このブログで、息子の特性については何度か触れてきました。
ちょっと、いやかなり変わってる子だなぁ、自分の世界に生きてるって感じの子だよなぁ、このままで大丈夫なのかなぁ、と思いながらの子育てでしたが、初めての子だし、男の子なのでよく分からなくて。
でも公立小の1年生になって、思うように友達と遊べなくて、どんどん元気がなくなっていく様子を見て、とにかく環境を変えないとと思いました。いまの息子に言わせるとこの時期は彼の人生のなかで、黒歴史だそうです。



どんな特性があったとしても性格だったとしてもそれは良いのですが、そのことによって、うまく周囲と関係を結べず、自分は人とうまくコミュニケーションが取れない人間だ、という自己認知が本人の中で固まってコンプレックスになってしまうことを恐れていました。端的に言うと、2次障害というものが怖かったです。
このあたりは、これまでのブログでいろいろ書いています。息子について、というカテゴリに入っているので、興味のある方は読んでみてくださいね。



そのあと、2年生で多様性を掲げる小さなインターナショナルスクールに転校しました。そこは、国籍だけではなくて、さまざまな特性のある子どもが通っています。
学校にはこれまでと変わって楽しく通い始め、彼の中で何かが動き始めそうな感じはしましたが、劇的に何かが変わったという感じでもなかったので、そのあと、ようやく重い腰を上げて発達検査を受けてみることにしました。(検査は誰かに薦められたわけではなくて、自発的に受けようと私が決めたものの、なんだか怖くてなかなか踏み出せませんでした。でも結果的にどんな情報も息子をより理解するためとして知りたかったし、その結果より良い親子関係を作りたいと考えて受けました)
それが2年生の冬で、WISKの結果、知的な遅れはないけれども、数値に凸凹があり、思考の固さも見られるという話しでした。
そのあと、1年半後に受けた検査では、ほぼ凸凹はなくなっていましたが、思考の固さはまだあってそのあたりが今後の成長の課題となってくるだろう、というお話でした。このときはWISKのほかに作業療法士にも入ってもらっています(この結果もこのブログに掲載しています)
またそれから1年半経ったので今年の夏に、定点観測のために発達凸凹塾のリタリコというところを訪ねました。
WISKの結果はこれまでの2回でほぼ同じ傾向で信頼性があること、また継続して受けるとテスト内容を記憶してしまって正確な数値が出なくなるのでどうしようかと思っていたところ、そこの職員の方に『詳細アセスメント』という検査があると教えていただき、それを受けてみることにしました。
こちらは息子ではなく、親の私が、普段の彼の様子についてそれぞれの項目に示されている特徴が日常生活の中でどの程度当てはまるかについて回答していきます。質問票としては全部でたしか7枚くらいあり、かなりの量があります。
それと、職員の方が息子と1時間授業を行い、その両方の情報をもとに、現状の分析と今後の課題をレポートにまとめて報告してくださるというもの。




結果としては、前回WISKを受けた際に心理士さんから言われたことと齟齬はなく、低学年のときに凸凹があったかもしれないけれど、いまはとてもバランス良く育っている印象とのことでした。
私の方もこの詳細アセスメントに記入しながら実はそのことに気づいていて、どういうことかというと、昔だったらこの項目めちゃくちゃ当てはまったけどここ最近はあまりこういう様子が見られないな〜というのが複数個あったのです。
例えば、
✔︎自分の気持ちを抑えすぎて突然爆発してしまうとか、
✔︎疲れやすくすぐぐったりしてしまうとか、
✔︎友達に必要以上に上から正論を言いすぎてトラブルになるとか、
✔︎自分の気持ちをうまく言葉にできない、
✔︎特定の食感や匂いに敏感
などなどです。
このあたりは、正確にいつからか分からないのですが、少なくとも半年くらいは見てないなと気付かされました。


 

そういえばと思って最近を振り返ってみると、帰宅すると毎日その日のことをよく話してくれるのですが、以前は嫌なことがあるとあいつ嫌い!もう関わらない!一辺倒だったのが、いまは好きじゃない友達でもあまり感情的になりすぎずに上手に距離を取るところは取ってストレスになりすぎないように付き合っているのが分かりますし、逆にその子にもいいところはあるんだけどなぁ、みたいなコメントもさらっと出てきたりして、特に対人関係や、自分の気持ちを言葉にすることにおいて、以前と比べて格段にこなれてきた印象があります。
また、親の私から見ても最近の息子のこういうところがいいな、と感じていたことはあって、それは自分や他人の中にさまざまな面があっても必要以上にジャッジしすぎず決めつけすぎずに、そういうところもあるけどこういう面もあるな、と力を抜いて客観的に多角的に捉えることができるところです。
結果として、感情の起伏が緩やかで穏やかに見えます。見ていて危なかっかしさがなくなった、と言えば伝わるでしょうか、、、?




