論文100本ノック #002
■タイトル:
ベテランのプロサッカー選手における現役プレイヤー存続をかけて取り組んだ技能改善
■著者:
田中 奏一, 金高 宏文, 前田 明
■論文の種類:
事例研究
■対象者:
Jリーガー1名(31歳/鹿児島ユナイテッドFC(当時))
■介入内容:
When/2020年1月~12月
1.1/18~12/21
2.1/18~12/21
3.8/11~12/21
Who/著者
What/1.ディフェンス時、サイドのボール保持者への対応の改善
フィジカルの経年劣化に伴うスプリント力の低下による技術的課題
2.オフェンス時に相手の脅威となるパス出しの改善
練習と工夫によって、十分に改善の余地があるため
3.ルーズボール時、空中戦の競り合いの改善
所属チームのベテラン選手から助言を受けたため
Where/試合&練習
How/上記3課題に対して取り組みを行った。
■結果:
1.ディフェンス時、サイドのボール保持者への対応の改善
ディフェンス競り合いの成功率 55.3%→65.9%
ファール数 1.53回/試合→0.48回/試合
イエローカード 0枚
2.オフェンス時に相手の脅威となるパス出しの改善
バイタルエリアへのパス数/試合 0.8本→1.92本
バイタルエリアへのパスの成功率/試合 60.0%→81.1%
3.ルーズボール時、空中戦の競り合いの改善
空中戦の競り合い勝率 45.5%→46.42%(8月)→53.85%(12月)
空中戦の競り合い勝数 3.74→4.05
■結論:
1.相手ボール保持者の内側への持ち出しを予測 して間合いを詰める守備方法は、
スプリント力の低下を補うことができ、最終的には味方選手と連携した守備で対応すること
2.バイタルエリアへのパスは相手選手のポジショニングを動機にパスを出し、
次の展開を想定して恐れることなく配給する必要が あること
3.基本的なヘディングトレーニングの反復は、ベテラン選手となっても効果が期待され、
トレーニング内容は、ベテラン選手から助言を頂くことが有効であること
■自分の感想:
Jリーガーの論文は珍しいので大変興味深く読みました。
タイトルがとても重いです。
結果としてスタッツは改善されているので良いのですが、
企業秘密かもしれませんが、「取り組み」や「分析」ってなんだ?のところが不明確に見えます。
外野に言われたくないとは思いますが、他に協力を得てもう少し色々できたのかな?とも思います。。。
自身としてはメンタルが本筋ですが、
プレーヤーの方がテクニカル視点でここまでパフォーマンスに言及されることが少ないので
取り上げてみました。