 

「遅い昼になって申し訳ない」 

義母はどうしても昼と思っている。 

 

「おじいちゃん、昼じゃなく、夕飯を食べているからね」 

私は義父に向かって訴える。 

 

義父は聞いていないのか、顔色を変えず、黙々と食べる。 

 

義母にも訴える。 

「おばあちゃん、夕飯だよ、夕飯」 

 

「4時なのにか」 

義母は4時を昼として疑わない。 

 

「二人とも、夕飯だよ、夕飯ね」 

私は、夕飯を強調した。 

 

「お母さん、悪いな。昼を4時まで待っていてくれて」 

義母は全く理解しない。 

 

義父は食事が終わり出て行く。 

 

 

それから2時間後、私が下に行くとなんと、義父が食事をしているのである。 

 

「何してるの?」 

私が聞く。 

「おら、夕飯食ってないで食べてるだ」 

義父は平然と答える。 

 

食卓の上には、家族分の箸とご飯茶碗とお味噌汁のお椀が並んでいる。 

 

「これから、誰がご飯を食べるの?」 

私が聞く。 

 

「とうちゃんが夕飯を食べてねえもんで食べてるだ」 

義母は澄まして言う。 

 

「おばあちゃんも食べるの?」 

私は義母に聞く。 

 

「わしゃ、食べん」 

義母は私の追求がただ事ではないと察したらしい。 

 

「それでもな、ご飯は少しでいいだぞ、夕飯を食べてねえもんで、食べればいいで」 

義父は平然と先ほどの夕飯のおかずを突っつきながら言う。 

 

「食べてもいいけれど、今食べればウンチが出るよ夜中に、誰が見るの」 

私は義夫が食べ過ぎると直ぐに下痢になることが分かっているので訴える。 

 

知らん顔をして義父は夕食を食べる。 

 

私は明日のご飯の仕掛けをする為に、お米を研ぎ、お釜を仕掛ける。 

 

「とうちゃん、もう朝ごはんは終わったで、誰も食べねえで、お釜の電源を切ってくれや」 

義母が義父に指示を出す。 

 

???? 

 

「今、夜ですけれど」 

私が義母に言う。 

 

「今6時だろ。朝だわね」 

義母は何の疑いもなく言う。 

 

え??? 

 

「おばあちゃん、外を見て真っ暗でしょ」 

私は義母に窓の外を見せる 

 

 

「朝じゃないだか」 

「そう、明日の朝のご飯を仕掛けたから、触らないよ」 

私はそう言い置くと二階に行った。 

 

 

夜9時すぎに私がトイレに行くと義父はすでにトイレに座っていた。 

 

「これをどうすりゃいいだ?」 

義父は私を見ると訴えだした。 

 

ウンチまみれのパンツを目の前に呆然としえいる。 

 

「スリッパを脱いで、ズボンを脱いで」 

私が指示を出す。 

 

「どうすりゃいいだな~」 

義父のお得意の涙声を出し、ただただ座ってウンチを眺めている。 

 

「だから、脱いで」 

私が再度促す、動く気配はない。 

 

スリッパを脱がせ、靴下、ズボン、ズボン下を脱がせ、ウンチまみれのパンツを最後に脱がせる。 

 

「おら、ダメになっただ」 

義父お得意の涙声を上げる。 

「分かってるから」 

私は平然と答える。 

「どうしてこんなになっただ」 

「夕飯を食べてないって言って、さっき食べるから、食べ過ぎで出たんでしょ」 

「どうしてかな」 

「自分がいけないんでしょ」 

「どうすりゃいいだ」 

「立ってパンツを替えるから」 

 

そこで義父はおとなしく立ったはいいが、なぜか自分のスリッパを探し履き始める。 

「スリッパは履かないよ」 

「おお」 

自分のスリッパを履くのを辞める。 

 

今度はトイレのスリッパを履こうとする。 

「そのスリッパも履かない」 

「おお」 

トイレのスリッパは脱いだが、今度は自分のスリッパを履こうとする。 

 

「履かない!」 

私は強く訴える。 

 

義父はトイレから出て来た。 

お尻をふき新しいパンツを履かせ、ズボン下、ズボンを履かせる。 

 

 

「これでいいから、部屋で寝て」 

「おお」 

しかし義父は再度トイレに入ろうとする。 

「何処に行くの、寝る部屋でしょ」 

私が義父をトイレから離れるように促す。

「おお」 

義父は今度は出口に向かったかと思うと、その出口の戸を閉め、またトイレに入りに行く。 

 

え??? 

 

「部屋に行って」 

私は戸を開け義父を連れて部屋の中に入れる。 

 

私は再度トイレに戻り義父の汚れたパンツを袋に入れ口を締め、頭を上げる。 

 

え??? 

 

義父が私の後ろに立っているのである。 

 

「部屋で寝て!」 

私は叫び、再度義父を部屋に連れて行く。 

 

私は今度はトイレの壁に着いたウンチを漂白剤を吹きかけふき取る。 

 

え??? 

 

義父がまた戻って来ている。 

 

「お父さん、おじいちゃんが寝ないから見て!」 

私は困り果て、階段の下から叫ぶ。 

 

飲んで帰り、寝たばかりの夫が、慌てて二階から降りて来る。 

 

「何やってるだ、部屋で寝るだ!」 

夫は叫びながら義父を寝かせに行く。 

 

 

 

「トシチャ、トシチャ、樽の水があふれてるで止めてくれや」 

義父の声が下から聞こえる。 

 

夫は慌てて下に行く。 

 

「何のことだ」 

夫の声がする。 

 

キッチンの戸を開ける音がする。 

 

「行くなら行ってみてきましょ!」 

夫が叫ぶ。 

 

その後静かになった??? 

 

キッチンの戸が閉まる音がして、夫は二階に帰って来たが間もなく。 

 

「トシチャ、トシチャ、樽の水があふれてるで止めてくれや」 

義父の声が下から聞こえる。 

 

夫は慌てて下に行く。 

 

「何のことだ」 

夫の声がする。 

 

キッチンの戸を開ける音がする。 

 

「行くなら行ってみてきましょ!」 

夫が叫ぶ。 

 

一体何時??? 

4時半だ! 

 

朝起きて、夫に聞くと、義両親2人で、漬物の樽を外の水道に漬けてあって、その水がこぼれて水浸しになると言って騒いでいたらしい。 

 

漬物はまだ食べていて、樽はまだまだ洗うことは無い。 

 

夫は二人の妄想に振り回されたらしい。 

 

介護って大変よね。 

本人が真剣で、何も聞こうとしないからな~ 

 

今のところ家の敷地内で済んでいるが、これが出て行くようなことがあると大変だよ~ 

 

義父はしっかり歩けないが、義母が足がしっかりしているので二人で手を取り合って何処にでも行けそうだもんね~ 

 

これから先が恐ろしいよ~