私から見てもそうだし、専門家が見ても検査の結果、バランス良く育っていると出ている。
とりあえずこの4、5年やってきたことの方向は間違いじゃなかったんだなとなんだかホッとしました。



また、これは余談になりますが、この検査で面白いというか、私にとって子どもを理解するための新たな視点だと思ったのが、刺激に対する生まれつきの敏感さ/鈍感さについてです。
息子には、家の中をぐるぐる歩き回る癖だったり、ジェットコースターやブランコ、ハンモックのような揺れたりスピードのある刺激にちょっと異常なくらい執着するという特徴があるのですが、これはまさにそれじゃないかな、という話になりました。
もともと鈍感タイプであり、そのせいで困る体験をした場合、反対にそれを想起させる刺激にすごく敏感になってしまうこともあり、このあたりについて、元々はどっちタイプでいまはどうなのかを注意して見ていくといいと思う、とアドバイスをいただきました。
例えば昔は、人にちょっとからかわれるだけでも泣いてしまって周囲がびっくりするみたいなことがよくあったのです。この子は周りに何が起こっていても自分の世界で生きてるみたいなのに、突然こんなふうに感情的になって泣いたり怒ったりしていてとても不思議だなと思っていたのですが、それはこういうことだったんだな、とすごく納得しました。
この、鈍感な特徴というものは、内臓感覚にも言えることなので、食べ過ぎていたり、体調が悪くても自分でなかなか気づかない、ということもおるようで、この点もまさにその通りなのでなるほど、と思いました。




さて、話しを戻して。
次に今後についてですが、
1️⃣思春期の子どもは大変だという話をよく耳にするのと、
2️⃣いまは環境に適応できているけれど今後自分に合わない環境に行くこともあり得るので、そんなときのために心理的なセーフティネットを用意しておきたいのもあり、
3️⃣また成長しているとは言っても著しく成長したのはこの半年くらいのことなのでこの変化を確固たるものに定着させたいというのもあって、



ある程度継続的に通いたいけれど、どうにも遠すぎて難しいため、長期休みのときにある程度集中して以下の項目について授業を行っていただく方向にしました。
リタリコさんの方針もあり検査結果をそのまま出せないのですが、大きな方向性としては、


1️⃣自分の気持ちや思考との付き合い方のスキルを獲得する。
具体的には、
✔︎場面にあったストレス発散法、
✔︎自分の思考のクセの把握、
✔︎できている面やポジティブな面の言語化と定着化

2️⃣ネガティブな条件下での対応
具体的には、
✔︎相手と関係を維持しつつ、不快にさせない適切な言い方で意見を伝える
✔︎感情が高まった際の対応策

3️⃣人間関係の段階
✔︎仲の良さに段階があることを理解して、それによって関わり方を変えられる



このあたりを、ある程度長期的な取り組みで身につけていければと考えています。




こうした項目は、私もそういう視点はなかったかもあせるあせるというものもあって、親の方がとても勉強になります。
人間のストレスの多くは他者との関わりと言われますが、そのことに自分も含めてもっと意識的になって、こんなふうに自分や他者との関わりを体系的にまた積極的に学ぶことで、人生のQOLは確実に上がるのではと感じましたし、自分の過去を思い出して子どもの頃にこういう学びをしていれば、あんなに揉めたり傷ついたりしなくて良かったのかも、みたいなことも感じています。




以前、ユニバーサルデザインについて研究していた幼馴染に聞いた話ですが、
障害をもたれる方にとって使いやすいように考えられてデザインされたものは結果として、障害をもたない人にとっても機能的で、使っていて心地よさをもたらすだけでなく、デザイン的にも美しく、洗練されて優れた製品となる、と。
もしかしてソーシャルスキルについても同じことが言えるのかもしれない、と最近考えています。



今日は長くなってしまいました、、、
文章ではうまく表現できない部分もありますが、あくまでも実例の 1ケースとして、こんなこともあるという感じで読んでいただけたら幸いです。




こちらは最近の息子。

ハロウィンの仮装で、ワンピースのルフィの帽子をもらって、家でもずーっと被っています。

なんか落ち着くそうです😂

どんな方法でも、自分がリラックスできる方法があるってとてもいいものですね。