賞というものには、そんなに縁がない。
まったくないかといえば、高校の時、毎日新聞社の読書感想文コンクールで、なにかしらの賞をいただき、その時のトロフィーは、実家のリビングボードの上に、紙押さえの役割で置かれている。

そうそう、数年前には「デラシネ」のアルバムで、レコード大賞優秀アルバム賞もいただいたが、それさえ忘れてしまうくらいだから、もともと賞に向いていない、何とも情けないタチなのだろう。

そんなふうに賞と馴染みの薄い私が、昨日、「岩谷時子賞」の特別賞をいただいた。
特別賞の他には「岩谷時子賞」「奨励賞」などあって、これまでもそうそうたる方々が受賞されている。
「岩谷時子賞」は、大竹しのぶさんで、久々にお会いできた。
時々メールなどで、私の介護状況を心配してくださっていて、でも、なかなか公演を見にうかがえず残念な思いをしていたので、今回お会いできるのは嬉しいことだった。

会場のパレスホテルは、まさにパレス、皇居そばの由緒あるホテルで、改築前には深緑夏代さんのディナーショーに伺った覚えがある。
(越路吹雪さんも、よくここでショーをされていた)
シャンソンが、そんなふうに宝塚と結びつき、華やかな時代があったのだ。

そこへいくと、私などは、そういったものとはほど遠く、こんな私が特別賞などいただいて良いのかと心もとない思いがする。

岩谷時子さんは、越路さんの亡き後、たくさんのミュージカル作品の歌詞も書かれ、もちろん歌謡曲の大ヒット作品もたくさんある。
そう言ったこともあるのだろう、これまでシャンソン系の受賞はなかったらしい。

私は越路さんでシャンソンを知り、その言葉に、人の奥深さを知った。
岩谷さんのおかげで、一筋縄ではいかない女性の胸の内などを知った。
ずっと敬愛し憧れたお二人と、ちょっとでも近くなれたようで、どうも場違いな感じを隠しつつ、晴れがましく賞をいただいた。
幸せなことだ。



今朝、突然、谷川俊太郎さんの訃報が。
心臓がドキドキする。
このことはまた明日。
これから母親の訪問診療があるので、出かけます。
ああ、寒い。