朝の連ドラが気持ち良い。
ヒロインの伊藤沙莉さんは、期待に違わず、いや、期待以上に気持ち良い。
声がいい、滑舌がいい、表情もいい。
いいことだらけ。

放送前には、親戚でもないのに老婆心的心配をしていた。
いっとき、声に支障があったようで、同じ声の商売、しかもトラブル経験者としては、大丈夫かと気を揉んでいた。
声を張り上げる役が多かったので、声帯結節にでもなったのではないかと、2回も手術した身としては、他人事ではなかった。

でも、いま沙莉さんは、そんな心配どこ吹く風の快進撃。
役柄も、ドラマ自体も、素晴らしい。
毎日楽しみ。

ドラマの中で「月のもの」という言葉が出てくる。
生理のことだが、そういえば昔は月経と言っていた。
月のように一ヶ月周期で巡るカラダ、そして必ずやってくる厄介者。

今回のドラマは、そんな女性の陰の部分にまで踏み込んでいる。
あっぱれなドラマだ。
「カーネーション」以来の傑作かも。
あの時のテーマソングは椎名林檎さんだったが、今回は米津玄師さん。
なんて歌ってるのかわからないけど、まあいいや。
(おばさんの耳には、もう無理です)
母の入浴用の椅子がやってきた。
小ぶりで可愛い。
これなら、じゃまにならない。

にしても。にしてもだ。
この定価が17000円というのだ。
介護保険を使って一割負担。
つまり1700円。

やっぱり助かりますねえ、ありがたいですねえと思うものの、その前にネットでこうしたものの値段を調べていた者としては、どうも腑に落ちないような感じ。
構造な複雑のものならまだしも(介護施設で使うような)、今回購入したのは、まったく簡単そのもの。
定価が17000円というのは、やっぱり変な気がする。

介護保険使っておいて何だと言われればそうだが、この介護保険の闇のような部分が、この辺りにある気がしてしまう。
請け負う業者との利益関係など、こういうことが介護保険料に跳ね返ってくるのかもしれない。

我が家でも、介護される側の父親の保険料の高さは半端ない。
毎月払い込みに行くが、長生きは大変なことだとその度思う。

で。その「疑惑の椅子」で、母親の入浴タイム。
じゃまにならずスムーズに終える。
ありがたい。
これネットだったらいくらかなあ、とまだ考えてる自分がいる。
やっと退院後の父親に会いにホームへ。
一番スケジュールがキツい時の手術入院だったので、その間の仕事も、うまく眠れないこともあって、なんだかアタマに熱がこもってしまったような一週間だった。

でもどういう時でも、ちゃんと時は過ぎる。
優しく、無情に。

退院後、足が弱ったと聞いていたので、父のいる二階に出向くと、隣で車椅子の入居者の食事介助をしているスタッフに、手を伸ばしナニカシラ話しかけている。
「父さん、来たよ」
というと、苦悩に満ちた顔で「もう帰ろうと思うんだ、すっかり疲れちゃったんだ」

時々このパターンがある。
カラダがどうもいうことを聞かないと自分が情けなくなる、ここにいても役に立てない、もうこんな仕事はやめて家に帰ろう。
というパターンだ。

父の部屋で、コンコンと話を聞き説得を始める。
父さんは、ここにいてくれないと困る人がたくさんいる。みんな父さんがいることで助かっている。いて欲しいと思っている。
とまあ、こんなことだ。
父はどこまでも、会社ニンゲン、いや社会的ニンゲンなのだと思う。
自分が誰かの役に立っているかどうかが、心の拠り所になっている。

こんな父親が愛おしく哀しい。
それでも、一時間ほどで、なんだか納得してくれた。
父の理解の筋道はまったくわからないが、こうして論理にもならない説得でも、とにかく寄り添うことが大切なのだ。
それには、やっぱり家族なのだろうなあと、思う。
これまでの人生を見て来た者にしかわからない「届く言葉」を持つのは、家族なんだろうなあ。
娘の役割は、広がるばかりだ。

父と母と。
この二人の人生と関わること。
大変なことも多いが、もともとが未熟者の私には、自分のためにも大切な時間なのだと思えて来た。
最後の授業。
父と母による最後の授業。
そういうことかもしれない。