退院した父親の、退院手続きに行く。
これまで退院時に行けなかったことはなかったが、うまく時間の折り合いがつかずホームのかたに委ねた。
こういう時、施設のお世話になっていて本当に良かったと思う。

家にいる頃は、薬や衣類、そして移動手段など、ただでさえ混乱しやすいアタマは音をあげていた。
車椅子の扱いにも慣れていないナサケナサも、感じないで済む。
本当にありがたい。

肝心の精算は、おそらくこれくらいだろうと踏んでいた額とまったく違った。
あらかじめのお預け金のかなりの額が返ってきた。
驚いて、間違いじゃないですかと聞くと、同じ月に入院したので、こうなりますとの説明。

父の場合、前回の退院の一週間後での入院だったので、なるほどと納得。
(入院が1日だったこともラッキーなのかもしれない。これが前月の30日だったらどうなるのかなあ)

とにもかくにも、ちょっと得した気分で病院を後にする。
いやいや、父にしてみれば得もなにもないのだが。

これからどれだけの入院が待っているのか、皆目わからない。
こうして一回ごとに弱っていくのも、寿命なのだろう。

苦しみのないよう、と子は思うが、そう言う意味では苦しみを全部忘れさせてくれる認知症は、やっぱり神様のプレゼントに思える。

今日は戻ったホームに父を訪ねる。
昨日のような雷雨がないといいのだが。