あなたの世界の入り口は?〜映像系と聴覚系のおはなし。 | HSP2.0・育成者、支援者、サポート者のための〜非認知能力アップ実現のためのポリヴェーガル理論理解

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敏感、繊細、感受性の高いHSP(highly sensitive person)が、生まれ持った感性と強みを仕事に活かして生きていくことをサポート。
日本で最初にHSPとポリヴェーガル理論を結びつけ、生きづらさは自律神経系のケアで解消できることを説いている。

クミシュラン皆川公美子です



この本おもしろかった。

世の中には

映像思考で生きている人と、

聴覚情報を頼りにして生きている人がいる、

というのが、この本の入口なんですけれど、


映像思考の顕著な人の代表としてガウディ、

聴覚思考の顕著な人の代表としてルイス・キャロルを取り上げています。



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人は誰でもそうであるように、

自分が世界を捉えているのと、同じ方法で

他人も世界をとらえていると思っています。

要するに同じ場所にいれば同じものを見て、

同じものを聞いていると思っています、よね。



けれども、人が見ている(聞いている)世界と

自分が見ている(聞いている)世界は

全く違うのです。





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この本では視覚的に絵や図を使ったほうが、
記憶や処理そして理解をしやすいタイプを「視覚優位」


聴覚的に言葉や文字(視覚も使いますが)での解説のほうが記憶や処理、
そして理解をしやすいタイプの「聴覚優位」

としています。





もちろん人はどちらの部分も持っていて、割合的にどちらが多いかということ
なのですが、

ガウディやルイス・キャロルは特に偏りが激しかったようです。

ガウディやルイス・キャロルのハナシはとてもおもしろかったのですが、
今日は一般的に視覚・聴覚というところのみ書きますね。


下記の【視覚優位の特徴】【聴覚優位の特徴】はいけだはやとさんのサイトが分かりやすかったので、引用させてください。http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/25781


【視覚優位の特徴】
・空間認知が得意、何かを図で認知するのが得意
・人の顔を覚えるのが得意
・ざっと見ただけで、全体の関係性を理解できる
・フレーズや歌詞を覚えるのが苦手
・ごちゃごちゃしている部屋が苦手
・頭のなかで、言語ではなく映像を使って思考する(映像思考)
・識字障害(ディスレクシア)がある、記憶に問題がある


こういうことに、心あたりがありますか?

幼いころから積木で遊ぶのが好き、
学校では図形の問題が得意だった、
カエルを描こうと思ったら、カエルを斜め上から見ている画像が浮かぶのでそのとおりに描けばそれでよい、
色に強いこだわりがある、
人のハナシや本の内容も映像に転換してから理解するので、
本を読む速度が遅く、長すぎる話は途中で理解できなくなってしまうことがある。
イメージがわかないと一歩も前へ進めない。








【聴覚優位の特徴】
・人の顔を認知できない(相貌失認)、記憶するのが苦手
・人の顔を認知できないため、コミュニケーションが苦手
・時間を追って、段階的に理解するのが得意(継時処理)
陶器だ➡厚みがある➡外側がキレイ➡持ち手がある➡飲み物を入れられる
➡マグカップだ という順番での認識。
・全体よりも細かいことに関心を示す
・フレーズや歌詞を覚えるのが得意
・リスニングが得意
・BGMを思わず聴いてしまい、集中できない



以下に心当たりありますか?


小さい頃、幾何より代数が得意だった。
数値や順番、序列にこだわりがある。
手紙をやたらにたくさん書く。
局所優位(線優位)なことが多い。
  
また聴覚優位な人が書いた文章は、越えの表情や会話の内容、そして音や響きにまつわることが豊かに記されています。
しかし、色や人の表情などについての視覚情報が少ないので、視覚優位な人が読むと、
いつまでたっても描写されている花の色がわからないので、ストレスになる、ということもあります。




また、視覚優位と聴覚優位を判断する質問として「赤ちゃんが生まれたときを想像してみてください」というものがあるそうです。

このとき「おぎゃー!」という「声」を脳内に思い浮かべるのなら「聴覚優位」、「泣いている赤ちゃんの顔」「助産師が赤ちゃんを取り上げている姿」などのイメージを想像するのなら「視覚優位」といえるとか。わかりやすいですね。


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この本の本流は、発達障害に関することなので

映像主体、聴覚主体はほんの入り口としての記述なのですが、

「おのおのの世界の入口」にとっても興味がある私としては、

その入り口のところをさらに追っかけたい気持ちでいます。




それで私は、といえば

言葉が大好きで、音をいつも拾っているので聴覚派かと思っていましたが、

読み進めていくうちに、本や人のハナシをいつも映像イメージに転換しているので

読むのが遅かったり、とか映像派の部分も結構ありました。





こういう認知の方法のハナシを読んでいくと、

身の周りの人の不可解な行動が、

突然立体的にナットクの行くものとなったりする

この人はどうしてこう、ひとつひとつ前提をふまえて話すんだろう~ふまえすぎだよっ
と思っていたのが、なるほど聴覚派の継時処理というやつね。と思ったり、


娘が画用紙の前で2時間もじっとしているのを見て、何をしているの~と分からなかったけど、
ああ、なるほどイメージを固めるのに時間がかかっているのね・・・と
その時はわからなかったけど、今合点がいったり。


学校の教育様式は聴覚派のこどもに有利にできているから、
映像でものごとを理解する子どもたちにとっては、
大変なことも多いのだなあ~。

とかね。




各々の、世界への進入角度がこれほどまでに違うということが、

この複雑怪奇でユカイな世界を創っているんだなあ~ということが、

立体的に分かります。

この本の中では、さらに視覚優位や聴覚優位が極端にすすんだときの
発達障害、と呼ばれる症状(ディスレクシア・吃音等)にも
多くの紙面をさいています。

それは、社会にとって手間がかかるという場合に「発達障害」などという呼び名がつけられますが、それは単にひとつの世界への進入角度、それ以上でも以下でもないなあ
とあらためて思うのでした。


いろいろすぎる建物があって、

いろいろすぎる音楽があって、

いろいろすぎる絵画があって、

いろいろすぎる料理があって、

いろいろすぎる服がある。


いろいろすぎ、バンザイ(笑)




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