アーロン博士の Highly Sensitive Person改訂本がでました!マスト本です! | HSP2.0・育成者、支援者、サポート者のための〜非認知能力アップ実現のためのポリヴェーガル理論理解

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敏感、繊細、感受性の高いHSP(highly sensitive person)が、生まれ持った感性と強みを仕事に活かして生きていくことをサポート。
日本で最初にHSPとポリヴェーガル理論を結びつけ、生きづらさは自律神経系のケアで解消できることを説いている。

 

HSP/HSC プロデューサー、国家資格キャリアコンサルタント皆川公美子です。

 

HSPにとって必携の本が改訂版として出版されました。

 
 

HSP理論の提唱者であるアーロン博士の本
「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ」ですが

半年ほど前にSB文庫さんの本が絶版となり、

手に入らない状態が続いていました。

あたらしくフェニックス出版さんが版権をとられ

改訂版として出版されたのがこの本です。

待ってました!!

 

 

この本はアーロン博士が1996年に世界に向けて

はじめてHSPの概念を説明した

金字塔的なポジションの本の25周年エディションの本です。
世界中すべてのHSPの話はここからはじまりました。

(英語版)
 
 
上記の3つの本は同じThe Highly Sensitive Personの日本語版です。
 
一番右が日本で最初にThe Highly Sensitive Person という本が
「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ」として講談社より2000年に出版された記念碑的な本。
 
まんなかが上記講談社の本が絶版となり、そのつぎに2008年にSBクリエイティブから文庫本として出版されたもの。
 
一番左が今回訳者が冨田香里さんから片桐恵理子さんにかわり
編集意図によって、大きくタイトルの路線が変更になった今回の
25周年エディション。です。
 
 
 

基本的には右側の2冊の改訳本ですが、

「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ」から改訂された重要事項が

3つ紹介されていますので以下に記します。 

 

 


①新しい研究情報が付与されている。

「差次感受性」「環境感受性」などのマイケル・プルース博士らの研究を中心に、新しい情報があります。

アーロン博士は簡潔に書いてくれているので、とってもわかりやすく新しい情報を

知ることができます。

 

 


②『ひといちばい敏感な子』 ではじめてでてきたDOESの概念が

正式に加筆されました。
訳が多少変わっています。
 

D   処理の深さ
O 刺激に敏感
E 情緒的反応
S 些細なことにも気づく

 

 

 



③9章「医師と薬とHSP」という項が新たに加筆されています。

この本の初版は96年だったので、当たり前かもしれませんが、医学の進歩と方向性の変更などによって、現在世界で何が起こっているか、ということに対してアーロン博士がアップデートの必要を感じたようです。
ですが博士の立場としては「抗うつ剤などに対しては自分は専門家でないので発言を慎む」という立場をとっています。

おもしろいのは「医師を教育する」という項!笑

 

HSPのかたやHSPについて学んでいる方は全員買って損はない、基礎となる本だと思います。
 

 

 

 

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)

Amazon(アマゾン)

2,116〜9,294円

 

↑メッセンジャー講座の教科書としても利用させていただいていた

本です。文庫本で手軽で、そして訳者の冨田香里さんの訳がとてもニュートラルで

アーロン博士の意図そのままを訳にしようという態度が感じられてすばらしいです。

今は絶版で中古の本しか手に入りません。

 

 

 

 

敏感すぎる私の活かし方 高感度から才能を引き出す発想術

Amazon(アマゾン)

1,881円

 

一時予約で在庫なしの状態になりましたが、現在は復活しています。

HSPで正しい情報を知りたい方は、みなさま一度は目を通されることを

お勧めします。

 

HSPの定義はなんといってもアーロン博士が作られたもので

この本は22か国語に訳され、100万部以上が世界で売れています。

 

・・・・・・・・・・・

皆川の雑感を少し。

 

それにしても今回 編集意図と訳がかわったことでこんなに本の方向性がかわるのだということに驚愕しました。

 

アーロン博士は1996年の本から「よく考えてみると、手を加えるべき箇所はさほどなかった」(p13)と書いていて、基本的にこの本の構造は初版からかわっていません。

加筆部分は上記の3箇所だけです。

 

タイトルがよりアクティブに「私の活かし方」とコーチング要素が強くなり、

それをさらに押すように

「各章末のメニューで実践」
「自己診断テストで検証」など
人生を前に進めるという要素が散りばめられた表紙&キャッチコピーとなっています。

 

各章のタイトルや訳も前版より、コーチング色が強い訳となっています。

 

例えば

 

(175p)

敏感すぎる私の活かし方

(175p)

以下の項目を読んで当てはまるものをチェックしよう。自分の答えが矛盾してるように感じても気にしないように。各項目だけを見て当てはまるか当てはまらないかを判断してほしい。

 

 

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。

(p176)

次に挙げる文章の続きとして自分に当てはまると思うものを選びなさい。選ぶものに一貫性がなくても構わない。

 

 

新版だといかにもアーロン博士がそのように語りかけているような錯覚を覚えますが

旧版を参照するともう少しニュートラルな訳となっています。

全編にわたってこのような編集方針となっているようです。

 

・・・・・

 

時代が進んだのだなあっと感慨深くこの変化を眺めています。

 

初版本の訳者の冨田さんにお話しをうかがったとき

「敏感な人」について扱うということ自体、「病気ではないけれどもある種偏ったひとたち」というニュアンスが時代のなかにあったし、

心のなかのこと・見えないことを問題にする自己啓発本などは2000年当時は日本においてまだ亜流の存在だった」というようなことをおっしゃっていました。

 

この20年で社会の空気はかわりましたねえ!
 
自己啓発本は書店の本棚の一大勢力をになっており、

社会ではうつなどの心の病がきちんと扱われるようになり、

会社のシステムのなかにも

メンタル面の管理が組み込まれるようになりました。

 

HSPは目に見えない特性ですが

これからの10年で

見えないものに対する態度はさらに時代的変化を迎え、

HSPとしての資質を才能として社会で使用し、活躍する人が増えることを

わたしははっきりと確信しています。

 

 

次回作も同じフェニックス出版さんより出版の予定だそうです!! 
楽しみですね!