また自転車で転んでしまった。
冬に一回、夏に一回、またかな感じ。

今回は、いつもの自然食品屋さんに寄ってから、帰り道に薬局へという流れ。
このルートが初めてだったこともあって、最後の曲がり角がこんなに急だったことを知らなかった。
曲がりきれない、と思った瞬間車体が左へ。
左足で支えられる重さではなく、一瞬のうちにボウと諦めた。

そのボウと諦める感覚が初めてのもので、沈みゆく船の人はこんな感じかと思うほどで、いやいや、それより次の瞬間の左ヒザの痛み。
そして駆け寄ってくれた三人の人たち。

その一人は、目の前のつけ麺屋さんの大将らしく、自転車を起こしてくれるし、もう二人は、看護師さんの同僚らしい女性たち。
「すみません、ボウとしちゃって」と謝る私に、そうなんですよね暑いですからね、と優しい言葉。

確かにボウとしてしまっているなあと、左膝を確認する。
ケガはしているなあと思ったが、それよりパンツが破れているのではないかと思えた。
さすがユニクロ、こんな時でもしっかりしている。
ありがとうユニクロな気分で、母親の薬をもらって帰る。

夜、自分の部屋に帰ってから、ヒザを見ると、けっこう痛々しい。
シャワーがしみる。
でも、こんなの大したことないわいと、絆創膏を貼る。
老人の世話をするようになってから、ケガに強くなった。
包丁で指を切って血が止まらなくても、さとられることなく切り抜けた。
こんな日々の自信がある。
こんなことだけが強くなる。

子供は怪我などしない、病気などしないものだと、もしかして親は思っているかもしれない。
まあ、そんな勘違いを、この人たちを送るまで続けさせてあげたいと思う。
でも、なかなか長そうではあるなあ。