論文100本ノック #001 | サッカーとモバイルが好きなコーチくみくみのブログ

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密かな野望は胸サポーターになる、ベンチャーのコーチをして、後ろで「よかったねえ、よかったねえ」と泣きたいです。

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大学を卒業してから、論文を読もう読もうと思って読んでいなかったと思い、

100本ノックをすることにしました。

 

論文100本ノック #001

■タイトル:

東京五輪2020 大会に向けた近代五種競技に対する心理的サポートの効果の検討:

新型コロナウイルス蔓延による東京五輪2020 大会延期の影響
リンク

 

■著者:

小林 玄樹, 来田 宣幸

 

■論文の種類:

実証研究

 

■対象者:

近代五種競技者6名(20代男女各3名)

 

■介入内容:

When/2018年4月~

   ①1,2回/月 60分/回

   ②適宜

   ③通常期:2019年10月 スポーツ活動停止期:2020年4月 スポーツ活動期:2020年10月

Who/メンタルトレーニング指導士

What/①メンタルトレーニング指導

   ②心理的サポート

   ③計測/心理的競技能力診断検査(5因子12尺度)、心理的影響のアンケート
Where/対面&オンライン

How/①高妻(2014)の8つの心理的スキル

   1.目標設定

    デシ&ライアンの自己決定理論、3つの目標タイプ、SMARTS、高妻(2014)の目標設定プログラム

   2.リラクセーション・サイキングアップ

    高妻(2014)音楽活用、姿勢のコントロール、呼吸法、漸新的弛緩法、瞑想、ピークパフォーマンス分析

   3.イメージ

    土屋(2015)

   4.集中力

           ワークブックを用いて自己分析

   5.プラス思考

    認知行動療法、ボディランゲージ、Baltzell(2011)の自分に自身があるところを書く

   6.セルフトーク

    動機づけセルフトーク、教示的セルフトーク

   7.コミュニケーション

    高妻(2014)

   8.試合に対する心理的準備

    マインドフルネス、ACT、価値観カード
  ②練習や試合に帯同し、アドバイスを実施。

  ③検査を実施。

■結果:
 心理的競技能力の尺度で計測しているが、個人間で差が出た。

 数値が低下した選手もいるが、尺度単位で多くても2名。


■結論:

 特殊な状況下でのメンタルトレーニングプログラムは、マインドフルネス・目標設定・キャリア形成などが

 一部の選手の心理的競技能力の向上及び低下の抑制に有効であった可能性が示唆された。

 

■自分の感想:
心理学の論文とお作法が違うことに戸惑いながら、なぜこれをするのか?の

論理展開が少しわからないところがありました。

個人的には自分も学位論文で取り上げたACTや、お話を伺ったことのある高妻先生の心理的スキルなど

自分もやってみたいことを存分に試されていた、という印象です。
盛り盛りで、はっきり言えば正直ウラヤマシイ。

 

一つの方法論が一冊の本になるレベルで奥深いのですが、どこまで選手に落とし込めていたのか

本人達が使いこなせていたのか?は、疑問が残るところですし、

どのトレーニングがどう効果を与えていたのかも、判別不可かなと考えられます。

選手には面倒でしょうが、間隔を短くして計測したら、もう少し情報が拾えるのでしょうか。。。

 

おそらくこの類のものは、倫理的にメンタルトレーニングの有無で選手の群を分けて、

計測が難しいと思われますので「どのメンタルトレーニングをするとどれくらい効果があるの?」

という無邪気な質問に答えることが難しいことも難点の一つでしょうか。